ちょっぴり、大気中で待機しようよ、酸素。

 夢の中で「どうして音楽を聴いて、何もしてないの」って自分自身に聞かれた。返事は「現実逃避のため」だったけど、すぐに「逃げてるんだね」って言われて、嫌ながら頷いた。それしか、今は出来ないから。


「わからない」は別に思考を停止しているわけじゃなくて、わからないっていうことを他人に知らせるために言っていった。けど、わからないって言葉は使わない方がいいのかな。少し、怖かった。思考を停止ではなく、どうやって進めればいいのか、迷子なだけ。


 うるせぇよ、ばぁか。


 乾き出した傷から液体が漏れ出て、悲しくなって、泣いている人物に「そんなことないっ」って訴えて、爪をだいすきな色カバンとお揃いに染めて、師匠に魅せてやった。マミーも大っ嫌いな人も気付かなくて、唯一爪を不思議そうに見つめる妹だけが知っていて、今日は良い天気気分は最低ですね。


マ?マジで? どうしてそんな疲れてんのww?」


 やばやばたんっ。うるさい政治家も、苦手な教師も、大学の話をし出す真面目なあのこも、みんなしねぇえっ!!!!って全世界に言いたかった数秒前。嘘よ、みんな大好き。

「自由が丘」で降りたら、私は自由になるのかな?きっと、無性に寂しくなって、いつ鳴るかもわからない電話を待ち続けると思う。(きっと、きっとWi-fiのバッテリーが切れるまで。電話はいつぞやに解約された。)


 目の前のおばさまの髪型がオレンジ色で、とっても素敵。あの時の「ステキな髪色ですね」って言った初めて会ったお姉さんみたいな髪色にして、私も電車に乗って色んな人にジロジロ見られて、その時だけ背筋を伸ばして、爪はマットで、隣のおじさまのお洋服は紺色で、とってもスマートで、私はドキドキ。

 時折、隣人はタブレットに映る新聞を次にスライドさせて、手をぱぁーって広げるの。ちょっとかわいい。


「俺は過去に生きる男なんだァ」


 会いたい人がたくさんいるのに、相手はどうなのか知るよしもなくて、土曜日に友人が遊びにやってくることに嬉しがることしかできない私。

 あなたは、許してくれる?


 あ、オレンジ色の素敵なおばさまがいない。

 隣人の紺色スマートさんも、タブレットをカバンに戻して、スマホにチェインジ。もう、降りちゃうのかな……。

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