合格発表
翌日
今日は学園の合格発表の日だ。
…………え?屋敷の感想?お父さんの家と王都の屋敷を見たことあるからあんまり感想ないんだよなぁ。大きさでいえばかなり大きい家みたいな大きさで、門をくぐったらちょっとした庭があって建物がある……みたいなのだった。お父さんが持ってる屋敷みたいに何十人もの使いの人が居るような大きい屋敷ではなかった。
ひとつ言うことがあるとすればメイドさんが2人いた。屋敷の庭の手入れとか食事を作ってくれたりする住み込みのメイドさんだ。この2人はお父さんが雇ってくれてたみたいで2人とも14歳らしい。
ちなみにルルが服とかを全部用意してくれていたので合格発表が終わったらそのままこの屋敷に住むことになっている。昨日の夜にお父さんに報告済みだ。
「エリックー!もうすぐ出るから準備してねー!」
ドア越しからルルの声が聞こえた。
発表自体は学校が開いてから閉まるまでやっているのだが昼前くらいに見に行って、そのまま必要なものを買いに行こうってことになった。
朝ごはんを食べたあとなのにまだ頭が眠気でぼーっとしている俺は今日のために1着だけ置いてあった服に袖を通す。
そして数分後……
「エリックー!もう行くよー!」
ルルが呼びに来た。
ちなみにルルは明後日から教師として働くことになっているので今日と明日はまだ休みらしい。
「みんなもう玄関にいるからきてねー!」
「はーい」
玄関に行くと既にみんなが待っていた。
「エリックおそいよー!早くいこ!」
「なんでルルがそんなにテンション高いんだよ」
「だって受かってたら私の生徒になるんだよ!?」
「そんなに嬉しいことか?」
「うん!それより早く学園にいこ!」
「分かった分かった。それじゃ、行くか」
俺はかなり興奮してるルルを横目に、3人に声をかけた。
学園に着いて少し話していると金髪の少女が話しかけてきた。
「こんにちはです、エリくん!」
「よー、エリン」
「もう結果は見たですか?」
「いや、今から見に行こうとしてたところだ」
「それじゃあ案内するです!」
そう言いながら少し自慢げに腕につけている『生徒会長』と書かれた腕章を見せてきた。
「お前、生徒会長だったのか?」
「そうなのです。あなので今日は結果発表に来た人たちの案内をやってるです」
「へぇー。んじゃ、よろしくな」
「はいです!」
3分ほど歩いて大きなボードがある広場に着いた。
「ここが第1休憩広場です。この大きなボードに発表されてるです!横にあるA〜Eがクラス分けになってるです」
「意外と少ないだな。1クラス10人前後って感じか?」
「今回は途中入学テストです。入学してからの一学期目は毎年各クラス10人ほど授業についていけずに退学者が出てしまうので二学期が始まる前に途中入学テストで追加募集してるです!」
「なるほど。とりあえず探すか」
俺達はボードに名前が無いかを探し始めた。初めに見つけたのは俺だった。
「お、俺の名前あったぞー!えーっと、クラスはっと……」
そこには『エリック クラスC』と書いていた。
「クラスはCか。いいのか悪いのか分からんな。でも合格出来たからいいか」
次に見つけたのはマリだ。
「やったー!ごしゅ……エリックくん!マリの名前ありました!あそこです!」
俺はマリが指をさした方向を見ると
『マリ クラスA』と書かれた文字があった。
「おぉ!Aクラスだ、おめでとう!」
「えへへ、ありがとうございます!」
「りことユイは見つかったか?」
「うん。多分あれだと思う」
「僕も見つけたよー!」
2人は縦に並んで名前があった。そこには『ユイ クラスA』 『りこ クラスA』と書いていた。
「2人も合格……ってゆうか俺だけCクラス?」
「エリック、記述はどうだったの?」
「それは多分できてる」
ルルに聞かれて俺はそう答えた。ひとつだけ心当たりはあるからだ。
「実技試験でエリくん、おかしくなかったですか?」
「やっぱりあれだよな」
「あれって何かあったの?」
「ああ、抑えて魔法を打ったらすごく弱かったんだよ。さすがにいつも通り打つのはまずいだろ?」
「それはそうだけどね。でもみんな合格出来たからいいじゃん!」
「それもそうだな」
その後、エリンに案内してもらって合格者説明を受けた。
この学校は完全無償であり、学食も無料だそうだ。そしてクラスは1クラス40人の各学年5クラス200人でそれが4学年、全校生徒は800人らしい。それから明後日が始業式というのを教えてもらい、制服や学生証を貰って説明は終わった。
俺達は第1休憩広場に戻ってきた。そこでエリンとそろそろ別れようとしているとルルがこんなことを言ってきた。
「エリック、今からひとつだけ着いてきて欲しい所があるんだけどいい?」
「別にいいけどどこに行くんだ?」
「第2休憩広場ってゆうんだけど何があるかはお楽しみね!」
「まぁいいっか。みんなもいいよな?」
4人とも頷いた。
「んじゃ行くか」
俺達はその場所に向けて歩き出した。
この後戦うことになるとは知らずに…………
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