第148話 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1988年)
さて、いよいよ第一次ガンダムサーガの終結点『逆襲のシャア』(以下逆シャアと略記)語るときがやってまいりました。これは、一回だけTV放送されたときに見ています。いくつかある小説版は読んでいません。その一方で、スパロボではアムロもブライトも逆シャア準拠なんで、そっちの印象が結構強いかもしれません。ただ、スパロボだとアムロって少佐に出世してるんですよね(笑)。逆シャアだと大尉のままです。
ところで、逆シャアってロボに注目して見た場合は「カッコ良い」の一言で終わっちゃうんですよね。ブチメカ、カッコ良いよ。
まず、一号主役ロボ(かませ)のリ・ガズィ。量産型Zガンダムという設定ですが、変形システムも性能も中途半端で、初登場時からサザビーに圧倒されるなど、いかにも「かませ」です。真の主役機である
そして、主役ロボのνガンダム。これは掛け値無くカッコ良くて強い「ガンダム」です。アムロが「νガンダムは伊達じゃない!」って豪語するのもわかるくらい強いMSだったりします。ただ、ギミックとしてはフィン・ファンネルだけなので、ロボとしての面白みはありません。初のファンネル付きガンダムですし、そのフィン・ファンネルがIフィールドも発生させるのでビームバリア付きというあたり、破格のガンダムではあるのですが。スパロボでも最強ガンダムの一角ですし。
こいつ、ガンダムにしては珍しく、カラーリングが白黒です。多少のバリエーションはあるとはいえトリコロールが多い主役ガンダムにしては珍しい配色です。
登場が少し遅いものの、登場してからはアムロの能力もあって無双状態。シャアのサザビーだって全然相手になりません。
これは完全にアムロ専用として設計され、またアムロ自身も設計に参加してるという、完全ワンオフのカスタム機なんですよね。そういう意味では、リアルロボットでありながら、立ち位置からするとスーパーロボだという。
最後は「こんな石ころひとつガンダムで押し出してやる!」と地球に落下するアクシズの軌道を変えるという、正にスーパーロボット的な活躍をして宇宙に消えました。
そのライバルが、同じく完全にシャア専用のワンオフカスタム機であるサザビー。初登場時は、初代ガンダムの頃を思わせる強さでアムロのリ・ガズィを圧倒するものの、カッコ良かったのは残念ながらそこまで(笑)。νガンダムが登場したら、終始圧倒されまくっているという印象しか残っていません。
あとはねえ、
同じくNT専用機ヤクト・ドーガにしても、リ・ガズィよりは強いかな程度で、νガンダムの前では雑魚同然という。
ギラ・ドーガはザク系MSの最終形ということでカッコ良くはありました。ただ、ここで終わりなんですよね。いや『UC』にギラ・ズールって後継機は出てきますけど、その後に続かない。レズン・シュナイダー専用って角が付いて青い機体も出てくるんですが、この人、実は大して強くない(笑)んで、印象といったら「ロンドベルは鈴を鳴らしてればいいんだよ!」ぐらいしか残ってないという。
それに対して、ジム系MSの最終形であるジェガンの方は、F91とかの時代まで使われているという。どうしても制作年代が近いブチメカのパトレイバーを思い出してしまうデザインが唯一の難点だったりしますが、量産機としては、なかなか高性能なんですよね……スペック上は(笑)。
プラモは、弟がνガンダム、リ・ガズィ、サザビー、ヤクト・ドーガ、α・アジールを持ってました。この頃になると、そろそろ完全ポリキャップ関節、接着剤不要のスナップフィット、塗装不要の多色成形あたりが導入されてきており、
さて、キャラの方に話を移してみると、とにかくアムロがカッコ良い!
これ、実際に逆シャア見て痛感したんですが、逆シャアの主人公ってアムロじゃないんですよ。作品名のとおり、実質的な主人公はシャアなんです。アムロって、シャアのライバル的ポジションになってるんですよ。
だもんで、主人公的にうだうだ悩むってのは、シャアの方がやってるんです。アムロはもう徹頭徹尾「シャアのバカを止める」だけしか考えてない。
それも、プロの軍人として、大人として割切ってやってる。シャアの方が「正々堂々と勝負」とか青臭いこと考えてサイコフレームのデータをアムロ側に流したりしてるのに対して、アムロの方は一貫して「シャアを止めるなら何やってもいい」を行動原理にしてるんですよ。
なので、生身でシャアに遭遇したら、これ幸いとばかりに、その場で襲いかかって殺そうとする。シャアが死んだらシャアの反乱は終わりですから。そのための手段は選ばないという。
そしてアムロの思想は、次のセリフに全て入っていると言ってもいい。
「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類にも絶望しちゃいない」
だから、絶望して自爆気味に人類を巻き込もうとするシャアを、どんな手段を使っても止めようとするということです。自らの信念に従って、やるべきこと、やれることをやる。大人なんですよ、逆シャアのアムロは。
唯一甘さを見せるのが、ケーラを人質に取られたときで、このときは武装解除に応じようとしてしまいます。結局、相手が放出したフィン・ファンネルを武装だと思わなかったことと、そのフィン・ファンネルが過剰反応したせいでケーラが殺されてしまうわけですが。
その一方で、Zガンダムの頃の恋人だったベルトーチカとは別れ、新たにメカニックのチェーン・アギを恋人にしています。このお付き合いの仕方が、また大人っぽいというか。さりげない言葉、冗談交じりのからかいの中でも褒めたりしてる。Zガンダムの頃のシャアに爪の垢を煎じて飲ませたいくらいの、しっかりした大人の恋をしてるんですね。
だもんで、もうララァあたりは、はっきり言って過去の思い出にすぎません。アムロの前にもララァの思念体が出てきますが、亡霊扱いでまったく相手にしていません。
クェスに思慕を寄せられたときも、それが父親を求めてのものだと悟って、あっさりかわしているという。
もっとも、チェーンが死んだときに気付いてないので、どこまで本気だったのかは多少疑問があったりもするのですが。
とにかく、逆シャアのアムロはカッコ良いとは見る前から聞いていたのですが、実際に見てみたら本当に「大人」でカッコ良かったのですよ。この「大人のプロ軍人アムロ」なら、初代ガンダムの頃のアムロを見たら殴り飛ばしてるだろうなあとか思ったりします(笑)。そりゃ、同じく大人になったブライトと意気投合するわけだよ。
このアムロがベースになってるもんだから、スパロボのアムロってムチャクチャカッコ良いんですよね。
さて、逆シャアについては長く語る気はないのですが、さすがにシャアについては次回に回しましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます