第95話 機動戦士Zガンダム その6 目立つ色になったから気をつけろよ編

 今回は百式について語ろうと思います。サブタイトルは、リック・ディアスが赤色になったときのシャアのセリフからいただきました。ご本人が乗る百式は金色という、より目立つ色になっているので「あんたが言うな」というセリフのひとつでしょう(笑)。


 その百式ですが、前代未聞、空前絶後の漢字名MSです。前にも書きましたが、ロボの名前として考えても鉄人とタイムボカンシリーズの二作とワタルぐらいしか、ほかに思いつきません。あと、バウに漢字名が付いてるというのはありますが、あれ標準はカタカナ表記ですから。


 肩に麗々しく描かれた「百」の漢字が素敵です。今なら、CGにレンダリングすれば、どんな模様のロボだってゴリゴリ動かせるんでしょうが、セル画でやってた頃に漢字の模様とか、アニメーター泣かせだったんだろうなあとか思ったり。


 ネーミングの由来は「百年使えるように」だそうです。ただ、どう考えてもこれ、元ネタは旧帝国陸軍の戦略偵察機「百式司偵」あたりかなと思ったり。第二次大戦中の日本軍機の中でも、特に優美な姿をしていることで知られています。


 さて、デザイン面でいうと、各部パーツの意匠や武装などから、リック・ディアスの発展系であることがうかがえます。ビームライフルは百式オリジナルのデザインですが、エネルギーパックはリック・ディアスのビームピストルと同じものを使用しています。また、リック・ディアスのクレイバズーカも使用しています。


 ただ、全般的にリック・ディアスに比べて非常に細身でスマートになっており、非常にカッコ良いMSです。また、顔は全然違うデザインです。


 この顔なんですが、一般にガンダムフェイスと言われており、百式もガンダム系列に含まれるのが普通です。


 確かにガンダムフェイスではあるんですが、実の所、これ細面のゼータ顔系のガンダムフェイスなんですよ。Zガンダムより先にゼータ顔してるという。また、目は黒で、ゴーグル型の変形とも取れるんですね。


 ……というよりは、私が一番最初に百式見たときの感想を言う方が早いでしょう。ぶっちゃけ「金色のエルガイム」としか思えなかったという(笑)。


 こいつについては、設定からして「製作者はM・ナガノ博士」なんてことがリアルタイムの二次資料に書いてあった上に、このつらですから、永野護デザインであることを、これっぽっちも疑ってなかったんですよ。


 なので、今回いろいろ調べるためにWikiを読んでみて、「永野護は最初にラフデザイン数点描いた時点で降板して、それを藤田一己がクリンナップしている」というのを読んで驚愕したんですね。百式もその流れで、永野は最初のラフしか描いてないという。これには驚きました。


 さて、カラーリングについては、先にも軽く書いたように「金色」です。こんな派手な色のMSはさすがに珍しく、ロボで見てもそう多くはありません。特にリアルロボ系だと『レイズナー』のライバルロボ「ザカール」ぐらいしか思い当たりません。


 そりゃそうだ、セル画だったら黄色と区別を付けにくい上に、ハイライト入れなきゃいけないんだから(笑)。


 ……って書いたら、応援コメント欄で@ikutose03様に「オージやオージェ系を忘れないで」とご指摘をいただきました。あと、狼煙様からは「REIDEEN」なんてのが出てきたり(笑)。そこでスーパー系だと、ゴールドライタンとかゴルドランなんてのがいたほか、『Destinyディスティニー』にアカツキなんてヤツもいたのを思い出したりしました。意外にいますね(笑)。


 実のところ、これ以降は増えてくるのですが、MSとして「メインカラーが黄色系」というのは、百式以前は無かったんですよ。機体の一部に使われていることはありましたが。


 この金色塗装は耐ビームコーティングの一種だという設定なのは、当時の二次資料から書いてありました。ただ、実際にビームを受けると壊れるので、大して役に立ってないという(笑)。次作のZZのシールドはしっかりビームを防いだ描写が作中であるので、一年で耐ビームコーティングの性能が向上したんでしょう。


 このせいか、私が遊んでた頃のスパロボだとZZと違って「ビームコート」が装備されていなかったような記憶があります(笑)。


 シールドを持たないのはリック・ディアスと同じですが、重装甲で補うというよりは、機動性で回避重視という設計思想ですね。


 武装は前に書いたようにビームライフルとクレイバズーカがメインですが、ときどきメガ・バズーカ・ランチャーという機体よりもデカい大型ビーム砲をオプションで使います。これ、エネルギーチャージ専用の機体が別に必要というシロモノなんですが、その分、威力も抜群です。スパロボだとマップ兵器扱いになってましたね。


 さて、この百式ですが、クワトロ・バジーナを名乗っているシャアの専用機です。リック・ディアスがみんな赤色になってしまったので、ご本人はより派手な金色になったんだろう、というのはリアルタイムの頃から言われていたことだったり(笑)。


 登場した前半は性能的に問題なかったのですが、後半になって敵側にも大型可変MSとかサイコミュ搭載機が出てくると、あきらかに力不足になっていきます。ラスボスのパプテマス・シロッコに「時代遅れ」とかディスられてた気がしますが、何話だったかおぼえていません。


 何とか最終話まで撃墜されずに生き残りましたが、最後はZZラスボスのハマーン・カーンが操るキュベレイによって大破させられます。ただ、それでもシャアは死なずに逃げ延びるんですが(笑)。


 続編のZZでは二号機が登場して、メインキャラのひとりであるビーチャが主に搭乗します。Zガンダム終盤で旧式機扱いだった割にはZZでも最後まで戦い抜いているあたり、実はビーチャって腕がいいんじゃないだろうかとか思ったり(笑)。


 ……ああ、時間切れだ。メタスについてまで書けませんでしたよ。メタスなどは次回以降ということで。


 君は、33年の涙を見る。

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