第40話 僕の復活とデビュー話!?

 そこは自分の部屋だった。でも、体が動かない。

 目を開けて、横を見るとそこには泉がいた。そして

その後ろにゆい達も居た。


「気づいたか柊介」

「姉さん。それに、皆も」

「起きちゃダメだよ。熱があるんだから」

「熱?そういえば体が熱い」

「ごめんね柊介、私が無理をさせてたから」

「だ、大丈夫です。なんとか」

「起きるな!お前は寝てろ」

「姉さん」

「じゃぁ私は行くけど、皆もほどほどにね」

「ハイ。あとは任せてください」

「ありがとう。じゃぁ柊介、私は行くからね」

「う、うん」


 泉は出て行った。残ったのはゆい、洋子

咲夜も来ていて、香澄も呼ばれ、四人が

部屋の中にいた。

 

「皆ありがとう」

「しゃべらない。何か欲しい時だけ話せば

いい。今は安静にな」


 香澄が隣に来て、タオルを変える。その

横に咲夜が居た。


「ごめん、浅倉くん。私が無理に仕事を

頼んだから」

「だ、大丈夫です。気にしてませんから」

「ありがとう。今日は私も休みだから

一日面倒見るからね」

「咲夜さんだけじゃなく、私もいるからな」

「はい」


 柊介は眠った。その後もゆい達は残り、

香澄達は明日用に柊介に食事を作ったり

ゆい達のゲームの仕上げを手伝った。

 夜遅くに皆柊介の家から帰宅した。


 柊介が復帰したのはそれから三日後だった。

 その間にゆい達はゲームを作り終えて

あとは他の準備をするだけだった。

 そのゆい達が柊介の様子を見に家に

やってきた。


「ごめんね最後に手伝えなくて」

「大丈夫、早いうちにほとんど終わって

たし、十分柊介は手伝ってくれたよ」

「そうね。私も楽しかった。最後はちょっと

たいへんだったけど」

「ありがとう洋子ちゃん。じゃぁとは売り場の

販促とかかな?」

「そうね。そういうのもやっておかないとね!

初めて出店するわけだし」

「そうだね。買う側はいつもだけど、出す側は

初めてだからね」

「ねぇその売り場での仕事も手伝っていい?」

「いいけど、洋子ちゃんは買い物の方が

メインじゃ」

「そうだけど、自分も制作に参加したんだから

最後までやってみたい」

「いいわよ。じゃぁ洋子ちゃんも売り子を

してもらおう。いいよね柊介」

「うん。二人だと人数的には不安だけど

三人だと安心できるからね。じゃぁお願いします」

「了解。それで、柊介は咲夜さんの方はいいの?」

「あ、そうだ。ちょっと連絡するね」


 柊介は咲夜に連絡をした。自分がもう大丈夫な

事も告げ、これから予定を聞いた。


「うん。じゃぁ今度」

「大丈夫だった?」

「ハイ!なんとか。それで、ゆいさん。今度の休みなんだけど」

「いいわよ。そっちを手伝っても。まぁそれも

あるから当分はエッチなしかな」

「そ、それは少しさびしいです」

「じゃぁ柊介、私がしようか?」

「よ、洋子ちゃん!」

「こらっ!私の前で誘惑しない!」

「柊介はまんざらでもないみたいだけど」

「柊介!!」

「ごめんゆいさん!!」


 そんな感じで柊介も復活し、ゲームも作り終える

事が出来た。ちなみ、ゆい達が作ったゲームは

シューティング系で、二種類あり、男性向けと

女性向け様に分かれている。

 なので制作にも時間がかかり、大変だったのだ。


 休日、夏休みだが。柊介は咲夜と一緒にスタジオに

居た。もう体調も良くなり、いよいよ本格的に

リハが始まる。

 

「うん。いい感じだね浅倉くん」

「ありがとうございます。休んだ分、それ以上に

練習してますから」

「あまり無理はダメだからね。あなたは演奏は

もう十分できてるんだから」

「はい」

「そうね、本当にいい演奏してるわよね。ね、社長」

「そうだな。バックで終わるには惜しいな」

「じゃぁ社長、浅倉くんもデビューさせちゃい

ましょうよ。うちから」

「それは実は検討しているよ。まぁ彼が本気で

したいと思わないとダメだがな」

「そうなんだ。浅倉くんデビューできるみたいだよ」

「えっと、それはうれしいんですけど。僕、歌うのは

苦手ですけど」

「もちろん、そっちもレッスンできるようには

するさ。でも、キミは演奏者として、ミュージシャン

でのデビューだな。たとえばキミとユニットを

組める人を探してとかな」

「ハイハイ!ユニットにするなら私が組みます」

「咲夜ちゃんが!?それもありかな?」

「そうだな。それも絵になるな」

「よし、じゃぁ浅倉くん組もう!」

「あの、僕はまだデビューするとわ」

「もう、ノリが悪いぞ!私は本気で浅倉くんと

なら一緒にやりたいんだから」

「ありがとうございます咲夜さん」

「まぁその話はまた後でだな。今はフェスの

ライブに集中だ」

「了解!」


 リハを再開する。柊介は実は迷っていた。もし

ゆいのゲーム作りがなければ、音楽で、とくに

作曲での仕事もありかと思っていたのだ。

 しかも、次はあのアニフェスに出るとなったら

なおさらこっちにも興味がわいてきている。


 そんな感じで、八月の二週目になり、コミカルフェス

の開催当日になった。

 

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