第340話 トランスフォーマー(2007年)

 えー、「アルファポリス」でいただいた感想で「ハリウッドのロボ物はやらないんですか」と書かれていたのを読んで「しまった、忘れてた!」と急遽入れることになりました、ハリウッド劇場版の『トランスフォーマー』(原題『TRANSFORMERS』)です。シリーズが六作目まで作られていますが、私は最初の作品しか見ていません。それも、劇場公開時に見たのではなく、TVで見ました。Wikiで調べたところ、おそらく2009年6月20日放送のフジテレビ「土曜プレミアム」枠だと思います。なので、この位置に入れてもいいかなと思いました(笑)。


 TV版『トランスフォーマー』のところで少し触れてはいるのですが、本作については本格的には書いてなかったので、ここで書きたいと思います。


 さまざまな評価があるとは思いますが、シリーズが六作目まで作られているんだから商業的には大成功でしょう。玩具も売れたんじゃないかと思ってたら、Wikiによると売り上げが前年の五倍以上になったとか。やっぱり大成功作と言えるでしょう。


 ストーリー的に言っても、初期アニメ版のほどよい「アメリカンなゆるさ」って、当然ながら「ハリウッド的大味さ」との相性が非常に良いんですよね(笑)。


 なので、何も考えずに普通に楽しめました。前回書いたような「老い」も、こういう単純な作品を楽しむのには邪魔にならなかったようです。


 実質的に主役ロボは「バンブルビー」になってますね。アニメ版のときにも書きましたが、アニメ版のフォルクスワーゲン・ビートル(ドイツ車)からアメ車のシボレー・カマロになっています。しかも、オンボロの旧車から、突然最新型にバージョンアップするという(笑)。このあたり、実はアニメ版でバンブルからゴールドバックにリニューアルしたのを意識してるんじゃないかとか思ったり。


 その一方で、オプティマス(コンボイ)とメガトロンは出番少ないんですよ。まあ、オプティマスは中盤から活躍しますけど、氷漬けになってたメガトロンの方は最後に大暴れするだけという。あ、キャラ名はアメリカ版準拠なんですよね。なぜかハヤカワ文庫のノベライズ翻訳版のみアニメ版準拠の名前になってましたけど(笑)。


 こういう劇場版のラスボスとしてはしょうがないんでしょうが、アニメ版の懐の深いキャラクター性とかは全然ありませんでしたね。あと、変形も拳銃じゃなくて異星メカっぽい飛行機になってましたし。


 同じ事はスタースクリームにも言えて、変形戦闘機がF-15から当時最新鋭のF-22に変わったのはまあいいんですが、アニメ版の卑怯者&裏切り者っぷりが無くなってしまったという。もっとも、最後にちゃっかりひとりだけ生き残って逃げてくところにはスタースクリームっぽさがありましたけど(笑)。


 あと、唯一アニメ版『ヘッドマスターズ』以降から参戦したスコルポノック(メガザラック)は、ただのサソリメカになっていたという。すごく小者臭い扱いだったのが残念でしたが『ヘッドマスターズ』は純日本作品だから、アメリカ版のキャラクターとは違うんでしょうね。


 そして何より残念だったのはサウンドウェーブの扱いで、もうカセットテープの時代じゃないものだから、ただのCDラジカセに変形してスパイ活動をするだけという地味なキャラになっていたんですよ……と今までずっと思っていたんですが、今回ググってみたところ、何とあれはサウンドウェーブじゃなくてフレンジーだったという(笑)。今までずっとサウンドウェーブだと勘違いしておりました。


 全体的なロボのデザインが、メカでありつつも妙に生物的になっていたのは、トランスフォーマーという題材からすると有りだと思いました。個人的にはアニメ版のデザインに思い入れがあるんですが、この時代にリメイクするなら、それにふさわしいデザインにする必要性はあるでしょうし。


 個人的には、元のアニメ版のアメリカンテイストを生かして、ほどよくリメイクされた良作だと思っています。


 あと、前にも書いたんですが、やっぱり本作で一番の笑い所は初めてトランスフォーマーのロボ形態を見たときの主人公のセリフ「きっと日本製だ」だと思います(笑)。


 さて、次回は今度こそ『真マジンガー 衝撃!Z編』となります。


 ※今回を急遽入れたので、次回は一時間後に連続更新いたします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る