第285話 ∀ガンダム その10 ターンAターン編

 ターンA語りも二桁の10回目になりました。今回で終わりたいと思うので、サブタイトルは前半のオープニング主題歌名からいただきました。


 さて、まずは語り残した人々について。いろいろ居るんですが、最初はラスボスになれなかった人から。


 アグリッパ・メンテナーはディアナを代々支えてきた家柄の人で、実質的な宰相にあたるっぽい感じです。保守派で既得権益擁護派です。それでディアナの地球帰還作戦には反対しています。ただ反対するだけでなく、ディアナを暗殺して実権を握ろうと画策しています。わかりやすい悪役の人です。


 ただ、実のところ、単に「戦争を阻止する」だけなら、この人のやり方が正しいんですよね(笑)。女王だけが地球帰還を望んでいるんですから。この人自身は別に平和主義者でも何でもなく、自分の既得権さえ守れればそれでいい人なんですが、実は平和には一番近かったりするという。


 まあ、結局は本来の思想から言うと水と油のギム・ギンガナムと手を組んでいたのが間違いで、最後は失脚直前に部下に撃ち殺されるという死に様だったのですが。


 味方側であるミリシャのリーダーであるグエン・ラインフォードについては、ロランを女装させた人ということで既に言及しています。ロランたちが住んでいるイングレッサ領の領主ですね。有能な野心家ですが、ロランを女装させて楽しんだ上に、自分の稚児にしようかとか思ってたフシがあるようです。


 ただ、イングレッサ領がムーンレイスの攻撃で産業基盤を破壊されてしまい、力を失って一時的に失脚したことがあります。その際には婚約者であるリリ・ボルジャーノの実家であるボルジャーノ家を頼って再起しました。


 有能な人ではあるのですが機会主義者でもあり、最初はディアナと組んで宇宙に向かったのですが、月で黒歴史の映像を見て野心にとらわれ、ギム・ギンガナムと手を組もうとします。それでミリシャの部下に離反されるという。


 死にはしなかったものの、最後はすべてを失った状態で地球に戻り、なぜかメリーベルと一緒になってほかの大陸へ旅立とうとしていました。


 実はその婚約者であるリリ・ボルジャーノ嬢の方が、むしろ指導者としての胆力や識見、決断力は上に思えます。一見すると世間知らずのお嬢様に見えるのですが、指導力や外交交渉力に非常に長けているという。最初は婚約者であるグエンを支えていたのですが、そのグエンが裏切っても平然としており、グエンになりかわってミリシャのリーダーとして的確に指揮を続けました。グエンのことは評価していたようですしそれなりに好意も持っていたようですが、馬脚を現したら平然と切り捨てるあたり、愛情の方は大して持っていなかったようにも思えます。


 そのリリ・ボルジャーノ嬢の配下だったのが、ボルジャーノン隊でして、その隊長がギャバン・グーニーです。ザクがボルジャーノンになったのって、主家の名前から取ったんですよね。ギャバン本人は豪放磊落な兄貴分という感じの人でしたが、頭はそれほど良くありませんでした。ソシエに求婚して受け入れられたものの、発掘した核爆弾の危険性をわきまえずに使用しようとして、その爆発に巻き込まれて戦死します。まあ「死ぬよな、こいつ」って感じの人ではありました(笑)。名前はジャン・ギャバンあたりから取ったのかと思いますが、どうしても宇宙刑事を思い出すんだよなあ(笑)。声優は『Zガンダム』のヤザンや『Gガン』のチボデーを演じてきた大塚芳忠です。


 ほかにも、ロランと一緒に地球に降りてきて、ずっとパン屋をやってたキースとか、女性新聞記者になったフランとかも居て、作中では出番も結構あるんですが、まあ別に語るほどではないかなと。こいつら地球人の配偶者も得て子供も作ったりしているんですよね(笑)。


 といったところでキャラ編は終わって、主題歌を語りたいかなと。


 前半オープニングの「ターンAターン」は作曲が小林亜星で歌っているのは何と西城秀樹という超豪華な歌だったりします。もっとも、小林亜星は意外にアニソン作曲してて『コンバトラー』も『ボルテス』も『ゴライオン』も小林亜星作曲なんですよね。ただ、西城秀樹は掛け値無しに凄いと思いましたよ。もっとも、『ちびまる子ちゃん』とかも歌ったりはしているんですが。


 そういや、ロランが女装したときの偽名がローラなのは、秀樹のヒット曲「傷だらけのローラ」が元ネタじゃないかとはリアルタイム当時からネタにされてましたね(笑)。


 それなのに、なぜか今回のことを書くまで谷村新司の歌だと勘違いしていたという(爆)。谷村新司が歌ったのは前期エンディングテーマの「AURA」の方ですよ。おかしいな、リアルタイム当時はきちんとおぼえていたのに、いつ記憶違いしたんだろう?


 とにかく、歌としては名曲です。作品のテーマとも合っていました。不思議なことに三クール終了時の第39話という中途半端な時期に後期オープニングと交代になったのですが、Wikiによると売り上げがよくなかったからということです。これ、情報ソースが『ターンエーの癒やし』なんですけど、そんなこと書いてあったかな? 記憶が定かではないのですが。


 ただ、交代したあとの後期オープニングと後期エンディングは全然おぼえていません。


 そうそう、特記すべきこととして、エンディングと劇伴BGMを作曲したのが菅野よう子ということが挙げられます。これは個人的には非常に嬉しかったですね。アニメファン的には『マクロスプラス』以降のアニメ音楽の作曲家として知られているのかと思いますが、私は光栄(現コーエーテクモ)の『信長の野望 全国版』『三國志』『蒼き狼と白き牝鹿 ジンギスカン』という光栄初期三部作から始まる光栄ゲームミュージックの初期作曲者だった頃のファンでしたから。特に『信長』の『全国版』『戦国群雄伝』『武将風雲録』の三作と『大航海時代』『大航海時代Ⅱ』のBGMは大好きでした。特に『大航海時代Ⅱ』は「With サウンドウェア」なんてCDが付いて高くなった抱き合わせ販売版が先行発売されてたんですけど、それ買っても全然損した気にならなかったですね。ほかのはわざわざCD買ったのもありますし。


 プラモは、弟がターンAだけ買ってたような気もしますが、記憶が定かではないです。もう、この頃になると弟も大学生でしたので、いちいち買ったプラモ見せてもらうような機会も少なくなっていましたから。


 さて、最後に総評と行きたいところなんですが、先に書いたとおりなんですよね。ヒゲのデザインに違和感があったものの、ガンダムハンマー使ってるの見たら許せるようになったと(笑)。ストーリーはつまらないわけじゃないけど、凄く面白くもなかったという。「可も無く不可も無く」といった程度ですね。


 結局、やっぱり「黒歴史」という言葉を生み出したことだけは評価に値するかなという結論にならざるをえないという(笑)。


 さて、次回は「可も無く不可も無く」ではなく完全なる「不可」。私としてはそれこそ「黒歴史」としてこの世から抹殺したいほど嫌いな作品について語りたいと思います。

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