第136話 戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010(1986-87年)

 さて、いよいよ『トランスフォーマー2010ニーゼロイチゼロ』です。いや、これタイトル見て頂くとわかるように、正式名称は『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010』なんですよ。でもまあ、長いので、サブタイ以外は『2010』と略します。そういえば番宣ではカッコ良く『トランスフォーマー2010ツーオーワンオー』って言ってたな(笑)。


 さて、リアルタイムで見てたときは、前回の『ザ・ムービー』については公開されておらずビデオも販売されていなかったので、代わりに「コンボイが死んだ」キャンペーンが行われたり、あの『コンボイの謎』が作られたという話は前作『トランスフォーマー』の最後の方で書きました。


 その流れの中で『2010』を見たのですが……ええ、一応最後まで見ました。また、前作『トランスフォーマー』は結構見落としがあったのですが、この『2010』については全話見たはずです。


 その上での印象を言うと「ストーリー悪くない」です。じゃあ、何が悪いのか。


 作画とキャラデザです(爆)。


 いやまあ、作画は前作も悪かったんですけど『2010』はもっと酷くなっています。今回のエッセイを書くためにWiki読んでみたら、どうも東映動画があまり作画できなかったようで。どおりでクオリティが低いわけだ(笑)。


 この『2010』の酷い作画を先に見ていて、そのあとで『ザ・ムービー』を見たので、一層『ザ・ムービー』の作画クオリティの高さが印象に残っていたのかもしれません(笑)。


 そして、キャラデザ……というか、メカデザというか、とにかくロボや変形後のマシン形態のデザインについて。


 これ、相当に変です(爆)。


 年代が未来に設定されたので、変形するマシンも現実の自動車や飛行機ではなく、SFチックな未来カーや未来ジェット、「SFガン」(と玩具でも呼ばれている)や宇宙船などに変形することになるのですが……いつの時代のSFだよって感じのレトロフューチャーなデザインなんですよ!


 少なくとも、1980年代後半のデザインではないです。何というか、実に70年代的なセンスなんですよ。


 そう、例えば『グレンダイザー』とかの頃の宇宙人のメカとしてだったらピッタリだろうというような(笑)。


 何というか、センスの古さが70年代前半なんですよ。『ヤマト』でも初代の頃というか。『さらば』に出てたらもう古いだろうって、そういう感じなんです。


 これ、トランスフォーマーたちのデザインに限らず、世界観そのものが、そんな感じのレトロフューチャーなんですよね。


 なもんで、服装とか建物も四半世紀後の2010年の世界って感じじゃないんです。何というか、当時の『ドラえもん』で描かれていた二十二世紀の未来って感じですね。


 もっとも、実はこの「2010年」というのは日本独自の設定らしく、英語版では2006年の話のようです。これ、前にハリウッド映画版の第二作『リベンジ』がリアル2009年に公開されたときにWikiを調べて知ってたんです。


 というのも「せっかくなら2010年に公開して邦題は『トランスフォーマー2010』すればよかったのに!」とか思ったからなんですね(笑)。ところが、調べてみたら実は英語版だと2010年じゃなかったという(笑)。そもそも、英語版では続編扱いではなく『トランスフォーマー』の第三シーズン扱いみたいなんですよ。前作『トランスフォーマー』が第一シーズンと第二シーズンにあたるとのことでした。閑話休題。


 というわけで、リアルタイム当時のセンスで見ると、かなり「変」な未来が描かれていたのでした。


 これ、Wikiで読んだところ、元デザインはハスブロ社が行ったみたいなんですよね。それを元にタカラが玩具を作ったと。


 そのせいなのか、アニメのデザインと玩具のデザインが全然違う奴も結構居るんですよね。ガルバトロンとか……って、よく考えたら、そもそも前作『トランスフォーマー』からそういうアニメと玩具のデザインが全然違う奴は大勢居たよな(笑)。


 ともあれ、その「変」な世界の「変」なデザインの未来カーの中でも、飛び抜けて変なのが、新司令官ロディマスコンボイの変形するトレーラーでした。


 いや、レギュラーの老兵チャーや気弱な早口ブラーとかの変形する未来カーもかなり変なんですけど、ロディマスコンボイの牽引トラックが流線型で、トレーラー部と一体化したようなデザインは、特に違和感バリバリです。Wiki読んだら「キャンピングカー」説もあるようで(笑)。


 これ、『ザ・ムービー』に登場したときの「ホットロディマス」が変形する自動車は、普通にカッコ良い架空スーパーカーなんですよ。多少未来っぽいデザインではあるものの、例えば『ダイモス』のトライパー75Sとかと同じような感じで、未来カーとしては普通というか、そんなに悪くないという。


 これが、どうしてロディマスコンボイになったら、あんなにダサいトレーラーになってしまうのかと……(笑)。


 また、ロボ形態の顔の方も、何か頬が角張って老けた感じになってしまうんですね(笑)。


 ちなみに、ホットロディマス/ロディマスコンボイの声優は石丸博也 だったりします。そう、あの「元祖巨大ロボパイロット」兜甲児の中の人なんですよ! ついでに言うと、前年の『ダンクーガ』では既に葉月博士を演じています。博士役であるだけでなく、イゴール長官戦死後は後任司令官になっているので、既に司令官役を経験済みなんですね。


 確かに若い役を演じるのは得意かなという気もするのですが、既にバリバリのベテラン声優なんで「若くて未熟な新司令官」という役にふさわしかったのかなあというのは、ちょっとあります。まあ、ずっと若手っぽい役を演じてるベテラン声優さんも居るんですけどね(笑)。


 前作のコンボイ司令官に比べると、若くて未熟ということで、宿敵ガルバトロンにも軽く見られたりするほか、本人も結構悩んだりしている印象があります。


 ……が、実は判断ミスとか、意外に少ないという印象があります。確かに失敗はあるものの、それなりにリカバーするというか。


 自分のリーダーとしての資質に悩んでる分、脳天気に「いい考えがある!」とか言って、失敗してもあまり反省してなかったコンボイ司令官より、よっぽど真面目に見えるという(笑)。


 まあ、ときどき司令官の重圧に耐えかねて逃げ出すこともあったりしたんですが、そんなのアムロで見慣れてるんで気にするほどのマイナスポイントじゃないという(笑)。


 一度はコンボイ司令官のゾンビにだまされたりもしましたが、最後は本当にコンボイ司令官が復活したので司令官職とマトリクスをコンボイに返してホットロディマスに戻りました。


 なお、続編『ザ・ヘッドマスターズ』では復活したコンボイを「コンボイ長官」に祭り上げて司令官職を継続しており、のちに再びマトリクスを得て再度ロディマスコンボイになったりしますが、その後に新天地を求めて宇宙へ旅立ちます。このあたりは『ヘッドマスターズ』のところで語ることにしましょう。

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