日本視点4話 興道
翌朝…
「至急講堂に集合してください繰り返す…」
大きな放送音で目が覚めた。
少しばかり眠いが軍人もとい衛士に任官したためこれくらいは耐えなければならない。
昨夜渡された父の軍服を身に纏い講堂へと続く廊下を走り階段を駆け上がった。
息が軽く上がってしまった。
講堂につくと行動班割りの指示が降った。
「我々第1大隊は2中隊に分かれ放送局の占拠と帝都拘置所の襲撃にあたる。第2大隊は会期中の帝国議会議事堂の占拠、第3大隊は首相官邸の占拠、残りは陸軍関連の施設を任せるが別途で連絡する。発砲許可は原則なし以上」
上級少佐の指揮下に入る為僕は帝都拘置所の襲撃にあたることとなった。
寧ろ僕のために帝都拘置所の襲撃班を作ったのだろう。
上級少佐の車の後ろに乗り帝都拘置所へと到着した。
上級少佐の偽装工作で内部に入り牢屋まで漕ぎ着くことができた。
「母さん!良かった無事だったんですね」
「なんでここへ?無事で良かったわ。あなたも捕まったんじゃないの!?」
「近衛軍に助けてもらったんだよ、父さんは無罪だから捕まってる必要なんて無い。急いで逃げよう」
「どういうことなの!?」
「話は後からするから急いで逃げよ、今開けるから」
母さんの牢屋の鍵を開け看守が来る前に急いで逃げた。
その時突如銃声が聞こえ振り返ると看守が発砲していた。
銃弾は母の右脚へと命中した。
「母さん!大丈夫ですか?もうすぐですから、すぐに手当てしてもらいましょう」
「もう無理よ、私を庇ったままだと大変よ?あなた達だけでも逃げなさい」
「そんなことできませんよ、厳しさを僕にくれた父さんが殺され、優しさをくれた母さんも死んだら僕には何が残るんだよ!母さんも死んじゃったら何にも残らない。恩返しできるその時まで何があっても死なせないから、だから何があっても連れてくよ」
言葉の通り、両親がいきなりいなくなるなんて絶対に嫌だ。
なんとか母さんを連れて逃げることができ母さんはすぐに関東衛戍地の医務室へと運ばれた。
「こちら第1大隊第二中隊、こちら第1大隊第二中隊放送局の占拠が完了、繰り返す放送局の占拠完了。」
「こちら第1大隊第一中隊こちらも作戦完了につき急いで陸軍省へ急いで向かう」
「本部了解」
「我々は放送を開始す」
「本部了解」
打倒陸軍のために陸軍省の庁舎を目指した僕らは車に乗り走り出した。
それから少しした頃
「こちら第2大隊帝国議会議場の占拠完了」
「本部了解」
「こちら第3大隊、首相官邸近くに到着も陸軍の姿あり発砲許可求む」
「こちら本部、民間人の姿が無い場合のみ特別に発砲を許可する」
「第3大隊了解、民間人の姿無し。発砲する」
「本部了解」
こんな通信を聴いていたら、まだ遠いが陸軍省の庁舎が見えてきた。
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