Interval
居場所
ウィンドウを開くと、その先には漆黒の闇をバックに、眩いほどの銀河の煌めきが室内に入り込んでくる。
この光景を目にするときは、かつてなら命を賭した覚悟を決めるときくらいのものだったが、今、この美しさを前に憂うものはあのときとは全く違うものだ。
正直なところ、一蓮托生という意味では変わるところはないのだが、自分の命を消耗品のように扱っていたあのときに比べたら、なんて大きなものだろう。
途方もなく気の長い話ではあるが、遠い未来を見据えることのできる今があることにある種感謝のようなものを感じている。
ガラでもないのだが満更でもない。
二十億年前の俺には、今の俺はどう映って見えるだろうか。羨望に思うだろうか。それとも侮蔑を感じるだろうか。
あんな兵器として奴隷として生きていた頃でも、俺には俺の居場所があった。仲間と共に戦う日々に身を置いてきて、それが誰かによって定められた規定事項だと分かっていても、確かな居場所をそこに感じていた。
ネクロダストから目覚めたとき、何十億という年月が俺の居場所を引き裂くような苦痛を感じていた。
不思議なものだ。
今では、この居場所がいとおしい。そう思えている。
ここが俺の居場所なんだ。
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