第50話 六神合体ゴッドマーズ その2 十七歳の伝説編

 ということで、ガンダム以外で初の2回目です。そんだけ思い入れの深い作品ということで。サブタイはOVA版のタイトルですが、ガンダムのときと同じで、後で出た関連作だからという理由で付けただけなんで、内容とは関係ないです(笑)……って書いてたんだけど、結果的に後半はマーグのこと書いてるんで関係はあるのか?(笑)


 さてさて、その1ではロボについてをメインに語ってしまったのですが、それだけでなく本作にはストーリー的にも語る面が多いのですよ。


 こいつの場合は何と言っても、今だったらまず間違いなく「原作レイプ」と言われるだろうってくらいに原作を無視しまくってる点でしょう。いや、原作者である横山光輝先生ご本人に「自由にやっていい」って了承は得ているんですけどね。


 原作の『マーズ』は、本来「地球人類を滅ぼす」目的で送り込まれたのに、記憶を失ってその目的を忘れてしまった異星人の少年「マーズ」が、その記憶を取り戻させて人類を滅ぼさせようとする異星人のエージェントと戦っていく、という話なのです。そして、そこで主人公マーズが使うロボが「ガイアー」で敵のエージェントが使う「六神体」というロボと戦っていくのです。つまり、本作で合体してるロボたちは、原作では敵だったりするわけです。しかも、こいつら全部倒ことも「ガイアー」に積んでる地球破壊爆弾の起爆原因になるという。それで、最後の敵を倒すのをどうするか苦労してるんですね。ほかに、マーズが死ぬか、ガイアーが破壊されても爆弾は爆発します。


 ここで、前回も書いた2015年5月19日の「なろう」の活動報告で教えてもらった面白いネタがあるのですが、「六神合体 原作」で画像検索すると原作版の六神体を合体させてみたという凄い絵が出てきまして(笑)。閑話休題。


 んで、リアルタイム当時、ちょうど本屋で原作漫画を見つけてパラパラと立ち読みしてみて「全然違うじゃん!」と思って、最後の方を読んで見て大衝撃を受けたのですよ。何しろ、マーズが四苦八苦しながらも何とかガイアーを爆発させないように最後の敵を破壊せずに内部から機能停止させたら、守ってもらったはずの人類が「人類が滅ぶのは嘘だったのか」ってマーズを襲おうとするんですよ。それで人類に失望したマーズが「こんなやつらを守るために戦っていたのか」みたいなことを言って、ガイアーの爆弾を起爆して地球が破壊され、人類が絶滅するという。


 ある意味、あの『ザンボット3』よりも衝撃的なオチだったんで、ものすごく印象に残ってたりします。これ富野監督がゴッドマーズの監督してたら絶対にこのオチも採用してただろうなぁとか当時から思ってたり(笑)。


 んで、ゴッドマーズでも一応、この原作の設定は引き継いでる部分はあります。主人公の宇宙名(本名)はマーズです。ただし、地球名が明神みょうじんタケルで、赤ん坊の頃に拾ってくれた地球人の両親に愛情深く育てられたので、完全に地球人としての自意識を持っています。その上、ストーリー開始時から既に地球防衛軍のエリート組織「コスモクラッシャー隊」の隊員だったりします。


 そして、そのタケルが直接乗り込むロボがガイーです。微妙に違うという(笑)。そして、このガイヤーの体内には「地球を破壊可能な反陽子爆弾」がセットされていて、タケルの意志で起爆できるほか、やっぱりタケルが死んでも起爆します。このあたりは原作から引き継いでいますね。


 しかし、本来敵として出てきていた六神体は、六神ロボとしてガイヤーを守るロボに変更され、しかも六神合体してゴッドマーズになるという大胆な変更がされています。名前とかもかなり変わってますし、デザインにいたっては原作の欠片すら残って無い有様という(笑)。


 ギシン星の独裁者ズール皇帝(ラスボス)が地球破壊のためにマーズを送り込んだという部分は原作の要素を引き継いでいます。このズール皇帝が最初は「我が子よ」と呼びかけていまして「実はタケルは敵の皇子だったのか!」みたいに視聴者に思わせていたのですが、比較的序盤に実兄マーグがタケルに本当の両親イデアとアイーダのことを伝え、ズール皇帝はタケルを養子にしたにすぎないということが明かされます。


 それでも序盤はギシン星の工作員がタケルに接触してきて「お前はコスモクラッシャー隊の隊員なのだから宇宙船を奪うことは簡単だろう。それで宇宙に逃れてからガイヤーを起爆すれば安全に地球を破壊できるのだから、早くズール皇帝の地球破壊命令に従うのだ」みたいな説得をしたりもしていました。それで従わないと、今度はタケルを殺す事でガイヤーの起爆条件を満たそうとします。ギシン星の工作員の目的は、ほぼタケル暗殺による地球の破壊ですが、それ以外の工作もしかけたりしています。そして、最終的には巨大ロボで直接ガイヤーを破壊して反陽子爆弾を起爆させようとします。


 しかし、そこで第1話のみは巨大ロボはガイヤーに倒されますが、第2話以降はガイヤーと戦ってる間は善戦できるものの、そこで六神合体されてゴッドマーズが出てくると、即必殺技バンクシーンになって瞬殺されるという(笑)。ちなみに、ゴッドマーズと違ってガイヤーは結構動けますし、六神ロボもバラバラ状態だと結構動きます。ストーリー面の尺に余裕があってロボ戦闘シーンが長いときは、たいてい分離状態での戦闘が長くなります(笑)。


 また、序盤は実兄のマーグが「鳥よ……鳥よ……」とか言いながら小鳥を追いかけるなどして精神を患っている(←穏便表現)フリをしながら、秘かにタケルにテレパシーで情報を送っていたのですが、それがズール皇帝に見破られます。そして、ズール皇帝に洗脳され、地球侵攻部隊の隊長としてタケルを倒すように命令され敵として立ちはだかります。


 ただ、最初のときは洗脳が不完全だったのを完全に洗脳されたフリをしていて、タケルと戦いながら「父の名はイデア、母の名はアイーダ」とか言って実の両親の名前を伝えたり、六神ロボをコントロールするためのペンダントを渡したりしていました。


 それがバレて今度は完全に洗脳されてしまい、完全にタケルの敵になってしまいます。そこでタケルは苦悩するのですが、最後には洗脳が解けてめでたしめでたし……となろうとした瞬間に、タケルを守ろうとしてマーグは命を落としてしまいます。


 このとき「兄さんは俺のものだ!」とかタケルが叫んじゃったせいで、のちに腐女子と呼ばれるお姉さんたちが大興奮してしまったんですねえ。既にBL文化というのはアンダーグラウンドで勃興していた(というか既に『JUNE』とか創刊されたんで表に出てたのか?)んですが、いわゆる「薄い本」の格好のネタにされたという(笑)。


 当時のゴッドマーズ人気の背景には、そういうお姉さんたちも居たんですねえ。ただ、放送延長になった理由は玩具が売れたからだろうとは思うのですが(笑)。


 ……ここまでで、またタイムアップだよ! ストーリーが全体の三分の一にも行ってないし、ヒロインのこととか、クラッシャー隊のこととか、全然触れてないよ!! ってことで、その3に続きます(笑)。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る