海譚

螢奏

プロローグ

私、(椛川もみじがわあお)のお母さんの部屋には綺麗な海の色をしたオルゴールがあった。上の部分がスノードームみたいになっていて中にはクラゲがいた。光をかざすと青くキラキラと輝いてみえてとても綺麗だった。でも、オルゴールの音は一度も聞いたことがなかった。

そこで私はお母さんにオルゴールの音を聞いてみたいと言ったが、お母さんはダメと、言って聞かせてくれなかった。

ダメと言われては仕方がないのでオルゴールを見ているだけにした。

ある時、私はとあるものを見つけてしまった。

オルゴールの裏に『海月うみつきあお から 海星うみほしそらへ』と、書いてあった。裏なんかめったに見ないから気にしてなかったけど、お母さんの前の苗字が海星ということは知っている。だけど、その前に書いてある海月うみつきあおは、いったい誰なのか。

お母さんに直接聞いてみた。するとお母さんはこれをもらったのが海月うみつきあおと、言う少年であることを教えてくれた。そしてその少年と会ったことも話してくれた。


―これは私のお母さんの体験したお話である

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