仮面の国

ホーソ

プロローグ

明暦428年、ミルド王国。

六大陸のちょうど中心に位置し、死大海に囲まれた世界で最も大きい島国。太古よりこの国の人々は、あるしきたりを守って生きてきた。島の周りは地獄もかくやという魔窟。当然人間は捕食の対象になった。そこで島の中心にいた守り神に助けを願った。

−とある娘を生贄に。

その娘は生まれつき顔に傷があった。

その娘は忌子とされ、親にすら見放された。

そしてその娘は、生贄とされる。

守り神は生贄の娘と接し、娘が元来善人であることを知る。そして善性が外面に潰されないよう、島の人間に同じ仮面をつけさせた。

以来、島には魔物は寄りつかず、人々は仮面を被り生きていた。

ミルド王国は生贄にされた娘の血を継ぐものが今も統治している。

そして周りを海に囲まれているが故、他国との接触なく500年の時が経ち、ミルド王国は初めて外界と接触する。

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