第3話
深夜。人気のない裏路地で。
「あっあっあっあっあーっ!!」
「助けてー!」
一人の女が必死で逃げていた。女を追いかけ走る男の目は血走り、よだれを垂らし包丁を振り回している。
「助けて! 誰か!」
徐々に距離が縮まる。そして曲がり角を曲がると女は絶望した!工事をしている道路で地面に穴が空けられ、侵入防止のフェンスが置かれていた。
「ああぁあぁー!! 死ね!鰐!化け物! あああぁぁぁぁぁー! 」
「キャアーァァァァ!」
狂人は包丁を振り上げた!
しかしその瞬間、突如として閃光と轟音が闇夜を切り裂いた!
極度のストレス状況の女は心臓が飛び出しそうになった。数秒間事態が飲み込めなかったが、やがて認識できた。狂人の包丁を持った腕がなくなっており、焦げ臭い匂いを発していた。狂人の方も自体が飲み込めていないのか、呆然としていた。しかし一瞬の後、狂人に激痛!
「ギィィィィィィィィィグバァァァァァァ!」
狂人は倒れ、打ち上げられた魚のように身体を痙攣させた。
これは一体何が起こった? 雷が落ちたのか? 偶然に?
女は呆然と立ち尽くしていた。その時コツコツと足音が聞こえた。別の男がどこからともなく現れたのだ。
その男は若々しく、この状況に不釣り合いな小奇麗な、白い服を身にまとっていた。女は何かを言おうとしたが、それより早くその小奇麗な男は痙攣する狂人を踏みつけた。
「消えろ。秩序を乱す犯罪者。」
「あ、ああ……!魔王!鰐が……!」
男は恐怖に目を見開く。
男の足元が光り、バチバチと音を立てる……電流だ!
「アアアァヅァァァァァアアァヴァガァァァ!」
言葉にならぬ悲鳴をあげる狂人。やがて動かなくなった。全身が焼き切れ死んだのだ。悍ましい匂いが発生した。
女は気絶した。
翌日、この街のとある小学校の体育会では、集会が開かれていた。
「えー、みなさんもニュース等で聞いていると思いますが、最近このあたりでは事件が頻発しており、安全のために集団下校を行うことになりました。」
校長が壇上で話す。生徒たちがひそひそとざわめく。
「殺人事件が多いって。警察の人とかテレビの人を見たよ。……聞いてる? チセちゃん?」
女子が友達に話しかけた。
「……ああ、うん。そうだね。」
チセと呼ばれた少女は遅れて答えた。
「大丈夫?貧血?」
チセはうつむき、苦しそうであった。
「ううん、もう良くなるよ。洗脳が完了したから。」
「え?」
その時、突然体育会に居たすべての人間、小学生とその教師が、一斉にチセに向かって跪いた!
「な、なに? え?」
少女は混乱した。そして目の前の友人に経験したことのない恐怖を感じた。
「ごめんねー。ノゾムちゃん。私魔王なんだよね。」
魔王。なんのことなのかわからない!謎のプレッシャーに押しつぶされ、少女は動けない。
「でもノゾムちゃんは大事な友だちだから、死なないようにするからね。」
チセはノゾムの額に手を伸ばす。ノゾムは逃れようとするが、意志に反し身体が固まってしまう。
魔王の手が接触した。ノゾムの視界が一瞬白く染まり、すべての感覚が途絶えた。
「ウラベさん。問3の菱型の面積を答えてください。」
「はい。」
月曜日の2時間目。小学校では算数の授業が行われている。
なにかがあったような気がする。大きな何かが。しかし思い出せない。ノゾムはぼにんやりと座っていた。黒板では友達のチセが計算を書いている。
しかしピタリとその腕が止まった。
「ちょっと用ができたから帰るよ。」
「わかりました。気をつけてくださいね。」
そう言ってチセは教室から出て行った。教師は授業を再開した。
なにもおかしいことはない。しかしこの違和感はなんだろう。ノゾムの気分が晴れることはなかった。
教室を出たチセ、魔王は脳に受信された映像を見ながら次に行う行動を考えていた。彼女は洗脳能力を持つ。その機能の一つとして洗脳した人間の脳内情報を受信することが出来るのだ。
そして今彼女が見ている光景。それは魔王の戦いである。
直接戦闘能力を持たな彼女にとって、戦いで疲弊した方の魔王を洗脳し駒にすることが理想である。そのため、既に洗脳した百人ほどの人間には、魔王を感知した場合自動で精神同期を行うように設定しておいたのだ。
「場所はワタヌキ邸かぁ。有名な金持ちの家だね。二人共見たことのない魔王だ。」
現場までは車で10分といったところか。魔王の戦いは常人ではついていけぬ速度で行われる。追いつく見込みは少ない。
少女は校門を抜け、道路に出る。
「まぁどちらにせよ、情報は集めないとねー。一応追いつくよう努力するけど……私身体能力はあんま変わってないんだよね。あ、車。」
少女が手をかざす。走行していた自動車が止まった。
「ワタヌキさんのお宅って知ってる?マッハでそこに連れてって。」
「はィ。」
車を運転していた男は答えた。疑問に思うことはない。洗脳されたのだ。
車はアクセル全開で走りだした!
数分時間はさかのぼり、ここはこののどかな街からは浮いている西洋風の豪華な建物。ワタヌキ邸である。広い庭に一人のサラリーマン風の男が侵入した。
「なんだ? 人が居ねぇし、セキュリティも機能してねぇ。」
男はまっすぐ庭を抜け、屋敷へ入った。中には黄金の像や、何らかの置物、絵画などがところ狭しと飾られている。高い天井には大きなシャンデリアが輝く。
「まったく悪趣味な家だが……。高く売れるんだろうなぁ。ヘヘ。」
男は口元を緩ませる。しかしすぐに異質な気配に気づいた。
「あ? ……なるほど、お前も金目の物を狙ってきた魔王だな?」
スーツを纏い、髪を固めたサラリーマンはその外見とは裏腹な態度を取った。
「貴様のような犯罪者と同類にするな。反吐が出る!」
赤い絨毯のひかれた階段の上に立つ一人の男はそう吐き捨てた。目には侮蔑の感情が宿る。
その男は白い服を着た大学生くらいの若者である。白い服の男はサラリーマン風の男を見下ろして言った。
「私はこの家主を裁いたのだ。なぜなら奴は違法手段で財を成していたからだ。そして貴様も殺す!」
「クレイジー!」
白い服の男の前に1本の雷の矢が出現し、サラリーマン風の男に放たれる!
サラリーマン風の男は雷の矢が発生した直後に横回避し逃れる! 雷の矢が命中した床は爆発しえぐれる!
「やっぱり魔王か! ちょうどいいぜ!」
サラリーマン風の男は腕をしならせる! 何かが高速射出される! 白い服の魔王は階段を駆け下りて回避! 直後、男の居た付近の壁や置物が切断された!
「断罪!」
白い服の魔王の身体が青く光り、敵に向かって無数の雷の矢が放たれる! サラリーマン風の男は腕を振り、さらに何かが放たれた! あまりに早く人間の目では確認できない。その放たれた何かと、電撃の何本かがぶつかりあい、相殺した。サラリーマン風の男に届いた電撃はゼロである。
「やるな! 俺は魔王マグネイトだ。お前は?」
「私は魔王インクィジション。すべての悪を消し去る者だ!」
魔王インクィジションの身体が輝き、電流が駆け巡る!!雷のような轟音が鳴り続ける!
魔王インクィジションは魔王マグネイトに駆け抜けた!一歩進むごとに足元の地面が砕け、炎上する!
その時魔王マグネイトが輝きだした……、いや、その周囲に現れた何かに電気が反射しているのだ。魔王インクィジションはその物体を確認する。
それは回転する水だ! 高速回転する水がまるで円盤のように滞空し、甲高い音を発している。魔王マグネイトの力で水は超圧縮、高速回転を行い、それはウォーターカッターのようにあらゆる物体を切断するのだ。
「切り裂いてやらぁ!」
滞空していくつかのウォーターカッターが魔王インクィジションに投擲される!水は蒸発するが、多少の傷を与えた。
そのまま止まらず魔王インクィジションは魔王マグネイトに突進!防御のためのウォーターカッターがその体を引き裂くが魔王マグネイトは感電し、爆発し弾き飛ばされた!
「ヴォゲァーッ!」
「死ね!悪が!」
魔王インクィジションの手に雷の矢が握られた。しかしその時突如
頭上のシャンデリアが落下し魔王インクィジションは下敷きになった!
「ぬぅ!」
魔王マグネイトが予め放っておいたウォーターカッターを操作し、シャンデリアの鎖を切断し落としたのだ。
「ハハハハー!死ね!」
当然この程度では魔王にダメージを与えたことにはならない。しかし数秒間の妨害ができればそれでよい。
魔王マグネイトのウォーターカッターが、魔王インクィジションに集中投擲される!シャンデリアが無数の角ばったがらくたと化す!魔王マグネイトは勝利を確信した。
「所詮その程度の策が関の山か。悪人。」
魔王マグネイトは驚愕した。魔王インクィジションがいつの間にか屋敷の奥に立っており、切断されていなかったのだ。
「馬鹿な! 一体何をした!?」
「身体に流す電流を複雑にコントロールすることで私自身を電磁石とし、この置物に引き寄せたのだ。」
シャンデリアは真鍮製のため、引き寄せなかったのだ。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!」
魔王マグネイトは力を振り絞り、数十のウォーターカッターを発射する!
「それしかできないのか?」
魔王インクィジションはそれらを1つずつ正確に雷の矢で撃ち落とした。もはや見えない攻撃ではないのだ。
魔王マグネイトはさらに攻撃を放とうとするが、かなわなかった。この不思議な技を行使するための何らかの力が、尽きたことを感じた。
「ちくしょぉぉォォォォぉ! この力で! 金を! 掴めると思ったのによぉ! 俺の天下はたったこれだけか!」
魔王マグネイトを極大電撃が貫いた。魔王は焼かれ破裂し即死。
その亡骸から黒い粒子が現れ、魔王インクィジションに取り込まれた。
「なるほど。このように魔王の力を回収するわけだな。」
魔王インクィジションはウォーターカッターを発生させ、女神をかたどった像を切断した。
「しかし不愉快な気分だ。邪悪な力を食らうというのは……。」
魔王インクィジションは何事も無かったように邸宅から抜け出す。セキュリティシステムなどはワタヌキを殺す際に無効にしたため、問題はない。
門をぬけると、一人の老人が様子を伺っていた。老人は門を出てきた男に気づいた。
「おお、あんたはこの金持ちんとこの人か?さっき見るからに怪しい男がこの中に入っていったんで、泥棒かと思ったんだがね……」
「いいえ心配なさらず、ご老人。なんら問題はありませんよ。」
「おお、そうかね。最近このあたりは物騒だから心配での。」
「その防犯意識は素晴らしいです。それでは。」
魔王インクィジションは振り向き、歩き出した。
しかしその時背後に強い衝撃を受けた!弾き飛ばされる!
「グアー!?」
「おやおやおやおやぁ! 防犯意識は緩いのはあんたの方じゃないかねぇ! ヒヒヒヒヒヒ!」
この老人が自分を殴り飛ばしたことを魔王インクィジションは確認した。即座に体勢を立て直し、振り返りながら着地した。
「貴様も魔王か!? この卑怯者が!」
「キキキヒヒヒキヒヒ! 一戦交えた後で少しはつかれたんじゃないかね?」
老婆の筋肉が盛り上がり、髪がくすんだ赤色に燃え、目が点滅している。魔王ロンジェビティだ!
ここは午前中の街のはずれ。人はまばらだが、数人の目撃者はその人外の存在感に触れ、悲鳴を上げ逃げ惑う。
「シャァァァァァァァァッ!」
魔王ロンジェビティが陸上選手のごとく走行フォームで魔王インクィジションに迫る!
「貴様も!」
魔王インクィジションの身体を電流が駆け巡る! 魔王ロンジェビティは列車の速度の飛び膝蹴りを繰り出す! 魔王インクィジションは体勢を落としてそれを避けた。
魔王ロンジェビティはそのまま地面に激突した! アスファルトが破壊され巨大な穴ができた! もしこれを回避せず防御していたならば、魔王といえどもひとたまりも無かっただろう。
どうやらこの魔王のパワーは自分を上回るようだ。魔王インクィジションは推測をする。ならば彼の取るべき手段は。
「ギャ・ギャ・ゲ・ゴ・ギィーッ!!」
魔王ロンジェビティが四本足で地面を這って接近! 魔王インクィジションの身体を流れる電気が勢いを増し、雷鳴が轟く!
「効くかそんな静電気程度がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
魔王ロンジェビティが跳び、魔王インクィジションの喉元を噛み切ろうと食らいつく! しかしこれこそが魔王ロンジェビティの狙いであった!
「ゥルヴァーッ!」
魔王ロンジェビティは悲鳴を上げた!その口や身体が切り裂かれ、腕一本が切断されたのだ。 老婆は呻き、地面を転がる。
これは先ほど得た魔王マグネイトの能力で作った水の円盤ウォーターカッターを周囲に浮かせ、さらに電撃の閃光でその存在を隠したのだ。
「消えろ!危険分子!」
魔王インクィジションの手に電撃が集まり、巨大な槍を形成する! それを振り下ろす直前、突如魔王インクィジションの眼前に切り落とされた腕が飛び込んできた!
「何!?」
魔王ロンジェビティの能力で切り落とされた腕の表面で爆発を起こし、その勢いでそこまで飛ばしたのだ。
「ヒヒ。魔王万歳!!」
魔王ロンジェビティの片腕が爆発した! これは今までの表面から爆風を起こすのではなく、腕そのものが弾け飛んだのだ。その威力は壮絶である。
「ウグァァァァァーッ!!」
まともに爆発を受ける魔王インクィジション! ワタヌキ邸の高い壁、道路のアスファルト、電柱などや近づいていた野次馬などが消し飛ぶ! インクィジションの肉体も3割ほどが消滅した。貯めていた電気のエネルギーも霧消した。
一方の魔王ロンジェビティは軽傷ですんでいる。爆破と同時に身体の表面から衝撃を放ち、ダメージを軽減したのだ。
魔王ロンジェビティが恐ろしい速度で地を這い、転がっている魔王インクィジションに到達する。当然、ウォーターカッターがないことを確認した上でだ。
「ガゲゴボゴ……今度こそ死ねぇ……!」
魔王ロンジェビティはチョップを敵の頭部に振り下ろした。しかし!
その腕を魔王インクィジションの血まみれの腕が掴んだのだ!
「掴むなァァァァ!死ねェェェェェ!」
「これが私の正義だ!」
魔王インクィジションの腕が青く光り、電流が発生する! 魔王ロンジェビティの肉体を内部から焼く!脳を壊す!
「ゴギギベあデババヴろェゾレブデいゾヴォ!デボゲビジヂェプノゼゲベドドド!」
魔王ロンジェビティは感電し、苦しむ!
魔王インクィジションもまた、肉体の限界を超え、必死だ!
「私の勝利だ!魔王の力は私が世界のために使うのだ!」
魔王インクィジションは勝利を確信した。しかしその時突如時速175㎞で走る自動車が衝突した!
「ヌゥーッ!」
「ダンダバババゾー!」
魔王ロンジェビティは跳ね飛ばされ、魔王インクィジションは轢き潰された!車はそのまま突き当りの壁に激突し爆発炎上!
そして炎の中から一人の少女が姿を表した。
「ふー。死ぬかと思った……。でも通常の3倍の速度で来たから3倍早く着いた! 途中5回も人をはねたけど。」
その少女はチセ。魔王である。彼女は瀕死の魔王ロンジェビティを見た。
「ロンジェビティ、よくやったね。上出来だよっ。」
そしてもはや肉体の5割を失った魔王インクィジションを見た。
「うーん。これじゃあもう脳奴隷としても役に立ちそうにないね。殺そう。」
少女はランドセルからニューナンブM60を取り出し、魔王インクィジションの頭部に狙いをつけ引き金を引いた。
薄れゆく意識の中、魔王インクィジションの感覚だけが暴走を始める。すべてがスローモーションに見え始める。身体は動かない。
死を悟った魔王インクィジションの精神を満たすものは、怒りであった。自分が死ねば、邪悪な魔王によってこれまで以上に人々の平和は乱されるだろう。魔王の力を平和のために使える者は、自分しか存在しないのだ!すべての悪を!すべての罪人を!すべての……
弾丸が魔王インクィジションの脳を破壊した。さらに少女は間を開けずに連続で発砲。
魔王インクィジションの感覚が闇に塗りつぶされる。死んだのだ。
魔王の死体から黒い粒子が湧き上がり、少女に吸い寄せられた。少女は笑みを浮かべた。
「うん、魔王を2つゲット! 正直自信なかったけど何とかなったね。」
彼女は魔王ロンジェビティに視線を移す。停止命令を出したので無表情に立っている。
「これで7人の魔王の内4人が私のモノになったってことかぁ。うん、もう魔王との戦いはだいぶ有利に進められるね。あとは……。」
彼女はパトカーやマスコミの車、近隣住民が接近してきていることに気づいた。ここで一旦家に帰るか。
「いや、だったらこうした方がいいかな?」
物陰から人間が現れ、少女の周りを囲んだ。先ほどの魔王の戦いの情報を送っていた、予め洗脳を施している人間たちだ。魔王インクィジションの能力や疲弊具合なども、彼らを使って見ていたのだ。そして自動車よりはるかに高速に動ける魔王ロンジェビティをこの場に送り込み、指示を出して戦わせたのだ。人間のほうは、いくらかは巻き込まれて死んでしまったが。
「そして、この脳奴隷の脳を犠牲に私の能力をブーストする!ハァァァァァ!」
脳奴隷達が一斉に苦しみだす!同時に少女から波状に虹色の光が広がった!
少女の半径1kmほどの範囲に居るすべての人間の動作が止まった! 意識を奪われたのだ、自動車は次々と事故を起こした。
「いいねいいね! グッドジョブ! これで人員には困らないぞ!」
数分後、現場に居合わせた人間の記憶は書き換えられ、彼らは何事も無かったように日常を再開した。4人の魔王がこの日もたらした混乱は、なかった事にされいていた。これに違和感を感じないように人々の思考を設定されたのだ。
だがここに、例外が一人。
「おい、お前。ここで爆発事故と暴走車の衝突と金持ちの殺人事件が起こったんだぞ。おかしいと思わないのか?」
「? 別にふつうじゃないですか。」
質問をされた男は平然と答えた。そして目の前に立つ緑髪と金と黒の2色の瞳でセーラー服の女を見た。
「むしろあなたのほうがおかしゴバァー!」
男は殴られ吹き飛んだ!緑の髪の女が殴ったのだ。殴られた男はダース単位で骨折し血を吐き地面を転がった。
「やっぱこりゃぁ魔王の仕業だな! くそ、見事に逃げられたな。」
女は舌打ちを1つした。魔王という単語に反応し、殴られた男は無意識下で、その光景を小学生の魔王に送っていた。
そう、この奇妙な女は魔王! 巨大ワニ使いの魔王マレヴォレント!
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