第268話 ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー(1997-98年)
さて、今回は巨大ロボットアニメ史のみならず、アニメ史においてもエポックメイキングな大怪作『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』(以下ビーストウォーズと略記)について語りたいと思います。
本作は、リアルタイムで全話視聴しています。その上で、私個人の感想で言うと、えー、名作で傑作で怪作で迷作です(笑)。
まず、商業的には大成功作です。本作のヒットによって『トランスフォーマーV』のあとTV展開の無かった『トランスフォーマー
また、アニメ史的に言えば、日本で放送されたTVアニメとしては初のフル
本作は、アメリカ制作のCGアニメを輸入して吹き替えを行っています。その点において、初代『トランスフォーマー』と相似の関係にあります。
初代『トランスフォーマー』において、その当時の名声優たちが熟練の演技を見せていたことは、以前に『トランスフォーマー』のところで書きました。
この点においても、本作は初代『トランスフォーマー』の伝統を引き継いでいます。リアルタイム当時、ちょうどベテランの域にさしかかりつつあった名声優たちが、渾身の熱演によって、本作を大人気作として成功させました。
問題は、この「渾身の熱演」が凄まじいまでのアドリブギャグだったということなんですよねえ(笑)。
本作はCGアニメであり、主役ロボであるトランスフォーマーたちは自我を持った超ロボット生命体です。そして、本作においては
このため、口パクがそんなに無いのですよ。だからアドリブが入れ放題だという。元々からして翻訳された脚本自体がギャグ寄りに書かれていたようなのですが、それに悪ノリした熟練声優のアドリブギャグが連発されることによって、作品の方向性が完全に決まってしまったんですねえ(笑)。
ただ、私はこのアドリブ連発のギャグ路線は、決して嫌いではありませんでした。むしろ、初代『トランスフォーマー』のアメリカンセンスを思い出させるユルさといい加減さは、好評価だったんですよ。
何より、主役ロボたちが変身するのがゴリラだのネズミだのだったり、ティラノサウルスやプテラノドンはまだしも蜂だのサソリだのなんてのまで居たりするんですよ(笑)。真面目でシリアスな路線でやろうにも、主役のコンボイがゴリラなんですから、いくらシリアスに演じたってカッコ良くは決まらんでしょう(笑)。そう考えるとギャグ路線に振ったのは正解だったと思います。
そして、これが子供にも受けたんですよ。本作の玩具は、弟が既に大学生だったのに買ってきたんですよ。ゴリラに変形するコンボイ(笑)。できは悪くなかったのですが、やっぱりカッコ良いとは思えなかったんですよね。でも、子供たちには大ヒットして、売れたという。
だから、本作は名作で傑作で成功作ではあるんです。
ただ、それじゃあストーリーをおぼえてるかというと、実はそんなにおぼえていないという(爆)。アドリブギャグが面白かったというのはおぼえているんですが、それ以外のストーリーなんかコロッと忘れちゃってるんですね。
まあ、例によってデストロンとサイバトロンが延々と戦ってるだけではあるのですが、原因となったのがゴールデンディスクだったとか、Wiki読むまですっかり忘れていましたよ。
ただ、メガトロン率いるデストロンが、セイバートロン星の犯罪者としてコンボイ率いるサイバトロンに追われているというのだけはおぼえていました。それで戦闘の結果両方の宇宙船が未開惑星に墜落して、そこで生き延びるために現地生命体と融合して動物や昆虫にトランスフォームするようになったという。このあたりも初代『トランスフォーマー』を踏襲していますね。
また、キャラ名も両陣営のリーダーは初代『トランスフォーマー』の名前をそのまま踏襲しています。これ、実は続編の『ビーストウォーズ メタルス』では初代『トランスフォーマー』のキャラが登場して、本作のメガトロンが初代メガトロン様を「ご先祖様」と呼んでいたりするんですよ。本当に初代『トランスフォーマー』の続編だったんですね。ただ、その前にスタースクリームの幽霊だけは本作時点で登場しており、つながりがあることは明らかになっていました。
といったところで、各キャラについては次回に語ることにいたしましょう。
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