第90話 機動戦士Zガンダム(1985-86年)

 ついに来てしまいました、あのガンダムの続編『機動戦士ゼータガンダム』です。「Z」と略すとマジンガーと区別がつかないので、基本的に「Zガンダム」と表記します。


 もちろん、リアルタイムで見ていました。ビデオにも録りました。二次資料として、いちいち創刊されたばかりの『月刊ニュータイプ』を『ジ・アニメ』とは別に買い始めました。あれ、雑誌名がそのまんま「ニュータイプ」ですし、創刊号が「ガンダムMK-Ⅱ」(以下、以前の表記に合わせて「マーク2」と略記)の顔だったように、Zガンダム系列の情報に力を入れていて、設定画とか結構乗せてたんですよね。


 当然のようにスパロボにも出てるので、そちらの印象も非常に強い作品です。ただ、これはノベライズは読んでいません。近藤和久によるコミカライズもチラ見した程度です。


 さて、何でいちいち「」と書いたのか、わかりますよね? そう、私は本作も途中で切ってしまったんです。ただし、切ったのは主人公ロボであるZガンダムが登場して少したった第30話以降です。そして、そのあとも完全に切ったわけではなく、ちょろ見くらいはしていました。最終回もリアルタイムで見ています。


 何で切ったか。ぶっちゃけ「つまらなかったことに気付いたから」です。ずーっと、「何かおかしい」「これはおかしい」と思いながらも見続けていました。しかし、主人公ロボであるZガンダムが第22話で本格的に登場して(ウェイブライダー形態での顔出しなら第21話から)、それからも見続けていたものの、ついに気付いてしまったのです。「ガンダムの続編だからと思って見続けてたけど、コレ実はつまんない」ということに(爆)。


 だから、放送終了後に富野監督がZガンダムについて「あれは失敗作だ」と言い放ったときにも、「さもありなん」とうなずいただけでした。


 ですので、後年になってゲーム雑誌『ファミコン通信』で「ガンダムシリーズで好きな作品はどれか」というアンケートを取ったときの結果で、第一位がZガンダムだったときには驚愕しました。「何でアレが一位になるんだ!?」と。


 その総評に「最初に見たのがZガンダムという人も多いようです」みたいなことが書いてあったのに、それこそ「ときの涙を見る」思いがしたものです(笑)。


 ということで、本作は途中で切ってしまっているんですね。ただ、『ニュータイプ』とかは読み続けていたので、見てなくても設定やストーリーを追うことに不便はありませんでした。また、後年になってCS放送で、今度は全話再放送を見ています。リアルタイムで見ていた頃よりは客観的に見られるようになったのと、本作よりあとに「ガンダム」の名を冠したもっとヒドい作品も見てるので、その時の印象は意外に悪くありませんでした。ガラットのときと真逆ですね(笑)。


 ただ、やはりガンダムシリーズの中では低評価の作品になります。これより下になるのは『新機動戦記ガンダムウイング』くらいでしょうか。


 さて、そんな作品としては低評価のZガンダムですが、ロボに関してはそんなに嫌いではありません。


 まず何と言っても、主人公ロボであるZガンダムと、前座主人公ロボのマーク2がカッコ良かったことがあげられます。


 ガンダム語りの第1回にも書きましたが、私の中ではガンダムというのはダサロボットだったのですよ。


 ところが、マーク2でその印象がぬぐわれ、Zガンダムはデザインからして非常にシャープでカッコ良いロボになっていました。これ以降のガンダムは、基本的にカッコ良いロボが多くなります……『Gガンダム』とかに出てくるイロモノとか敵ガンダム系は別として(笑)。


 それでは、まずマーク2について語っていきましょう。


 コイツは見た目からして、ガンダムと同じ顔をしているし(以前に指摘した垂れ目とツリ目の関係はありますが)、全体の形は受け継いでいるものの、リアルタイム六年の差、それもリアルロボット台頭によるデザインセンスの進化の影響は非常に大きく、非常にカッコ良くなっています。


 これは、前に書いたゲッター1とゲッタードラゴンの関係以上に差があります。正常進化というよりは、突然変異に近い。


 肩の形とか、ふくらはぎ、ランドセルに生えてるビームサーベルみたいな「ガンダム的記号」は残しながらも、ものすごく80年台メカっぽくなってます。


 カラーリングも、わずかに赤こそ残っていますが、白はグレーに、青は紺にと渋めの兵器っぽい色合いに変わっています……って、その前に! 初登場時には濃紺とダークグレイの塗装だったんですよ、こいつ!!


 そもそも第1話のサブタイトルからして「黒いガンダム」!


 前作ガンダムでは、主人公機ガンダムは敵であるジオン軍には「白いヤツ」と呼ばれていました。そもそも、企画段階では白一色にしたかったのに、それが通らなかったというエピソードが知られているくらいです。ガンダム=白というのは既に固定されたイメージになっていました。


 それが、のっけから「黒いガンダム」ですよ!


 こいつは確かに、何かが違う。そう思わせるには充分でした。


 もっとも、既にアニメ誌を買っていた(それも、Zガンダムのためだけに『ニュータイプ』まで買っていた)私は、すぐにグレーになるだろうということは、紹介記事のMSが並んだ絵を見て知っていたんですが(笑)。


 さて、今日はこのあたりで時間が切れました。きっと、こいつも長くなることでしょう。


 君は、33年の涙を見る。

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