第258話 勇者王ガオガイガー その9 アベルの残せし災い編

「君たちに最新情報を公開しよう!」


 ガガガ語りの9回目は、最後の「味方ロボ」である「キングジェイダー」について語りたいと思います。今回のサブタイトルは、作中でのキングジェイダーに対する敵側の呼称からいただきました。


 さて、このキングジェイダーですが、前回から「味方ロボ」と書いてはいるものの、初登場時は「敵か味方か?」路線でした。GGGの敵であるゾンダーや、その上位種である「原種」と敵対してはいたのですが、GGGには特に協力せず、ときには対立することもあったからです。


 特に、そのメインパイロットである「ソルダートジェイ」は、前半部の敵幹部「機界四天王きかいしてんのう」のひとり「ピッツア」そっくりで、またピッツアの記憶も保持していました。このため、キングジェイダー登場初期には、ガイはJに激しく敵意を抱いていました。


 しかし、やがて原種に対抗するために徐々に協力するようになり、最終的には頼もしい味方ロボとなります。


 こいつは地球製のロボではなく、完全に異星文明の産物です。Gストーンやギャレオンを生み出した「緑の星」と、ゾンダーを生み出した「紫の星」がある「三重連太陽系」に所属する「赤の星」で作られたロボなんですね。知的生命体が住む惑星が三つあるんですよ。


 その「紫の星」で「知的生命体のストレス解消」を目的として生み出されたゾンダーメタルが暴走して、知的生命体を機械生命体に作りかえようとしているのがゾンダーや、その上位種である原種なのです。そのため、これに対抗すべく「緑の星」の指導者「カイン」が作り出したのがGストーンやギャレオンなどです。(ただし、この設定は続編『FINAL』で上書き変更されます)。そのGストーンを元に「赤の星」の指導者アベルによって作られたのが赤い宝石状の「Jジュエル」と巨大戦闘ロボ「キングジェイダー」です。キングジェイダーはJジュエルが生み出すエネルギーを元にして動くんですね。


 さて、このキングジェイダーは「ジェイアーク」という宇宙戦艦から変形しますが、単純な変形はしません。


 まず、ジェイアークの艦橋部周辺が「プラグアウト」と称して分離します。この状態で分離した艦橋部周辺が小型宇宙艦「ジェイバード」になります。ジェイアークの主砲である「反中間子砲」はジェイバードにそのまま搭載されます。このため、残った艦体部は空母形態「ジェイキャリア」と呼ばれます。


 そのジェイバードとソルダートJがフュージョンすることで「ジェイダー」というロボ形態になります。これ、一瞬「小型ロボ」と書こうとしてしまったのですが、設定身長の二十五メートルからすると全然小型じゃないです(笑)。ガオガイガーの三十一メートルや超竜神たちの二十八メートルには及ばないものの、ゴルディマーグとほぼ同じ背の高さで、ビッグボルフォッグの二十一メートルよりも大きいので。


 このため、ジェイダー形態でも、かなり戦闘力は高くなります。背中から出すプラズマウイングで空も宇宙も高速飛行でき、両腕からプラズマソードという光の剣を出して近接格闘戦を行います。また、脚部には反中間子砲がそのまま装備されているので砲撃可能なはずですが、作中では撃っているシーンを見た記憶がありません。


 このジェイダーが上半身だけ出してジェイキャリアに再合体すると「ジェイライダー」モードになります。氷竜たちのビークルロボ形態と同じような形です。この形態だと、反中間子砲を撃ちながらジェイダーの上半身で接近してくる敵と格闘戦ができるという。


 そしてジェイダーとジェイキャリアが「メガフュージョン」を行うことで完成するのがキングジェイダーになります。この状態だと全高百一メートルの巨大ロボですね。ジェイアークが全長百七メートルと宇宙戦艦にしては小柄なのですがロボになるとガオガイガーの三倍以上という超巨大ロボになります。


 この、メガフュージョン時のBGMがファイナルフュージョンのときのBGMと並んでカッコ良いのですよ! 変形自体は艦首が九十度折れて起き上がって足を伸ばしたところにジェイダーの脚部が腕になって接続され、残ったジェイダー胴体部が頭部として合体するという結構単純な仕組みなのですが、とにかくBGMの効果もあってか、迫力があってカッコ良かったのです。


 まあ、これでもマクロスどころか身長二百メートルの惑星ロボとか、百二十メートルのダイターンと比べても小型ではあるのですが、作中では超巨大ロボでした。


 敵の攻撃は「ジェネレイティングアーマー」という防御バリアで防ぎ、その巨体での格闘で敵を圧倒できるほか、片手の指先からは「五連メーザー砲」を発射し、腕部搭載という形になった反中間子砲もそのまま射撃に使えます。そのほかに、ワープして敵を攻撃できる「ESミサイル」なども装備しているという。


 このESミサイルはワープゲートであるESウインドウを開けるので、攻撃以外にもさまざまな用途で使われています。ESウインドウを開くための「ES爆雷」という装備もあります。


 また、ミサイルなどの弾薬は艦内生産が可能なので、理論上は弾切れが無いんですね。材料をどこから持ってきてるのかとかツッコみ所はありますが(笑)。


 これだけでも非常に強力なのですが、さらに必殺技として「ジェイクオース」があります。これは宇宙戦艦形態時には艦首に搭載されているいかりで、キングジェイダー形態では右腕に装備されています。これを撃ち出すと、不死鳥フェニックスのような形になって、敵をぶち抜き、ゾンダー核などを抜き出してくるんですね。


 前回、ガオガイガー以外でゾンダー核を抜き出せる技として撃龍神の「双頭龍シャントウロン」を紹介したときに「GGG所属ロボの中では」と書いたのは、こちらの方が劇中での登場は早かったからです。


 そして、こいつはソルダートJのほかに「トモロ0117」というメインコンピューターを搭載しているのですが、こいつは何と機界四天王のひとり「ペンチノン」が本来の姿に戻ったものなんですね。


 また、ガオガイガーの護にあたる存在として、戒道かいどう幾巳いくみという少年も乗せています。


 ソルダートJとトモロ0117、それに戒道少年については、キャラ編で改めて語りたいと思います。


 メガフュージョンのBGM以外に、専用挿入歌「美しき光の翼」というのもあって、これが静かな曲なのに非常に彼らのイメージに合っていたという。ガオガイガーは挿入歌も名曲が多く、勇者ロボたちの共通テーマ曲である「最強勇者ロボ軍団」と並ぶ名曲だと私は思っています。


 とにかく、キングジェイダーは完全に主役ロボであるガオガイガーの超強力なライバルロボという位置付けで登場しており、味方になったあとも格落ちしなかったという、非常に強ロボ感と存在感があるロボでした。


 ガオガイガーには二号主役ロボにあたる存在がなく、スーパー合体もしないのですが、このキングジェイダーが事実上二号主役ロボ格なのかなとも思ったりしました。玩具も超大型玩具が販売されていたようですし(笑)。


 味方ロボについてはこれで語り終わったので、次回からはキャラ編に入りたいと思います。ということで……。


「次回も、このサイトでファイナルフュージョン承認!」

「これが勝利の鍵だ!」 → サイボーグ・ガイ


 

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