ひとひらの雪~Tree of destiny~

ノン❄

第1章

序章



心から愛した人は


今、あなたの側にいますか?


隣で笑っていますか?





12月の都心はクリスマスムード一色

きらびやかな装飾で彩られた街を少し早足に歩く人々で賑わう



平日はまだ人通りも落ち着いて、

最近、歩くのが上手になった息子と久しぶりに買い物に出かけた



スクランブル交差点

目の前のスクリーンに写し出された映像に思わず、足が止まった




あの…木

似てる



舞い落ちる雪の中にしっかりとそびえ立つ木



思い出が甦る



溢れてくる涙を止まらない





「ママぁ?どうしたのー?ぽんぽん痛いの?」



心配そうに見上げる息子



「大丈夫よ、ママ、寒いのにアイスクリーム食べちゃったからかな?」




そう、答えるのが精一杯だった





カズ…あなたが……愛しいよ




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