第235話 機動戦士ガンダム 第08MS小隊 その8 俺は死神じゃあない編

※第233話でアイナが単機でジムを落としたように書いてましたが、別の裏取りでググっていたところ実は護衛機も三機いたことを発見したので訂正しました。


 08小隊語りも8回目、仲間の08小隊のメンバーについて語りたいと思います。そこでサブタイトルはメンバーのひとりであるテリー・サンダースJrが自分のトラウマを払拭したセリフからいただきました。


 前に書いたとおり、このテリーは08小隊配属前にシローと知り合っています。宇宙での戦いで、アイナのザクに撃破され戦闘不能になったところをシローに助けられたという。このとき仲間のジムは全滅して未帰還です。それ以前にも味方が全滅してはテリーだけ生き残るということが何回かあったので「死神」と呼ばれているという。しかも、いつも三回目の出撃で起きるので、本人も気にしていました。


 それを当てこすられて07小隊のメンバーと喧嘩になったり、三回目の出撃を回避しようとシローに転属願いを出したりしていましたが、結局出撃することになり、アイナのアプサラスと遭遇することになるという。この戦いで08小隊メンバー全員が無事生還したのでジンクスを解消できました。


 実のところ、MSパイロットとしての腕がいいので生き残っていたんじゃないかとはリアルタイム当時から指摘されていることで、結構優秀なんですよね。死神のジンクスとトラウマを解消したあとは、実力を示すように最後まで活躍しました。


 ごつい顔をしていますが、気は優しくて力持ち系のキャラで、問題児揃いと言われた08小隊に転属してきたシローにとっては心強い味方でもありました。


 声優は何と玄田「コンボイ司令官」哲章! 初代『ガンダム』ではTV版でスレッガーさん、劇場版『めぐりあい宇宙』ではドズルを演じていたという。そういえば、本作中でも「死なせはせん、死なせはせんぞぉ!」みたいなことを叫んでたような(笑)。


 08小隊メンバーの中でもうひとりのMS乗りがカレン・ジョシュアで、唯一の女性パイロットになります。元は医学生だったということなのですが、作中では荒くれパイロット風の言動で、あまりインテリっぽさはありません。


 赤毛巨乳の美人なのですが、何と未亡人だったりするという。シローが軍を抜けると宣言したときに、先だった夫と重ね合わせて「男はいつも私を置いてっちまう」みたいなことを言っていました。


 そのとき、一応シローに向けてバルカンを撃ってはいるのですが、当てる気はまったく無かったあたり、無頼派を気取ってはいても、やっぱりシローに汚染(笑)されたんだろうなあと。


 もっとも、テリーの死神騒動のときも、「思い上がるな」とか罵倒しながらも実は気遣っていたので、外見上の無頼派っぷりとは裏腹に結構仲間思いではあったりするんですよね。


 実は腕前的にはシローやテリーほどではなく、アッガイに頭部を破壊されて以降「ジム頭」になっています(笑)。この呼び方を嫌っていたのは先に書いたとおりです。まあ、それ以外は大過なく最後まで生き残ったので、やはり腕は良い方だとは思いますが。


 声優は小山「レミー島田」茉美で、ガンダムシリーズでは初代『ガンダム』のキシリアを演じていたほか、後年『Destiny』でタリア艦長を演じています。さすがベテランだけあって、キシリアとは全然違うベテラン下士官を演じきっていました。


 ここで、この声優起用について思いついたことがあります。実は、本作では補給部隊所属でシローに目をかけてくれるジダン・ニッカード爺さんと、連邦軍の司令官であるイーサン・ライアー大佐の二役を永井「デギン・ザビ」一郎が演じているんです。


 つまり、ドズル、キシリア、デギン役の人が出演しているんですよ。そして、Wikiなどでは確認できなかったのですが、私の記憶だと第1話の最後のギレン演説は新録で、最後のスタッフロールではキャストに「ギレン・ザビ 銀河万丈」って書いてあった気がするんです。


 これ、実は初期段階だと第1話時点で戦死していたガルマ(ギレン演説が流れているので)以外のザビ家メンバーが全員登場する構想があったんじゃないかなと思うんですよね。ギレンと同程度のちょい役かもしれないのですが。そういう意図を含んでのキャスト起用じゃないかなとか思ったり。まあ、もちろん全員ベテランなので、脇を締めるために起用したのかもしれませんけど。


※最初は、声優のギャラがキャリアに連動して上がっていくランク制はこの頃は無かったと書いていたのですが、この次の回にランク制について調べたところ、既に91年にはランク制に伴う最低ギャラのアップが行われており、私の勘違いだったので削除しました。


 さて、残りはミケル・ニノリッチとエレドア・マシスなのですが、この二人は主にホバートラックに乗っての支援役でした。


 ミケルは第1話の冒頭から登場しており、シローと会話しているのですが、シローの脳天気さに嫌気がさしているという(笑)。助けられて心服しているテリーとは違って、心服するまで少し時間がかかりました。


 MSに乗りたがっていたものの、実際に乗ったときは恐怖でうまく操縦できなかったという。


 BBという恋人がいて手紙をやりとりする遠距離恋愛をしていたのですが本編中は破局していなかったものの、番外編『ラスト・リゾート』でものの見事に振られていたという(笑)。その『ラスト・リゾート』では事実上の主人公を張って、行方不明のシローを探しに出かけ、最後には見事に面会できました。


 声優は、この頃人気上昇中だった結城ゆうき比呂ひろです。今ググってみたら名字を「優希」に変えてたのね。『エヴァ』の日向マコトとかを演じていたのをおぼえているほか、この96年には『ダグオン』の翼を演じており、ゲーム『アーク・ザ・ラッド』の主人公アークを演じていたこともおぼえています。ガンダムシリーズでは、後年に『Seed』のクロトを演じています。


 最後のエレドアは、ミュージシャン志望で耳の良さを生かして聴音員をやっていました。ソナーで音を探って敵の様子を確認する役です。地味ながら重要な役割で、こういう仕事に光を当てているあたりが08小隊の良いところだと思ったり。


 閉所恐怖症とのことでMSのコクピットに入れないため、唯一MSに乗っていません。


 作中ではカレンにモーションをかけていましたが、相手にされていなかった模様。ただ、意識混濁中のラッキースケベはありました(笑)。


 声優は藤原「野原ひろし」啓治で、ググってみたところガンダムシリーズでは『V』『G』『W』『X』とかでは結構モブとかゲストで出てた模様。レギュラーはこのエレドアが初ですが、のちに『OO』のアリー・アル・サーシェスという強烈な悪役を演じることになります。


 08小隊のメンバーについては、こんなものでしょうか。次回はサブヒロインのキキほかの脇役について語りたいと思います。

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