後輩に恋をしました。
山田 聖也
第1話 期待無し。
「おはよー!」
と、新クラスメートのみんなにあいさつした。まぁ新クラスメートと言っても、1クラスしかないけど。だが、それがこの学校の良いところだ。クラスが去年と変わらないから気が楽だ。
そして、俺はいつも通り親友である
「転入生がくるんやろ?」
と尋ねると、不満そうな顔をして、
「そーやな、でもあんまり期待せーへん方がええで。」
と仁に言われた。しかし、心の中では「可愛い子来てくれ!!」と願ってた。それは、このクラスの男子が願っていることだろう。なぜなら、このクラスの女子には申し訳ないが、中3や中1みたいな他学年とは違って可愛い子が一人もいないのだ。
「おーいみんな!席に座れ~」
「転入生の紹介だな」とクラスのみんなが感づいた。みんなは、ざわつきながらも席に着いた。そして、廊下から足音が聞こえた。1人ではないな。
「えー、今から転入生を紹介します!」
とういう先生の声と共に転入生が入ってきた。3人入ってきた。男子2人女子1人だ。
すぐさまに俺の目線はその1人の女子の方を向いた。眼鏡かけていなかったから、よくわからないがポニテ―ルだ。雰囲気は可愛い。しかし、親友の仁の反応を見てると、微妙。今日は眼鏡忘れたから、明日眼鏡かけてみることにしよう。眼鏡なしでガン見するわけにもいかないだろう。
転入生の自己紹介が終わり、先生も職員室に帰った。すると、みんはもちろん転入生に近づき話している。しかし、俺はいい奴だろうと転入生は最初好きになれない。だから、あまり関わりたくない。だから、仁と他の友達と遠くから敵意むき出しにしてにらみながら、男子2人の転入生をじっと見つめている。すると、仁が
「話しかけにいこーぜ」
と言われたが、俺は
「いやや、めんどくせぇー。どうせしょうもない奴やろ。」
と答えてやった。そしたら、仁はちょっと笑顔で
「そうか?ええ奴そうじゃない?」
と俺には理解できないこと言い出した。まぁ、結局俺も仁もその転入生に話しかけなかった。
「はーい。並べよー」
先生だ。朝会にみんなと一緒に向かった。朝会では、新しい担任が発表される。そして、他学年の転入生の紹介もされる。
「一同、礼。」
朝会が始まった。なぜか知らないけど去年の担任が1年目のくせに今年は偉くなってる。笑えるぜ。そして、俺は中3の方をみた。転入生はいないようだ。次に中1の方をみた。3人いた。男子が2人女子が1人だ。俺は、年下に興味がないから見る気もしなかった。別に、仲良い子もいないしね。
「えーそれでは、各学年の新担任の紹介したいと思います。」
新担任の紹介だ。それぞれの学年の担任が言われ、中2の番がきた。
「中学2年の新担任は、
その、先生はこの学校の生徒に人気があったため、中2のみんなはアーティストのライブにいるかのような、歓声をあげた。もちろん、俺もすっごく喜んだ。新担任も良さそうだし、今年も少しは楽しくなりそうだ。まぁ、期待はしてないけど。
やがて、朝会が終わり教室に戻った。教室に入った瞬間。「やっと帰れる~」と思いながらため息をついた。そして、小森が入ってきて、教卓の前に立って、自己紹介をし出した。
「新担任になったどー!転入生のために自己紹介します。
やっぱり、笑顔が爽やかだ。男の俺でも、惚れそうなぐらい爽やかだ。だから、人気があるのかもしれない。すると、
「ほんじゃ、転入生もいるわけだし。一人ひとり、自己紹介していきましょう!」
と小森は、笑顔でみんなに言った。何を言い出すのかと思ったら、めんどくさい事をいいやがって。
皆がどんどん自己紹介していき、やがて俺の番になった。俺は、ちょっとへらへらしながら、
「山田聖也と申します!まぁいろいろ頑張っていきたいです。よろしくお願いします。」
と、なんか適当な自己紹介になってしまった。まぁ、別に気にしてないけど。
皆の自己紹介も終わり、小森は
「そんじゃ、帰ろか!」
と、やはり爽やかな笑顔で言った。すると、皆も帰り始めた。この学校はバスで登下校するから、ボッチで帰るような寂しい人ができないから、それもこの学校の良いところである。
「ポン」
俺は、バスの座席に座った。そして、宝石のような綺麗で眩しい空を見上げて、「俺の中2生活、どーなるんやろ…。」と心の中で誰も解答できない事を自分に聞いた。俺は、ちょっと先のことを想像し、絶望に包み込まれて「はぁ、、、」とため息をついた。
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