第246話 機動新世紀ガンダムX その8 あの子、許さない!編
『X』語りも8回目、フリーデンの残りメンバーに行ってみましょう。今回のサブタイトルは予告通り第8話のサブタイをいただいたのですが、適切かどうか微妙なんですよね。
というのも、このサブタイのセリフを言っているエニル・エルってフリーデンの敵だった期間の方がはるかに長いんですよ。
フリーのMS乗りとして、最初はガロードに近づこうとして、色仕掛けで迫ります。十五歳の少年に迫る色っぽいお姉さんという感じなのですが、実は年齢十九歳とサラと同い年。だから年齢設定おかしいだろ! ……とは言いつつも、設定年齢上四歳差ぐらいなら充分に恋愛許容範囲でしょう。あとあとの執着ぶりからすると、結構本気で惚れていたようです。
ところが、既に心にティファが居たガロードにこっぴどくフラれて逆恨み(笑)。サブタイにいただいたセリフは、そのときに発したものです。以降、執拗にガロードとフリーデンを狙います。最初にはドートレスカスタムに乗っていたのですが、カリスが生体ユニットになっているパトゥーリアに乗り込んだり、前述のグラブロ系MAエスペランザに搭乗したりと、意外にMA系が多いという。
なお、パトゥーリアに乗るときのエピソードで、実は父親が宇宙革命軍のスパイであり、それが発覚して殺されていたという過去が明かされています。その父親と現地女性の間に生まれた子として苦労してきたようです。
一度はフリーデンへの執着を振り切ろうとしており、行き着いた街で入国管理官の男性にプロポーズされたりもしています。このときはまんざらでもなかったようで、かなり本気で結婚を検討していたようでした。
ところが、街で知り合って意気投合したトニヤ・マームという女性と親友になったところ、彼女は何とフリーデンの通信オペレーターだったという。
それで再びフリーデンと対決する道を選びますが、トニヤが居るブリッジは狙えませんでした。
結局、フリーデンを倒しきれずに逃げる途中で、今度は機密兵器DXを偶然目撃したことで機密保持のためフロスト兄弟に狙われるハメになるという。それで撃墜されたところを、よりにもよってフリーデンに救われます。
結局フリーデンごと新地球連邦軍に捕らわれたものの、トニヤの安全と引き替えにフリーデンクルーの脱走計画を密告したりと、トニヤはともかくフリーデンとの敵対関係は続けるつもりのようでした。
ところが、そのトニヤの安全という約束も反故にされたので、結局フリーデンクルーに協力して脱走します。なお、このときガロードがDXを奪っています(笑)。
それで逃げ出してみればプロポーズしてくれていた入国管理官は新地球連邦によって処刑されていたという現実に直面します。それで復讐のために新地球連邦とは敵対するゲリラに身を投じますが、宇宙革命軍からの勧誘は断ります。
このとき、宇宙革命軍がティファを誘拐しようとしていることを知ってフリーデンに告げに行き、そのままなし崩し的にフリーデンのメンバーになってしまいました。
最終決戦では、前述のとおりジェニスのカスタム機で参戦し、性能的に劣る機体でありながら最後まで生き残っています。何度もフリーデンに敵対して機体を失っており、フロスト兄弟に撃墜されたこともありますが、最後まで生き残ったことで腕は決して悪くないことがわかります。
そして、最後の最後でフラれ男のロアビィのバギーの助手席に乗って登場するんですよ。親友トニヤが、エアマスターのパイロットであるウィッツ・スーとくっついて、彼の故郷に共に向かうのを、からかいがてらに祝福しに来たという。
※最後の登場について、前話で「バイクの後席」と書いたのですが記憶違いでした。「なろう」の方の感想欄で新垣すぎ太様のご指摘をいただきました。ありがとうございました。
これが、フラれ者同士でくっついたのか、ロアビィのいつものナンパに軽く乗っただけなのかは、それ以降の描写が無いので不明なのですが、少なくとも前向きに明るく生きようとしていることだけは確かなようです。
ということで、敵対回数だけならフロスト兄弟以上ですし、何度やられても立ち向かってくるという点では『Zガンダム』のジェリドに負けないライバルキャラ系の人だったりするのですが、最終的に味方になるんですねえ。むしろ『エルガイム』のギャブレット・ギャブレーに近いという(笑)。
なお、今回ググったところ、「エスペランザⅡ」というガンダム系のエニル専用MSの構想があったというのを発見しました。ラフ画までは起きていたものの、結局没になったそうです。没になった理由が放送短縮のせいだとしたら、一番割をくったのはエニルなのかなあとか思ったり(笑)。
そのエニルの親友になったということで作中の注目度がアップしたのがトニヤ・マームです。それまでは単なる巨乳美人通信オペレーター以上の存在ではありませんでした。
また、元々からウィッツからはモーションをかけられており、本人もまんざらではなかったということで、最終的にはカップル成立して、戦後は一緒に彼の故郷に向かっています。そこをエニルとロアビィにからかわれているという(笑)。
通信オペレーターなんで出番は多いんですが、ストーリーにからむ活躍ってこのくらいなんですよね。
そのトニヤとくっついたウィッツですが、作中での印象が「頼りになる味方」以上のものではないという。『Gガン』や『W』の味方ガンダム乗りって、それぞれ個性的だったんですけど、『X』のウィッツとロアビィって個性が薄いんですよ。また、描写の深掘りも少なかったりします。乗機のエアマスターともども、何か影が薄いんですよねえ。
ウィッツの場合は、故郷の家族を養うために戦っているという、『巨人の星』の左門豊作ばりの設定が一番の特徴だったり(笑)。
それでも、最後まで生き残りトニヤともくっついたのだから、本作ではガロードと並ぶ幸せ者だと言っていいでしょう。
ほかに、メカニックのリーダーである天才少年キッドとか、気の良い操舵手のシンゴとか、頼りになる大人な艦医テクスとかも居るのですが、何というか類型的なキャラなんで特に語るほどじゃないかなと思ったり。
もっとも、キッドはガンダムにしては珍しい「天才メカニック」系で、ガンダムXのディバイダー化をはじめ、エアマスターやレオパルドの強化改修もするなど、なかなか凄い腕の持ち主だったりするのですが。
あ、もうひとり大事な人を忘れていました。エニルと同じで最初は敵対しますが最後は「フリーデンⅡ」に乗り込むことになるカリスです。次回は彼と残りの登場人物について語りしたいので、サブタイトルはカリスのセリフから取った第13話のサブタイをいただくことにしましょう。ということで、次回……。
「愚かな僕を撃て」
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