第211話 新機動戦記ガンダムW その6 間違ってもケンカ売るなよ編
W語りも6回目、量産MSに行ってみましょう。今回のサブタイトルは番組からではなく、ネットに転がってた漫画のセリフからいただきました。本作の量産型MS「リーオー」の強さはパイロットによって全然違うというネタで、ボーッと突っ立ってるのは「クソ雑魚一般兵」なのに対して、流派東方不敗なポーズでユラリと立っているのには「ヒェッ! 間違っても喧嘩売るなよ」とコメントしているという(笑)。
W世界で最初の戦闘用量産型MSがリーオーです。前述のように、最初の戦闘用MSであるトールギスがパイロットの安全性をまったく考慮しない極端な性能だったので、それをデチューンして普通のパイロットでも使えるように作られたのがリーオーになります。また、量産性なども考慮されており、W世界のMSの標準となりました。実際、設定上でMSの強さの指標となる「アビリティレベル」というのがあるのですが、リーオーを百として設定されています。
これ、ちょっと調べてみたんですが、面白いことにトールギスの格闘性能って百しかないんですよ。格闘戦ならトールギスとリーオーは性能が変わらないということになります。機動力に一番の差があるんですが、それでも百五十で五割増しでしかない。ウイングでも、百二十から百五十くらいで、せいぜい二割増しから五割増しでしかないという。ウイングゼロですら百四十から百六十でしかないんですね。作中の強さから考えると、ちょっと意外な数値でした。
逆に言うと、この程度の性能差なんで、パイロットの技量によっては結構戦えたりするんですよ。ゼクスが第1話でいきなりウイングと相打ちに持ち込めたりしているように、パイロットが強ければ結構善戦できるという。だから、サブタイにいただいた漫画のネタにもなってるんですね。
外見は、顔のデザインはザクを四角くした感じのイメージですが、動力パイプなどはなく、全体的に細身です。また、カメラアイが四角いモノアイ状になっているのが特徴で、W世界の量産MSはだいたい四角モノアイを積んでいます。実はトールギスもフェイスカバーを外すと同じようなカメラだったりします。
初登場の陸戦用のカラーリングはモスグリーンですが、所属によってカラーリングが変わっています。これ、汎用性が高くて長いこと量産されてきた機体なので、あっちこっちの陣営が使ってるんですよ。それで青だったり紫だったりと、さまざまな色がありますが、同じ色使ってることもあるので混乱するという(笑)。
ところで、設定上トールギスが二十年埃をかぶってたんで、こいつ少なくとも十五年以上は量産され続けてるはずなんですよね。それこそ二十年間主力機の座にあるのかもしれないという。まあ、現実にも六十年前の1958年初飛行のF-4ファントムが未だに現役機だったりするようなこともありますし、F-15イーグルとかだって二十年以上主力機の座にあったので、戦争が無い時代の主力機としては別に不思議ではないんですが。閑話休題。
量産機だけあって武装も多彩で、普通の百五ミリライフルとビームサーベルとシールドのほかに、トールギスのものに似たドーパーガン(これまた実弾とビーム両方あり)を装備したり、ビームライフルを使ったりすることもあります。
それから、設定上のこいつの特徴として装甲が薄いところと厚いところが極端に差があるというのがあります。そのため、当たり所によっては一撃で粉砕されるのに、うまく防御すると敵弾をはじくこともあるという。
このあたりでが、パイロットの技量で極端に強くなると言われる
そして、作中では結構豪華なメンバーが乗ってるMSでもあるんですね。ほかに選択肢が無いというのもあるんでしょうが、ラスボスのトレーズとかレディ・アンとかも乗ってますし、トレーズ派の傭兵として戦っていた頃のヒイロも乗ったりしているという。ヒイロは『Endless Waltz』でも乗っていましたね。デュオやトロワも乗っています。
こいつらが乗ってると強いんですよ。要するに、雑魚のくせに赤かったり角が付いてるような「専用機」でなくてもパイロットが変わるだけで強いという。
量産型MSとして、最初から最後まで、敵味方問わず登場し続けた名MSだったと言えるでしょう。
ほかに、初期登場MSとしては、空戦用のエアリーズがあります。大気圏内用の空戦機で、飛行能力があります。機動性が高い反面、装甲や武装はリーオーに劣る(アビリティレベル九十)という設定になっています。
こいつも複数勢力で使われており、カラーリングが異なります。黒い量産機が目立っていましたが、ゼクスの副官ルクレツィア・ノインが乗っていたモスグリーンの機体が印象に残っています。
リーオーよりは強い機体という印象があるのですが、出番が地上に限られることと、後半の出番が少ないのでリーオーよりは印象が薄い機体ですね。
また、キャンサーというカニみたいな外見の水中用MSがいて、こいつはカラーリングも赤と水中戦用とは思えない正にカニだったりします(笑)。外見は特徴的なんですが、作中での活躍はおぼえてないなあ。
ほかに水陸両用MSのパイシーズというのもいて、こいつはキャンサーよりはマトモな外見をしていました……が水中移動形態時にスクリューになっている部分を格闘攻撃用のクローにするという設計思想ってどうよ?(笑)
こいつらは、出番が少なかったのか、あまり印象には残っていません。
あ、すっかり忘れてたんですが、トラゴスってガンタンクみたいな地上戦用機もいました。キャンサーやパイシーズはググって映像みたら「ああ、いたいた」と思ったのに、こいつについては「こんなの居たっけ?」って思ったぐらい印象が薄いという(笑)。
初期量産型MSって、結局リーオーの印象がやたらと強いんですよ。残りの量産型とモビルドールという無人機については、次回に語りたいと思います。
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