第1章
旅の途中の一悶着
1時間ほど歩いた。
今はちょうどお父さんの領土を抜けようとしている。領土を抜ければしばらくは森である。これまでも何度か魔物と戦ったが、俺からすれば蟻同然だった。
「もう少し強いと思ったのになぁ~。」
「エリックが強すぎるだけです。ハイオークを下級魔法で一撃で倒すのは不可能に近いですよ。」
「え?マジで言ってる?」
(やっべえ、そういえば魔物の勉強とかろくに受けてなかったからなぁ。あのステータスがバレたらやばいな。どうしよう?)
「ねぇ、エリック。」
「な、なに?」
「私、知ってるよ。エリックの能力がおかしいこと。」
「・・・・・・え?な、ナンノコトカナー?」
「とぼけてもムダだよ。わたしこの目ではっきり見ちゃったもん。書斎に入って魔法の本や文献を片っ端から読んでたこと。そして、異空間を作ってその中で魔法を撃ってたこと。全部知ってるんだよ?だからとぼけないでわたしに教えて?」
(ま、マジすか。確かに書斎には誰も来ないだろうと思って鍵をかけてなかったし、練習場の入口も開けっ放しだったからな。でもまさかルルに見られてたとは・・・。)
「わ、分かった。ちゃんと教えるよ。俺のこと。」
それから俺が異世界転生したこと、そして1歳の時から書斎に入って本を読んでいたこと、魔法を撃っていたこともだ。もちろん俺が神であること。
初めは受け入れられなかった感じだがステータスを見せると目を点にして見ていた。
「ほ、本当に神なんだね。思ってたよりもずっと強い。」
「ま、まぁこんなところだ。」
するとルルがなにかを言いたそうにしている。
「ルル、どうした?やっぱり一緒に旅をしている人が神だから気まずいのか?」
ちょっと恥ずかしかった。
「ち、違うよ!違うんだけど・・・そのー・・・。」
「どうしたんだ、ルル?」
「あ、あのね。わたしね、実は・・・、エリックのことが好きなの。」
「え、えっと?」
(どういうことだ?ルルが俺のことを好き?)
ルルは続けた。
「初めはね、普通にエリックのお世話をしてたの。でもエリックが10歳になった頃からお世話をしたいじゃなくて、一緒にいたいって思うようになったの。でも初めはその感情が好きっていうことは分からなかった。でもその後すぐにわたしはエリックのことが好きだと分かったの。」
ルルの話す勢いは衰えることなく続く。
「それでね、エリックが旅に出るってご主人様から聞いていてもたってもいられなくなってすぐにエリックの部屋に行って一緒に行きたいって行ったの。」
(あの時熱心に一緒に旅に出たいと言ってきたのはそういう事だったのか。)
「ルル、とりあえず落ち着こうか。」
「あ、うん。ごめんねこっちが一方的に喋っちゃって。」
「それはいいんだけど、なんで今言おうとおもったの?」
「それはね・・・、さっきステータスを見て驚いたの。エリックはその・・・・・・か、かっこいいからほかの人にこのことが知れたらその人がエリックを好きになっちゃうかもって思って・・・。」
(そういう事だったのか。顔は分からないが確かに俺は強い。下手したら神にも勝てる存在。それをほかの女の子が見たら惚れちゃうかもしれないから今告白したのか。」
「へ、返事は?告白の返事。」
「え、あぁ。えーと、その・・・」
(確かにルルは可愛い。俺も少し気になっていたのは確かだ。ここは思い切って!)
「俺も「グガオォォォォ!!!!!」」
「「え?」」
声がした方向を見ると狼がたくさんいた。
数はおよそ20。
「や、やばいよ!エリック!あれはダークウルフ!すごく強いよ!この数のダークウルフがいるってことは・・・・・・・・・」
「グガオォォォォォ!!!!!!」
さっきよりすごく大きい声で吠えたダークウルフはすごくでかい。
「で、デケェ!あんなダークウルフいるんだな!」
するとルルが震えた声で俺の腕を弱々しく掴みながら言った。
「あ、あれはダークフェンリル、半年前にダークフェンリル及びダークウルフ討伐作戦で結成された王都の上位の500人の騎士団でもダークウルフを倒すので精一杯でダークフェンリルには傷一つつけられなかったというあの・・・・・・。」
(そ、そんなにやばい魔物なのか?まぁいい、俺がやることは敵の殲滅だけ。)
「よし!やるかー!」
「え?ちょ、ちょっと!エリック!戦うなんて無理だよ!」
次の瞬間ダークウルフの半分ほどかエリックに噛み付いた。が、何故かエリックの手前ではじかれている。結界神だ。
そしてダークエルフが弾かれるのとほぼ同時にエリックが動き出した。0.5秒もなかっただろうか。周りにいたダークウルフは全て全身から血を流して倒れている。残っているのはダークフェンリルだけだ。
あまりの一瞬の出来事にダークフェンリルも固まっている。
「あ、あれがエリックのちから?強すぎる。」
ダークフェンリルの様子がおかしい。
「ごめんな、ダークフェンリル。この地に生まれたことをこうかい「待って!エリック!」」
「どうしたんだ?ルル。」
「そのダークフェンリル、戦う気がない。それにあなたの仲間になりたいらしいよ。」
「ルル。あいつの言葉分かるのか?」
「ううん、違うよ。ただ確率は低いけど戦闘で魔物が仲間になることがあるの。仲間にして欲しい時の魔物の意思表示は、相手のことをじっと見て、頭を出しているの。」
(そう言われてみれば確かに俺の方をしっかり見て頭を出しているな。)
「ルル!仲間にするにはどうやったらいいんだ?」
「対象の魔物の頭に手を置いて魔力を流し込むだけだよ。魔力を流す量によって強さが変わるの。」
「ほーう。そういうことか。よし!やってみよう。」
俺はダークフェンリルの頭に手を置いた。そしてダークフェンリルに魔力を流し込んでいく。すると声が聞こえてきた。
〖我は今から主の眷属。命に変えてでもお守りいたします。〗
「ダークフェンリルか?」
〖いかにも。我はあなたの眷属、ダークフェンリルでございます。〗
「そ、そうか。よろしくな!ダークフェンリル。」
「エリック!どうだった?」
「ああ、無事に出来たみたいだぞ!」
「良かったね!」
「うん。でもダークフェンリルっていう名前言いにくいからなにか名前を考えるか!」
〖主。我のために名前を考えてくださるのか?〗
ダークフェンリルは俺の眷属になったあと子犬のように小さくなった。今は嬉しいのか尻尾をビュンビュン振っている。
「ああ、そうだ。どうしようかな?」
(ダークフェンリル→黒い狼→黒狼。よし!)
「おまえの名前は今日から黒狼だ!」
〖黒狼。我ありがたく受け取ります。主、ありがとうございます。〗
(ついでにこいつのステータスも見ておくか。)
―――――――――――――――――
黒狼 (ダークフェンリル) 250歳 眷属
Lv4215
HP 42510/42510
MP 32150/32150
攻撃力 6530
防御力 9530
俊敏力 12340
〈物理攻撃〉
突進Lv13 噛みつきLv15
〈唯一スキル〉
拡大縮小 ダークウルフ召喚
〈称号〉
ダークウルフの王
―――――――――――――――――
「黒狼、おまえ強くね?」
〖主が魔力を大量に流されたゆえここまで強くなれました。〗
「そ、そうか。とりあえずどうしようか?流石にダークフェンリルを連れて歩いてたらおかしいからな。」
〖主、我は主の眷属、主が召喚してくださればいつでもこちらに来れます。〗
(召喚?どうやってやるんだ?)
⦅創造神で作れますよ。⦆
(あぁ、そういえば俺って何でも作れるんだったな。)
【召喚神を獲得いたしました。】
「なぁ、ルル。召喚魔法を持ってたら何が出来る?」
「え?えっと、スキルのレベルによって出せる魔物のは制限はあるけど、召喚した魔物は眷属にできるよ。」
「おお!マジか!。とりあえず1回戻ってくれ。」
すると黒狼のしたに魔法陣が現れて黒狼が中に入っていった。
「試してみるか。」
手を出して召喚神を発動した。すると目の前の足元に魔法陣が現れてそこから黒狼が出てきた。
「よし!実験成功!ごめんな、このために呼び出して。」
〖いえ、とんでもございません。〗
「ありがとな、黒狼。」
すると黒狼はまた吸い込まれていった。
「エリック?今のは何?」
「何って、召喚魔法に決まってるだろ?」
「あれを召喚するには帝王スキル以上の召喚スキルを持っていないと召喚できないのよ!?」
「俺の召喚魔法、召喚神だし。」
「あ・・・そ、そう。」
「まぁそんなことはどうでもいいや。とりあえず出発しようか。」
「そうだね!早く行こう!」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「異世界転生したら生まれた時から神でした」を読んでいただきありがとうございます!うた♪♪です!
この作品は初めて書いた処女作になっております。誤字脱字などが多いと思いますが気にせず読んでください!
もし、リクエストなどがあればコメントに書いてくださいね(・∀・)(採用するかは分かりません)
今後もよろしくお願いします(๑•̀ㅂ•́)و✧
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