第56話 逆転イッパツマン(1982-83年)
『ヤットデタマン』は入れるかどうか悩みましたが、こっちは入れない方がおかしい完全な巨大ロボットアニメ『逆転イッパツマン』です。タイムボカンシリーズ第六作ですが、いろいろ新機軸が導入されてたりします。これはリアルタイムで熱心に見てたほか、再放送でもチェックしています。
その理由なんですが、最終回をリアルタイムで見られなかったんですよ。ちょうど家族での外食と重なってしまいまして。これが悔しかったんだなあ。そういう風に外に行かないといけないときでも見られるように、携帯用の液晶テレビが欲しくてたまらなくなったんですよ。ところが、当時はまだ液晶も高価で、子供がお年玉貯めて買えるような値段じゃなかった。あと、ウチは本とか漫画は結構買ってもらえてたんですが、お年玉の金額は少なかったし、クリスマスや誕生日のプレゼントも八千円以下ぐらいまでに制限されていましたんで、実際には絶望的でしたね。まあ、この数年後には我が家にもビデオデッキが導入されて、それで携帯用テレビが欲しいという理由は解消されるのですが。
さて、この逆転イッパツマンはストーリーも今までのタイムボカンシリーズに比べるとシリアス仕立てだったりします。もっとも、定番ギャグは忘れてませんし、シリアスな展開が続く中に突然「三バカトリオが自分たちを主人公側に仕立てた映画を作って上映する」なんてお笑いエピソードが挿入されたりもするんですが(笑)。
特に、中盤でイッパツマンと、前半の主役ロボ「逆転王」が倒されてしまうという衝撃的エピソードがあります。サブタイも「シリーズ初! 悪が勝つ」なんてのになってました。もっとも、これ実際には三バカトリオの功績じゃなくて、悪役側のシリアスキャラ
それで、二号主役ロボの「三冠王」が代わりに登場します。初登場が第31話で放送が9月11日。『ザブングル』でウォーカーギャリアが初登場したのが第26話で放送が8月7日。惜しいところで「初の二号主役ロボ」を逃してるんですねえ(笑)。
逆転王も三冠王も、デザイナーは大河原邦男です。タイムボカンシリーズのメカもずっと大河原邦男デザインだったんですが、あの丸っこいコメディタッチのタイムボカン系メカから大河原スーパーロボに見事に変形するという素敵なロボだったりします。もっとも、どっちも結構大きな皮(にあたる部分)があとに残ったりしますが(笑)。
個人的には逆転王の方がデザイン的には好みでした。カラーリングは逆転王は黄色と黒と白がメインだったのに、三冠王は黒が主体な感じでしたね。
こいつらも一応変形終了時に自分の名前を名乗ったりするのですが、作中では自分の意志を持ってるような描写は見られず、完全にイッパツマンが操縦してるように描写されてました。Wikiによると三冠王の方はAIで自立行動が可能みたいですけど、そんなシーンおぼえてないなあ。
なお、逆転王のときはイッパツマンひとりで操縦してましたが、三冠王になると、メインヒロイン格の
こいつらの合体のときに流れる挿入歌「
どちらも、この頃のスーパーロボとしてはカッコ良いデザインでした。また、玩具も非常にできがよかった。友人の家で見せてもらった逆転王は、プロポーションが良くて、手を差し替える必要がある以外は完全変形。この頃のタカトクトイスの技術力はかなり高く、プロポーションとギミックを両立させていてポピーに迫るどころか、一部では上回っているところがありました。この点、最後までポピーに技術力では追いつかなかったクローバーとは差があったなあという印象を持っています。
そして、私は逆転王の方が好きだったんですが、弟は後期ロボの三冠王を買ったんですねえ。これも非常にできが良かった。もっとも、アニメだとトッキュウマンモスの左右についていた機銃が外れて三冠王の胸に付くのですが、このギミックは機銃が外れるところまでしか再現されておらず、三冠王の胸の機銃は作り付けでしたが。
この三冠王の胸の機銃は銃身が金色になっていて、アニメの設定色とは少し違っていましたが、玩具的にはまあ許容範囲かなと。ただ、銃身が細くなっていてカッコ良くはあったのですが、耐久性が低くて遊んでいるうちに折れてしまいましたね。その点、トッキュウマンモスについてる方の機銃の方が銃身が太くて折れませんでした。
ストーリー的には、サブヒロインとして中盤から登場した
だからって、三バカトリオのいつものマンネリギャグの存在感が薄くなったワケでは全然なく、タイムボカンシリーズとしてもしっかり作られていたんですよ。
ギャグとシリアスを両立させた快作であり、同時にカッコ良い巨大ロボットアニメでもある名作でした。
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