◯◯は◯◯で、神さまでした。

黒一黒

始まりの始まり


 ――どうしようもない世の中だけれど、神さまというのはいるもので。 


 別に天地創造だの開闢だの、途方もないことをしている訳ではなく。日本で増えつつある齢三十越えの魔法使いもビックリなファンタジーを作り出したり、NINJAめいた走法で水の上を闊歩する(実際、NINJAにはそういうジツがある。僕は詳しいんだ)なんてこともない。


 どちらかといえば、どこにでもいるもので。


 道端に転がっている石ころ、とまでは言わずとも探せば見つかるし、なんなら会いに行くことだって出来る。


 もしかしたらけっこ、んの前に鏡を見る必要があるのは確かだけれども……。


 なんにしても、神さまというのは案外そこいらにいるのは確からしい。


 まだ神さまに会ったことのない人で今すぐ一目見てみたいと思うなら、パソコンの電源を入れてニッコニコ動画にアクセスすればいい。


 ホームページの神動画一覧から好みの動画を閲覧すれば、不思議でもなんでもなく神さまっていうのはそこにいて。


 一般人の僕たちの理解を軽く飛び越えて、頭が白く焼けるような熱と首筋から背中にかけて泡立つような快感を植え付ける、超絶技巧を晒しているのを目の当たりに出来る。



 そうしたら、皆さ。



 賢者みたいにさめた表情で腹の底から滾ってくる感情を零すんですよ。







 ――なんだ、ただの神か……って。

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