らっぱーになると、きめたひ。それはきのう。

 鬱蒼とする、言葉の樹海に足を運ぶ。辞書並みの単語をすり抜け、意味の書かれていない言葉へたどり着く。作りたて。出来立て。焼きたてさ。クッキーはあったかい時に食べるのが好き。ほろほろと口に運ぶ前に崩れて行く、楽しさ。ママに「出来立てのは食べちゃダメよ」って言われるけど、こっそり隠れて口に含む。先生がよく作るクッキーが好き。大量にシュガーを入れるけど、かりっと心地よい。これほどクッキーの話を書くなんて、別の先生が聞いたら、嫌がるだろうなって思って、少し笑いがこみ上げそうになる。ママはもう、私にお菓子を作ってくれない。

 父さんとよく行っていた、中華屋さんを思い出しては、行きたい欲を押さえ込む。友人二人を連れて、花椒たっぷりかけた麻婆豆腐を食べさせ、苦しめてやった。(これはクセになる。とのお言葉を貰いましたの。) 朝ごはんを作ってくれたから、そのお礼。ほくほく。もぐもぐ。ういー。

 夜は本当に海で、あなたも本当に海。同じところなんて無いのに、同じだなんて騒いで。海に攫われ、言葉に呑まれ。アルコールに溺れてしまった脳内に、虚構の「愛してる」が飛び交い、海猫が「にゃぁ」と泣いた。大衆という名の海。海なのよ。この世界なんて、無駄なほど人口が多くて、息がしづらく、枯れた珊瑚に溢れてる。まっしろく変色した、珊瑚。私の誕生日。珊瑚。サンゴ。さんご。ばか。

 友人に送ったメモをここに記録する。


 目には目を。

 歯には歯を。

 唇には、唇を。


 世界の中心で愛を叫ぶ獣がいるとしたら、世界の端っこで憎しみを叫ぶ知的生命体もいるはず。(世界に端っこなんて、存在しないのに。永遠と、まるい。まるいだけ。角なんて、辺は一個しか存在しないのよ) 人間は、アホでしかない。賢い生物なんて言ったやつは、やっぱり人間で、だからあんなアホなことが言えたんだと、認識できる。アホ。アホ。あほ。ぁほ。ばか、もうやぁ。人間やめたい。けど、アホにはなりたくない。師匠に言われた「馬鹿だねぇ」という言葉を思い出し、眉をひそめる。ムカつくぅ。人の迷惑考えてないって、後輩に諭してたくせに、自分はどうなの? 風邪はまだ、進行中。熱は引いたけど、頭の痛さと、アホさ加減が治らない。つらいー。

 晩ご飯は風邪を引いても、なぜか私が作っていて、「うまい」と言いながら食べている炒飯の味が、全然わからなくて、不味かった。美味しくない。味がない。コーヒーゼリー食べたい。アイスが食べたい。二日連続、理由もなく、涙がぼろぼろ。耳をすませば、何かが聞こえてくればいいのに。聞こえてくるのは、酔っ払いの叫び声、換気扇のぶぉんぶぉん、バイクの雄叫び、車の走行音、そして時より聞こえてくるスケボの音。うるせぇ。サイレンサー付けて、お前らの脳髄カチ割るぞ。変なこと考えて、未だ返されていない小説の主人公を想う。「大丈夫、毒は入っていないわ」

 無駄な言葉。無駄な言葉。内容なんて、何もない。生々しさは、血液のどろどろ具合を見れば、分かること。欠けた爪で、喉を引っ掻く。過呼吸と、首を絞められる感覚は同じ。苦しさ。苦しさ。首に痺れ。生きていると、実感する。安堵。私は、ここに。

 嫌いな人に、何度中指を突き立てたって、全部彼が見ていない時にしているから、やっても無駄なのかもしれない。正面から、綺麗に曲がった中指を突き立てないと、いけないのかしれない。そして、爪の色は、真っ赤。私の色じゃないと、や。楽しそうだから、爪に"F**K U”とでも書いてみようかな。シールとか、あるかな。探してみよう。きっとどこかにあるから。そして、鉄バットを持って、戦うんだ。ピンク色で、手元がミント。釘の色は真っ黒にするのです。友人と一緒に考えたこと。わくわく。

 ピアスを、新しく開けたいけど、マミーにバレたら、絶対耳を引っ張られて、叩かれるから、やーめた去年の頃。本気で開けようと思い、ピアッサーを眺めては、手に取り、戻しての繰り返しをした。悪いこ。店のお姉さん、大量に付けてて、羨ましかった。私、多分お母さんに捨てられたら、大量に付けて、髪もクッソ痛むほど、色んな色にしてしまうと思う。そんな自分、嫌だけど、ちょっと見てみたい欲も激しい。

 ハートのスカリフィケーションに、口づけをして、肩を丸かじり。かりっ。りんご飴。真ん丸い、真っ赤なりんご飴はいかが?今なら定価で売ってますぅ。るーんるんるん。

 苦しい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る