第154話 トランスフォーマー 超神マスターフォース その5 宇宙の支配者・デビルZ編

 さて、マスターフォース語りも5回目、そろそろ締めたいところです。ラスボスのデビルZについて語るので、サブタイは挿入歌のタイトルをいただきました。もっとも、挿入歌といっても作中で使われてないので、イメージソング的な扱いなのですが。


 さて、そのデビルZですが、正体は最後になっても不明でした。謎のエネルギー生命体で、凄い力はあるものの、その力の根源も不明なら、どうやってデストロンの支配者になったのかも最後まで不明という。


 そして、声優は「ミスター悪ボス」柴田秀勝! トランスフォーマー初期五作は、とにかくラスボス声優が凄いんです。メガトロン様のほかに『ガリアン』のマーダルや『仮面ライダーブラックRX』のジャーク将軍も演じている加藤精三、言わずと知れたギレンほかティンプ、ロッチナなど個性的悪役多数の銀河万丈、そして次作『トランスフォーマーV』のラスボスは青野「ピッコロ大魔王」武という。誰を取っても一流のラスボス声優という。


 そのデビルZですが、エネルギー生命体のため本体は無かったのですが、最後は宇宙から呼び寄せたブラックザラックと合体して暗黒大帝ブラックザラックとしてラスボスとなります。


 このブラックザラックは、名前のとおり前作のメガザラックの色違いでした。ただ、その色がメガザラックの緑と紫から黒と金に変わり、頭部のみ赤というカッコ良いカラーリングになっています。さらにメガザラック最大の弱点である「顔がカッコ悪い(笑)」ということについて、玩具ではカッコ良いオーバーフェイスが上にかぶせられる仕様になって、アニメでもその顔になったという(笑)。


 このブラックザラックについては、合体前は一応銀河万丈が声優をやっていたものの、意志などは無さそうな感じでした。このブラックザラックの設定について、Wikiで読んでみたら「スコルポノックが部品として取り込まれてしまった」みたいな設定があったようで、あの奸智に長けたスコルポノックが好きだった私としては少しガッカリしました。そんなに安い奴じゃないと思うんですけどねえ。


 あと、サブタイにもいただいた挿入歌の歌詞の中に「誰より強い破壊大帝」というフレーズがあったんですよ。それで、リアルタイム当時には、もしかしたら前作で氷山に消えたガルバトロンの怨念がエネルギー生命体化したんじゃないかなとかとも考えていたんですが、今の設定だとガルバトロンは別に復活してるみたいなんで、その線も消えてちょっと残念だなとか思ったり。


 最後はゴッドジンライの超魂パワーに敗れて消滅し、完全な超ロボット生命体にした部下のオーバーロードたちは宇宙に逃げていきました。


 その部下の中で、最初から完全に超ロボット生命体だったのがシーコンズです。こいつらは、水棲生物モチーフの怪物に変形するトランスフォーマーなのですが、作中では、ほとんど怪物モードで出てきます。しかも、リーダーのタートラー以外は全員理性とか意志を持たない感じの量産型でした。このため、タートラー以外は全員わらわら出てきてはやられる雑魚戦闘員扱いという、珍しいトランスフォーマーです。


 ただ、深海合体兵士キングポセイドンに合体できるんですね。リーダーのタートラーが胴体部になって、それに手足合体するという。玩具はコネクタ部がスクランブル合体戦士と同じなので、スクランブル合体戦士との入れ替えも可能でした。なお、タートラー以外に五体いるので一体余るのですが、全員が銃モードにも変形できるので一体(アニメでは鮫型のオーバーバイト)は銃になるという。


 タートラー以外は意志が無いので、キングポセイドンになったあともタートラーの意志が残るという珍しいタイプの合体戦士でした。この特性は続編『トランスフォーマーV』のライオカイザーにも受け継がれます。


 とにかく雑魚戦闘員役と、そのリーダーとしての存在感があったほか、合体してキングポセイドンになると強敵という印象がありましたね。それでも負けて撤退することがよくありましたが、タートラーさえやられなければ何度でも再起できるという。


 最終決戦で撃破されたもののタートラーの死亡描写は無かったとWikiには書いてあったのですが、ぶっちゃけおぼえていません。


 ほかに書かなくてはいけないのはサイバトロン側のシックスナイトでしょう。こいつはシックスショットと同じ六段変形ですが、ぶっちゃけシックスショットよりはカッコ悪かったという印象があったりします(笑)。最初は敵として出てくるものの、あとでサイバトロン側につきます。


 ただ、こいつについても記憶が薄く、最終決戦でデビルZに挑んで返り討ちにあって戦死とWikiに書いてあったんですが、おぼえてないんですよね。何でだろう。


 それから、ブラックザラックが出てくることへの対抗として途中から参加したのが太陽系司令官グランドマキシマスです。ぶっちゃけ、前作のフォートレスマキシマスの色違いですが、さらにプリテンダーにもなっているので、グランド(フォートレスの色違い)が着込むプリテンダーの殻も玩具には付いていたという。


 さすがに、色違いとわかっていたのでブラックザラックもグランドマキシマスもうちにはありませんでした。


 こいつ、今回Wiki読んでみて驚愕したのが、フォートレスマキシマスの設定身長が三千メートルだったのに対して、三十五メートルしかないという。いくら何でも違い過ぎだろう!(笑)


 こいつが活躍するとジンライがかすむからか、作中ではあまり活躍してた印象がありません(笑)。


 とまあ、語るべきキャラはこれぐらいでしょうか。


 主題歌については、オープニングは前作ヘッドマスターズの勇ましい感じというよりは、静かに歌い上げる感じですが、ちゃんとロボも作品テーマも歌い込まれており、悪くないと思います。


 ところが、エンディングの方が思い出せなかったんですね。ググって歌詞を読んでみて、ようやく思い出せたという。何か印象が薄かったのかなと思います。


 今回のサブタイに頂いたように、今作でも作中で使われていない挿入歌が結構作られていて挿入歌集が販売されていました。買ってしまいましたよ。結構あるのですが、デストロンがらみが二曲あって、そのうちひとつが「宇宙の支配者・デビルZ」で、これがなかなか名曲だったりします。また、もうひとつはコメディータッチの「See See シーコンズ」で、こっちも結構お気に入りだったり。どっちも作中未使用なのが惜しい歌です。


 さて、最後に総評を。この『超神マスターフォース』は「人間がトランスフォーマーになる」ということで、初期トランスフォーマー五作の中でも一番の異色作であることは間違いないかと思います。そのため、本作でトランスフォーマーから離れたファンも多かったのかなとは思います。特に「なんでコンボイじゃなくてジンライなんだよ」と思って見るのをやめた第一作ファンは多かったかなと思います。


 ただ、巨大ロボットアニメとしてのできは良かったと思っています。また、最初に書いたように群像劇としての「トランスフォーマーらしさ」もあったりはするんですよ。


 そして、本作のプリテンダーという設定は、のちの勇者シリーズの『太陽の勇者ファイバード』で勇者ロボが人間大の姿になって日常生活を送っているという設定に多大な影響を与えていると思います。


 また、逆に人間がロボになるというのは、同じく勇者シリーズの『勇者司令ダグオン』や『勇者王ガオガイガー』に影響を与えていると考えられます。


 のちのロボットアニメに与えた影響を考えても、決して無視できる作品ではないのかなと思いました。


 さて、1988年にTVで放送された巨大ロボットアニメって、実は本作だけなんですよ。ただ、OVAという形で発表された作品の中で、大ヒットした作品が二つあり、それらは見ているので、次回以降はそれらについて語りたいと思います。

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