第64話 長文お説教タイム
「査定が終わりました。魔力結晶は、ゴブリンが29で7,250G、ゴブリンリーダーが6で5,100G、ココチカバットが84で71,400G、穴蔵ヤモリが49で53,900G、マリボアが39で60,450G、合計が207で198,100G。討伐報酬は、マリボアが650×39で25,350G。素材は、穴蔵ヤモリが50×57で2,850G、マリボアが150×39で5,850G、合計が8,700G。総計232,150Gですね」
「魔力結晶は例によってで」
「ではゴブリン、ゴブリンリーダー、マリボアの分を引いて…最終的に159,350Gです。今日は蜘蛛の分もありませんし、討伐数も金額も大人しいですね。調子が悪いなら無理してはだめですよ?」
「ちょっと修行してたので。討伐数の大半も、コロちゃんのおかげですよ」
ぴょいん
「頑張ったんですね、コロちゃん」
なでなで
ぷるぷる
「それで、修行なのに数が少ないという事はLv的な事ではなく技術的な事でしょうか?」
「はい。少しステータスが上がりすぎて、それに胡座をかいてしまっているのに気付きまして」
「それを自覚できるほどに上がっているんですか?」
「見てみます?」
「いいですか?」
「コロちゃんのもいいかな?」
ぷるぷる
===
ハジメ 人 18 リスガー
パーティ:コロ、リリアナ
状態:女神の加護(均衡)
Lv 0 Exp 0
HP 1,635/1,604 → 1,843
MP 403/458 → 546
SP 1,742/1,467 → 1,705 (15%↑ 体術Lv3)
ATK 1,644 → 1,925 (15%↑ 体術Lv3)
DEF 1,382 → 1,587
MATK 343 → 408 (10%↑ 魔力強化Lv2)
MDEF 314 → 374 (10%↑ 魔力強化Lv2)
SPD 1,707 → 1,970 (15%↑ 体術Lv3)
STR 1,733 → 2,016
VIT 1,708 → 1,971
MGC 575 → 689
AGI 1,763 → 2,021
スキル:体術Lv3、[簒奪者Lv1、]収納魔法Lv2、女神の加護Lv2、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv3、魔力操作Lv2、魔力感知Lv2、体当たりLv2、短剣術Lv3↑、暗殺術Lv2、集中Lv2、剣術Lv3↑、棍術Lv2、弓術Lv2、遠吠えLv2、カウンターLv2、魔力強化Lv2、魔力効率化Lv2、魔力回収、魔法剣!Lv2、マジックフィルム!Lv2、ステータス抑制、PT特典、ステータスLv2、斧術Lv1、HP回復量上昇Lv2、回復魔法Lv2、保護色、熱感知、氷結魔法、振動感知、捕食Lv1、指揮
コロ エルダースライム 2 -
パーティ:ヤマト、リリアナ
状態:正常
Lv 50 → 52 Exp 752,062 → 885,070
HP 416/200 → 208
MP 286/131 → 143
SP 437/183 → 190 (15%↑ 体術Lv2、瞬速Lv1)
ATK 198 → 206 (10%↑ 体術Lv2)
DEF 195 → 204
MATK 130 → 142
MDEF 128 → 140
SPD 216 → 225 (15%↑ 体術Lv2、瞬速Lv1)
STR 215 → 224
VIT 215 → 224
MGC 138 → 151
AGI 235 → 244
スキル:捕食Lv4、真似っ子Lv3、指揮、回復魔法Lv3、保護色、熱感知、氷結魔法、振動感知、ステータスLv2、体術Lv2、体当たりLv2、集中Lv2、暗殺術Lv2、HP回復量上昇Lv1、カウンターLv2、変形、魔力感知Lv1、指揮、瞬速Lv1
===
ーーー
短剣術
- Lv3
ラッシュ MP10
連撃の速度を上昇させる
ーーー
「たしかにこれは凄い数値ですね。もう感覚が麻痺して驚きません。もう第一線級の戦力なのでは?」
「いやーリリアナさんにわからない事が俺にわかるわけないですよー」
「それで、一体どんな修行をしてきたんですか?なんだか久しぶりに疲れた様子ですが」
「ちょっと、自分自身のステータスを下げられるようになりまして」
「そんな事まで可能なんですね、加護というのは。どのくらい下げたんですか?」
…これは、下手な事を言ったら心配かけてお説教を食らうパターンだな!
「最初はコロちゃんのステータスに合わせてたんですけど、次にHPとかの安全マージンだけ確保してココチカバットに合わせて…色々と戦い方を模索してました!」
ぷるぷる
コロちゃん、そんな目で見ないでよ!
いやまあ、スライムには目はないんだけど…
「向上心があると言うか、慢心しないのは感心ですが…何か怪しいですね。何も隠してないですか?」
「し、初日にここで薫陶を受けた身にしてみると、ここであると言うはずがないですよねー」
「何を隠しているんですか?」
「…実は、コロちゃんに何度か回復魔法をもらいました!」
じーっ
リリアナお姉さんの視線が突き刺さるぅ!
「あ、それよりほら!コロちゃんのステータスを見てくださいよ!もうLv52ですよ!凄いでしょ!」
「…たしかにスライムとは思えないLvですね。スキル補正が無い部分が最大値を超えていたり、補正があってもSPの計算が合いませんね。これも加護の影響ですか?」
「コロちゃんの算出値が倍になるまでを上限に、俺の分から貸し出せるんですよ!その後に、補正がかかってるみたいです!」
「本当に今日は、コロちゃんがハジメさんを守っていたんですね」
なでなで
ぷるぷる
あああああー
優しい微笑みのリリアナお姉さんと可愛い天使のコロちゃんの仲睦まじい様に心が洗わ
「ハジメさん」
「はい!」
「お願いですから、無茶をして無意味に居なくなってしまうような事は、しないでくださいね」
「は、はい!」
「…ギルドとしても期待していますし、投資が無駄になってしまうのは困ります」
「投資…ですか?」
「ハジメさん、ランクシステムについて釣り針を垂らしたのに、あれ以降は全く食い付きませんね」
「気になっては居ました!聞きそびれてしまって」
「いい機会なので教えてしまいます。損失になってもらってしまっては困りますし、釘を刺しておきましょうか」
「な、なんですか…」
なんですか、その笑顔!
「こちらが、ギルドのランクシステムの資料になります」
**********
【冒険者ギルド・リスガー支部 ランクシステム表1】
1 登録時
2 雑用クエスト達成、討伐数500
3 ディアパラタを3匹討伐(リスガー冒険者ギルド指定)
4 討伐数20,000
5 討伐数40,000
6 再犯追放者の処理経験
7 依頼達成数2,000
8 指名依頼達成数50
9 公的機関からの指名依頼を達成
**********
「ほ、ほうほう」
「ランク5までについては、相応の強さを身に着けている事の目安です」
「なるほど!ただ数だけを狩っていても、Lvや技量が身についてないとランク3で引っかかると!やっぱり技量も」
「それだけではありません。これらは3〜4人パーティを前提にした構成です。パーティで討伐数は共有されます。つまり周りの仕事仲間との協調性なども考慮に入っています」
「はい…」
「ランク7の条件も、討伐依頼を順調にこなしていれば当然のように達成できますし、それによってランク6が可能なだけの、少なくとも技量は身に付くはずです。パーティで適性Lvの魔物を倒し続けていれば、ほぼ確実です」
「そうなのか…」
「ですから人によっては、ランク6の条件を満たした時点で自動的にランク7になる場合もあります。経験次第では一気にランク9まで上り詰める事もあり得ます」
「言われてみれば…」
「ここまでは、冒険者ギルドに関わる者なら誰でも知る事ができます。興味はなさそうですが」
「いやほんと、興味はあります!ほんとに、聞きそびれただけなんです!」
「我々のハジメさんに対する扱いについては?」
「そっちは、聞きたいような…聞くのも恐いような…」
「聞いてもらいます」
「はい」
「ハジメさんが条件を満たしていないのにランク2になったのは、こちら側の思惑があっての事なのは事実です。特にここ数日の強さと成長速度は申し分ないようなので、いっそ内部的にランク7の待機状態として扱い、いずれ何らかの実績を以って特例的にランク二桁になってもらう事も考えて…いました」
え、えらい出世コースを設定されてしもうた…ん?
「…いました?」
「なぜランク6になっていないか。自分でわかりますか?」
「み、未熟者ですので…」
「そういう事です。まだまだハジメさんには精神的に負担が大きい、更には周囲の負担も大きいと判断しての事です。言ってしまえばまさに未熟で時期尚早です。ダンジョンを教えたのも本当は現場で冒険者と交流をして欲しかったからです。ほとんどギルドに寄り付かないんですから」
「耳が痛いです…」
「あの時の判断は、もしかしたら正解だったかもしれませんね。今日も何がしかの無茶をしたようですし。例えば安全マージンを捨てたとか」
バ、バレ…
「ウチにも色んな人が居ますからね。どんな無茶をしそうな人なのか、なんとなくでも分かるようになります」
「やっぱりバレてますか…」
「勝手に期待をかけておいてこんな発言をしてしまったのには心苦しいものがありますが…」
何だろう、ある意味で俺は悪くないはずなのに罪悪感が
「ここまで言ってしまったので、もう言ってしまいます。押し付けがましいですが、ハジメさん。あなたの居場所や生活手段をひとつでも多く、この世界に作ってあげられるように冒険者ギルドなりのやり方で考えているという部分があります。もちろん、ギルドの戦力としてという大前提ありきですし、元の場所に帰れる、帰るとなったらそれすら不要になるでしょう。それはこちらとしても残念ですが、それこそ言ってしまえば、所詮はそれが冒険者というものなのです。ハジメさんがもし居なくなるなら、元の場所に帰るか、別の場所へ移住する、あるいは別の生き方を選んだ時だけにしてください。どうかせめて、必要以上の無茶な事をして無意味に居なくなってしまうような事はしないでください」
「…はい」
「コロちゃん、この無鉄砲さんが無茶をし過ぎないように、これからもお願いしますね」
なでなで
ぷるぷる
「さて、それでは旅の最中の冒険者ギルドに関する諸注意ですが…」
あ、頭に入るかな…
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