十月です。今年初めての二桁です。ぴーす。

吐き気は空腹時だけになった。

 風が強くて眠れない。怖がる必要ないのに、怖くて、小さく縮まって、テーブルの上に残された緑と黒の空き箱を抱えて、毛布に包まる。こういう時に、必要なのに、穏やかな日にしか残らない。ねぇ、起きてよ。むり、こわい。あ、弱まったみたい。うそ、またビューーーって!やだぁ、辞めて欲しい。怖い。


 と言いながら、もう朝になっていて、学校が始まっていて、真っ青。晴天。怖かった。


「僕、思いつめていると無言になりますよ」

 ウケるー。


 制服姿でラブホ前を通り過ぎる日課。全体的に真っ暗とシルバーの建物で、「OPEN」と「FULL」の文字が煌びやかにベージュのスカートを反射する。あ、今日「OPEN」だ。珍しい。台風だったからかな、とかバカなことを思いながら、学校に到着。お腹空いた。


 ルイボスティー。紅茶を飲むと、喉がカラカラになって、なんども注ぎ直しては、飲み干し。喉の渇き。乾き。カラカラに乾燥しあって、痰を吐き出す。あ、違う。茶殻だ。通り過ぎる夜の建物と、金木犀。情報が多過ぎて、吐きそうになって、迷走。嘘、瞑想。なますて、ふぉー、えぶりわん。


 溢れた感情とかを表すために、文章を書いているから、エッセイを書き始めてから、人と手を合わせてから、物語の綴り方を忘却の海に泳がせてしまった、侘しさ。こうかいのうみ。出航するは、想い出の港。

(初めて「侘しい」って言葉使った。本当は使い古された「さびしさ」って書こうとしたの。誤字った方が、いいね。)


 何か書こうとして、コンパスマークのアプリに触れ、書きかけのエッセイを開いた。誤字とか、微妙な文を直していたら、忘れてしまった。あれ、なんだっけ。

「忘れるってことは、それほど、どうでもいいことだってのよ」代わりに、お母さんのコトバが回想された。

 違うよ、どうでもいいことが大事なの。どうでもいい、言葉の羅列を並べていくのが、大事な作業。他人にとっては、無駄かもしれない。けど、その無駄は誰かの、私の思いなんだ。感情なんだ。記憶なんだ。それは決して、どうでもいいことじゃない。(別に貶されたりして、出てきたセリフじゃないんだけどね。その時は、本当にどうでもいいこと考えてたと思うしー。)


 ねぇ、聞いてる?


 堕落した数日を過ごし、虚構の言葉を口に含んでは、味わうように飲み込んだ。少し痛む喉に、ジンジャエールを一緒に流し込みながら、ミントの香りを鼻から吸い込む。

 深緑が肺に浸透していくのを感じ、徐々にその色を、身体中を巡らせていく。深緑。完璧に黒くなりきれない、色彩。中間色。暖色なのか、寒色なのか。その定義さえも淋しく、指先には薄橙の心臓。どくり。反吐に塗れた血液。綺麗なのは、アイリスのみ。綺麗なのは、虹彩の模様のみ。あなたの肌色と私の肌色は違って、君のとも違う。Skin color. Have you notice that her skin color is red, a crimson. Only Judith knows why. Only the painter knows the secret. And nether as I.

 I have no idea what am I writing here. It’s just a random sentences, for wasting my time, and your time. K. I gonna sleep, peacefully, mindfully, thoghtfully. Without any night mares. I had them yesterday... which was totally awful.


(アイリスの日本語がわからなくて、我慢できずに調べてしまった。恥ずかしい。ピューピルは瞳孔。オプティックナーヴが、視神経。よし。)


 だんだん体がソファーに沈んでいって、最終的に一体となるんだ。あゝよきかな。

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