第56話 ホントお世話になってます

「もうすぐ3時半か」


 先輩達の勧誘を宥めすかしたり何とか断って、4Fで1時間ほど狩りをした

 曰く、俺が明かりをつけて先行すると魔物が根こそぎ居なくなるから稼げないんだとか

 というわけでリポップするはずだけど、自主的に遠慮しておいた


 あ、色々と会話したのに結局、明かりをどうしてるか聞き忘れた

 まあ俺は俺で、このままでいいか


「コロちゃん、そろそろ蜘蛛のところに戻ろうか」


 ぷるぷる


 やっぱり武器を伸ばさないとな

 4Fの敵に氷結魔法を試したけど、練習不足だ

 思った通りに敵に当てるには、もっと使い慣れないといけない


「さて、5匹ほど感知に引っかかった。明かりをつけるよ」


 蝙蝠、蝙蝠、蝙蝠、蝙蝠、蝙蝠


 順調に殲滅

 ほんと、蜘蛛さえ居なければ美味しいんだよな、ここ

 まあコロちゃんに食べさせてあげたいから来てるんだけど


「やった!コロちゃんがLv40台に突入だ!」


 ぷるぷる


===

 ハジメ 人 18 リスガー

 パーティ:コロ

 状態:女神の加護(均衡)

 Lv 0 Exp 0

 HP 534/644 → 688

 MP 146/197 → 210

 SP 514/585 → 625 (15%↑ 体術Lv3)

 ATK 702 → 749 (15%↑ 体術Lv3)

 DEF 559 → 597

 MATK 154 → 164 (5%↑ 魔力強化Lv1)

 MDEF 143 → 152 (5%↑ 魔力強化Lv1)

 SPD 601 → 645 (15%↑ 体術Lv3)

 STR 708 → 760

 VIT 653 → 701

 MGC 213 → 233

 AGI 592 → 640

 スキル:体術Lv3、簒奪者Lv1、収納魔法Lv2、女神の加護Lv2、最適化、存在強化、ステータス改、基礎魔法、パーティLv3、魔力操作Lv2、魔力感知Lv2、体当たりLv2、短剣術Lv2、暗殺術Lv2、集中Lv2、剣術Lv2、棍術Lv2、弓術Lv2、遠吠えLv2、カウンターLv2、魔力強化Lv1、魔力効率化Lv1、魔力回収、魔法剣!Lv1、マジックフィルム!Lv1、ステータス抑制、PT特典、ステータスLv2、斧術Lv1、HP回復量上昇Lv2、回復魔法Lv1、保護色、熱感知、氷結魔法


 コロ スライム 2 -

 パーティ:ヤマト

 状態:正常

 Lv 39 → 40 Exp 281,658 → 305,480

 HP 308/151 → 154

 MP 104/50 → 52

 SP 260/128 → 130

 ATK 147 → 150

 DEF 129 → 132

 MATK 33 → 34

 MDEF 29 → 30

 SPD 161 → 164

 STR 167 → 170

 VIT 166 → 169

 MGC 78 → 80

 AGI 185 → 188

 スキル:捕食Lv3、真似っ子Lv3、指揮、回復魔法Lv1、保護色、熱感知、氷結魔法、振動感知

===


「そろそろ、MGCを50返上した瞬間に異空間の中に入ってても潰れなくなったな」


 MGC250あれば、異空間で寝泊まりしても余裕ができそうだ

 照明を設置…は光球でもいいのか?

 寝具とかを入れっぱなしにしてもそろそろこのステータスなら大丈夫だろうし

 色々考えるとMGC300は欲しいか

 酸素濃度的にも一晩は余裕を持って過ごせる

 50上乗せの状態で350…

 潰れないだけじゃなくて、色んな余裕を考えると最低でも素の状態で今の倍か

 まあそのうち達成できるな

 いや、むしろ入り口同士を密着できれば…MGC180だと寝ながら窒息するな

 できたとしても窒息しないレベルの広さだと回復アイテムなしではできない

 なら寝るだけの場合は隙間を開けて並べれば


「っと、いけないいけない。そろそろ次行くよー」


 蝙蝠、蛇、蜘蛛、蝙蝠、蛇、蜘蛛、蜘蛛


 コロちゃん手前の蛇!俺は奥の!


 蛇の首を落として…目の前に蜘蛛二匹っ!

 俺は逃げる!腰が抜けないだけ成長してる!

 ついさっき蜘蛛の2倍のSPDを手に入れたんだ!


 でも蜘蛛は機敏だぁ!?


「コ、コロちゃん〜!!!」


 気が付いたら、追いかけてくる蜘蛛をコロちゃんが倒してくれてるのを上から見てた


「お、落ちる〜!?」


 痛い…

 回復魔法かけとこう…

 ノーラのようにはいかないけど、痛みは引いたみたいだ

 追加で何回かやっとくか


「いつの間にか壁を走れるようになってたんだな…一瞬だけど」


 これ、もっともっとステータスを上げたら、勢いで天井に張り付けそうだな

 最近は朝の訓練でも、ニンジャごっこが様になってきたし

 そのうち天井を走ってぐるっと一周できたりして


 ああ、もう次の集団か

 嫌だなー


「ま、まだまだ行くよー」


 蝙蝠、蜘蛛、蝙蝠、蝙蝠、蜘蛛、蛇、蝙蝠


 げ、蛇の手前に蜘蛛が居る…


「あ、コロちゃん!?」


 コロちゃんがフルスピードで一気に蛇を仕留めて、敵がコロちゃんに群がる!

 氷結魔法!


「ああもう!」


 思ったとおりに足止め出来ないしコロちゃんを避けて攻撃って難しい!

 こうなったら!

 蝙蝠を鷲掴み…キモいよー!


 とかなんとかやってるうちに、コロちゃんが敵を始末しちゃった


「ありがとねコロちゃん…」


 ぷるぷる


 そうなんだよな

 コロちゃんも倍化した時点で、敵のATKをコロちゃん自身のDEFが上回ってるんだよな

 多分、俺が初めてわんころを蹴った時みたいな状態だ

 単純な接触だと、攻撃した側がダメージを受けるくらいに

 爪やら牙やらに気を付ければ、そうそうダメージが入る事はない

 スピードだって、蜘蛛の5割増し近くにまで上がってる


「俺も苦手意識が克服できれば…」


 俺に至っては、コロちゃんを倍化してても魔法関係以外のステータスは敵の倍以上

 ヘタすれば4倍とかあるんだ

 コロちゃんが先行すると敵が群がって倒し辛い

 俺が先行すべきだ

 でも今の短剣は敵との距離が近いから蜘蛛が恐い

 結局は長い武器とかが欲しい…

 ほんとにもう槍とか買っちゃおうかな…


「次の集団だ…」


 蛇、蝙蝠、蜘蛛、蝙蝠、蝙蝠、蜘蛛、蛇、蝙蝠、蛇、蝙蝠、蝙蝠、蜘蛛、蝙蝠、蜘蛛、蛇


「もうやだー!!!!!」


 あ…

 蛇の氷結魔法が蜘蛛に当たって…


「い、今だ!」


 敵がなんだか混乱している

 ここぞとばかりに突っ込み、蛇を倒しながら全力で集中し蜘蛛を避けつつ敵陣深くへ斬り込む

 蜘蛛の動きを読んで避ける為に集中して蜘蛛を見るって気持ちの上では物凄い矛盾だけどな!

 奥の蛇を倒した時、目の前には…ひぃーっ!


 迫る蜘蛛をコロちゃんが退治してくれた…


「ありがとコロちゃん!」


 コロちゃんが蜘蛛に対する盾になってくれて、俺は残る蝙蝠を叩く

 まさに鎧袖一触


「もう何も怖くない!」


 ステータスが上がったんだからこうしてればよかったんだ

 何も別々に突っ込む必要はない!

 コロちゃん凄い!賢い!

 まあ、コロちゃんが俺を心配して付いて来てくれたってのはわかってる

 俺の不甲斐なさが招いたコンビネーションだ

 でもやっぱり…


 コロちゃん凄い!賢い!


 ぷるぷる


 確かに今の俺のSPDなら、蛇の魔法の撹乱も一人でこなせる


 今度からはこれで行こうねコロちゃん!


 ぷるぷる


「それにしても…暗闇から蜘蛛が飛び出してこないのは好都合だな」


 こうして明かりを付けて敵を集めると、一定の範囲の敵はまとめて襲ってくる

 つまり、暗闇に隠れた蜘蛛が不意打ちしてくる心配もないわけだ

 魔力感知があるとは言え、そんな事されたら心臓が止まるかもしれない


 あれ、コロちゃんと鎧袖一触ごっこするのはいいけど…

 結局のところ、俺の苦手意識は克服できてないんじゃ?

 確かに近づくまではできるようになったけど、俺自身が倒せる距離まで近づけてない


「結局ヘタレのままじゃんか…」


 ぷるぷる


 ありがとねコロちゃん

 俺、頑張る


「さあ、気合を入れてそろそろ次の集団だ!」


 蜘蛛、蜘蛛、蝙蝠、蜘蛛、蛇、蝙蝠、蛇、蝙蝠、蜘蛛、蛇、蜘蛛、蛇、蛇、蝙蝠


 …行くよコロちゃん!近付いてきた蜘蛛を弾き飛ばして!


 二匹の蜘蛛の左側を走る

 近い方はコロちゃんが弾き飛ばして、遠い方に俺が氷結魔法をかける


 凍った!

 近付くのは嫌だけど距離が短ければまだ当たる!


 蝙蝠を追い越してきた蜘蛛をコロちゃんが弾き飛ばし、蝙蝠と蛇を両手で順番に倒す

 次の蝙蝠と蛇のセットに近付きながら、向こうから近付いて来た蜘蛛を…コロちゃんナイス!

 そして俺が蝙蝠と蛇を倒す!もう一匹の蝙蝠は…届かないから無視してそのまま蛇だ!

 一番奥の蜘蛛が来るし蛇が詠唱してる…蝙蝠は全部無視だ!氷結魔法の時間もない!コロちゃんGo!

 近付いて来た蜘蛛をコロちゃんが弾き飛ばし、その勢いで手前の蛇を倒す

 同時に俺が蛇を一匹倒し、一番奥の蛇も俺が倒す!


 間に合った…


 後は簡単だ

 俺が蝙蝠を斬り捨てる間に、近付いて来た手負いの蜘蛛をコロちゃんが倒し、凍ったのも担当してもらう

 いやー、念話って便利だな!思考をそのまま伝えられてコンビネーションが早い早い


「って蜘蛛を全部コロちゃんに押し付けてるだけじゃないか俺ー!!!」

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