第28話 機動戦士ガンダム その8 でもなんだかガンダムと違う編
さてさて、ガンダム語りも8回目。いよいよ連邦MS編です。っても、連邦MSは正直ジオンMSほど思い入れが無い(笑)。まあ、ちょぼちょぼやってキャラクター編やストーリー編に入りましょう。今回のサブタイトルはキッカたちがジャブローの工場でジムを見たときのセリフです。
まずはV作戦機の二番手、ガンキャノンから。つい最近、実はこいつこそ最初に主人公機としてデザインされていたという話を読みました。パワードスーツを意識していたんだと。なるほどと思いましたね。オリジン版で、肩のキャノン砲を左肩だけにして「旧式機」扱いになってましたが、あんな感じの主人公機だったのかなと。それで、玩具メーカー(たぶんクローバー)からダメ出しされてガンダムが主人公機になって、没くらったのを二番手に使ったと。
実際、あの顔は斬新ではありました。富野監督の次作『伝説巨人イデオン』ではガンダムの実績があったからか、どちらかというとスーパー系ですがガンキャノン顔の主人公ロボが通りましたし、三年後の『戦闘メカ ザブングル』では口元こそガンダムっぽさが残っていますがゴーグル目の主人公ロボが通り、四年後の『銀河漂流バイファム』では完全にパワードスーツ系の主人公ロボになっています。
設定上は、外見から重装甲ってことになっていますが、その割には脆い印象がありまして、グフのヒートロッドに苦戦してたなあというイメージが強く残ってます。もっとも、資料読むとドムのジャイアント・バズを受けて無傷だったってシーンもあるらしいんですが、覚えてないなあ。
あと、印象的だったのは、やはりオープニングの両手をついて肩のキャノン砲を連射するシーンでしょうか。
主にカイが乗って、特に終盤はそこそこ活躍してた印象があります。劇場版だと三機に増殖していて、量産とまではいかなくても複数機作られてることが作中で明らかになってもいます。まあ、第1話でパーツ状態で破壊されてるのがあったから、初っぱなから設定上複数機あるのは明らかにされてはいたんですが、実際動いてるのはまたイメージ違いますからね。あそこで機体番号108、109、203というマーキングが追加されていたのが、またリアリティを感じさせてくれました。
だけど、何気にシャア以外では数少ない全身派手な赤色のMSなんですよね(笑)。試作機だからってことで、そういう色使いになったと後付設定されてますけど。
さて、お次はV作戦のいらない子(笑)、ガンタンクです。こいつについてはいろいろツッコみどころが多いんで、つい「いらない子」とか書いちゃったんですが、実のところドラマ上の配役としては、前座のやられ役をきっちりこなしていました。つまり、マジンガーにおけるアフロダイAとかボスボロットの役割ですね。
装甲は同じはずなのに、キャタピラを破壊されて動けないとか、そういう印象が強く残ってたりします。
そして、ガンキャノンにも言えることではあるのですが、こいつ実弾装備のくせに装弾数がやたら多い(笑)。肩のキャノン砲の砲弾は、まだ胴体内に格納されてるんで多少弾数が多くてもよしとしましょう。あれ砲口径百二十ミリとザクマシンガンと同口径で、見た目のでかさと裏腹に砲弾はそんなにかさばってない可能性がありますし。口径は小さくても、砲身長が長くて初速を上げているので貫通力とか破壊力は高いんでしょう。
しかし、腕のボップミサイルはあんなにマシンガンみたいに連射してたら、すぐ弾切れにならんか? とは思っていたものです。だって、肘関節が曲がるところから考えても、装弾できるのが前腕部ぐらいしかなさそうだし。ガンダムってリアル志向なんで、そこらへんはツッコみどころなんですよね。
ガンダムのビームライフルとかハイパーバズーカはしょっちゅう弾切れ起こしてた印象がある分、何でガンタンクの方は弾切れにならないのかと(笑)。ガンキャノンの方はちゃんと作中で弾切れ起こして岩投げたりしてたのに(笑)。もっとも、この岩がデカすぎるんで微妙にスーパー系な感じが漂ったりしてるんですが(笑)。
あと、こいつだけ複座機だったんですけど、リュウ・ホセイの戦死後に単座に改造されました。ところが、そのとき残されたコクピットがコアブロックじゃなくて頭部のガラスキャノピーの方だという。オイオイ、どうして生存性が低い方のコクピットを残す!?(笑) ミノフスキー粒子下での視界確保とかの問題もあるかもしれないんですがガンダムとかみたいにカメラ積んで何とかしろよと。メインパイロットはハヤトなんですが、実は嫌われてるんじゃないかと(笑)。
まあ、ガンタンクについては、TV版だとバーニア噴射で宇宙飛んでたりするんですけど、さすがに無理がありすぎると思われたのか、劇場版だとガンキャノンに差し替えられて出番が無くなりました。いろいろな意味で不遇な機体だと言えるでしょう。
ただ、ガンタンクはデザイン面でMSVに多大な影響を与えていたということについて、面白い話を読んだことがあります。MSVの企画をしている人たちが話し合いをしていたとき、ガンダム、ガンキャノン、ガンタンクは本来はコアブロックを中心に上半身と下半身を交換できる玩具として想定されて、そういう設定になるはずだったという話になって次のような会話をしたんだそうですよ。
「ガンダムの上半身にガンタンクのキャタピラとか格好良くないか?」
「いや、それダサいでしょう!」
そしたら「ダサい」と言われた方の人が、翌週に「ザクタンク」のデザイン素案を出してきたんで、けなした方の人が「負けた」と思ったという話でした。実際、私もザクタンクは好きなMSVなんで「なるほどなあ」と感心しました。実現してたらどうだったんでしょうね、ガンダムタンク(笑)。
さて、上記V作戦機以外の連邦MSというと、GM(以下ジムと表記)とボールになります。このジムも、何気にザク並みにエポックメイキングな機体ではあります。味方ロボとして量産型がワラワラ出てくるというのは、こいつが初ですから。
しかも、こいつデザインライン的には、明確にガンダムの劣化版(笑)だったりします。胸元、肩や腕、足のあたりと、ガンダムから装飾を取り除いてシンプルになってる。あと、盾はまったく一緒なのにビームサーベルは片方に減ってる。そして、顔だけガンキャノン風のゴーグル目に換装されてて、角もついてない。
そう、これ旧ザクと同じで「引き算のデザイン」なんですよ。マジンガーとグレートや、ザクとグフみたいは「パワーアップのデザイン」の真逆。ただ、それが「量産効率」ということを感じさせて、リアリティにつながっているというところがジムのデザインの上手いところだと思います。
ただ、何で量産型のくせに基本は白で胸のポイントだけ赤というド派手な色使いなのかと(笑)。このあたり、連邦軍はなぜか主力量産機の色が微妙に派手という不思議な伝統をVガンダムあたりまで引きずってしまうんですよね(笑)。ジオンから編入の傍系量産機の方が地味なカラーリングしてるという。
こいつがTV版ではめっさ弱く、初登場時にシャア専用ズゴックにボコられたのとか、ビグザム相手に「化け物だー!」とかは、まだ相手が悪かったと言えるんですが、それ以外もやられている印象しか無いという(笑)。ただ、劇場版では一撃でリック・ドムを叩き切るなどの活躍場面が追加されて名誉挽回しています。
実のところ、現在の後付設定でいうと、性能面で言えば装甲が劣化してるのとメイン動力炉の出力が僅かに落ちてる以外のカタログスペックはガンダムと同等なはずなんですよね。現在では作中でボコボコやられてるのはパイロットの練度が低かったとか、初期量産型は不具合が多かったせいとか解説されてますが。
ああ、ボールまで行けなかった。次回はボールやその他のロボ以外の脇役メカについて語りたいと思います。
君は
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