第26話 機動戦士ガンダム その6 あれはいいものだ編

 えー、予定としてはジオン獣について熱く語るはずだったんですが、その前に応援コメントで叶良辰様から抜けを指摘されてしまいまして、急遽入りましたギャン語り編です(笑)……っていうか、マ・クベ先生のこと書いておいてどうしてギャンの事を忘れるのだ、自分!!(笑)


 ということで、今回のサブタイはギャンが撃破されたときのマ・クベ先生の今際いまわきわのお言葉です。画面に出てくるツボ(ビカビカと光る)が、どう見ても「いいもの」には思えないところがポイントです(笑)。


 さて、このギャンですが、TV版のみの登場です。何といってもポイントは、マ・クベ先生の「ギャンは私用に開発していただいたモビルスーツだ」というセリフでしょう。シャアの副官のマリガンも「ご自分用のモビルスーツを開発させて」みたいなことを言っていました。プラモの箱にも麗々しく「マ・クベ専用」って書いてありましたし。


 つまり、正に専用機! シャアの色違いとはワケが違う、完全ワンオフ品です。性能の方も圧倒的。あの既にニュータイプとして覚醒しているアムロを相手に、どう考えても実戦派に見えないマ・クベ先生(ガンダムにギャンで挑むということを知ったシャアに「マ・クベにそんな所があったとはな」と言われたほか、敗死後にも「それ見たことか。付け焼刃に何ができるというか」とか呆れられてるんで、作中でも似た認識でいいはず)が互角に格闘戦を展開できるという高性能機ですよ!


 いやまあ、スーパー系だったら敵側幹部の専用機なんてごく普通(というか、出てくるの全部ワンオフ機)なんですけど、ガンダムの世界観ではさすがに無理があると思われたのか、後年MSVなどでは、ゲルググと競争試作して敗れた機体という後付設定になっています。


 ただ、そう考えると今度は装備が絶対におかしい(笑)。だって、ビームサーベルはともかく、ほかの武器が盾に仕込んだミサイルと機雷って、どう考えても量産兵器としておかしいでしょう(笑)。


 特に盾に爆発物を仕込んでるのは、総ツッコミが入ってます。それも、後年の『Z』以降のMSみたいに、盾の裏にグレネードやミサイル積んでるのならまだしも、表側から発射するという(笑)。だから、あれは盾じゃなくてウェポンコンテナだ、みたいに書いてあった二次資料も読んだ覚えがあります。まあ、実のところウェポンコンテナがメインで発射後は中空装甲スペースドアーマーの盾としても使えるって設計思想なのかもしれませんが。


 だから、これはTV版でのセリフ通りに、マ・クベ先生専用に開発されたと考える方が正しいんじゃないでしょうか(笑)。仮に競争試作機だったとしても、あの武装については量産機用ではなくて、マ・クベ専用に開発されたと考えるべきじゃないかと。つまり、量産機の方はゲルググと同じビームライフルやシールドを装備する予定で開発してたんじゃないかなとか思ったり。


 ところが、もしゲルググじゃなくてギャンが正式採用されたらというIF展開が楽しめるシミュレーションゲーム『ギレンの野望』だと、量産型もあの武装で量産されちゃうんですよね(笑)。まず盾をかざしてミサイル撃ってから切りかかる量産型ギャンというシュールな光景が随所に展開されるという(笑)。なお、量産型のバリエーションとしてギャンキャノンなんて一見イロモノにしか見えないのも開発されるんですが、これが意外にも非常に高性能だったり。バックパックにビームキャノンを積んだ支援機のくせに、ギャン直系の格闘性能の高さも持っているので万能機に化けたという(笑)。


 ということで、ゲームとかでも格闘性能は高いという扱いになっています。もっとも『ギレンの野望』だとマ・クベ先生も何気に格闘能力が高めの設定だったりしますが(笑)。


 ただ、後付設定でも武器の面がネックになって、空間戦闘能力は低めだから競争試作に敗れたという設定になっている場合があります。もっとも、これも後付設定の解釈によって違っていて、量産性の問題で競争試作に敗れたので空間戦闘能力もゲルググ並みに高いという設定になっていることもあります。このあたりの不統一性が、二次創作で設定がガンガン膨らんでいったガンダムの面白さですね。


 外見は、完全に西洋の騎士風ですね。ドムは胸元とかが和風の鎧っぽいので好対照です。見た目はゲルググよりカッコ良いなあと昔から思ってました。


 なお、漫画『ジ・オリジン』では何とオデッサ作戦に登場して、マ・クベ先生(オリジンでは中将)の愛機としてガンダムではなく連邦の量産機を相手に無双するという大活躍!(笑)


 最後も「このギャンはいいMSだが、ほかの者には使わせるな」みたいなことを言った上で、敵に撃破されるのではなく、部下の撤退を援護するため自ら海中に没する形で、連邦軍艦隊を道連れに自爆するという、めっさカッコ良い死に様になっています。イメージ全然違うよ、オイ!!(笑)


 さてさて、ギャンだけで結構文字数使っちゃいましたよ。ジオン獣についても語らないと(笑)。


 まずはグラブロですかね。水中専用MA。それだけで使い勝手が悪いことが分かります。宇宙用なら相手もずっと宇宙に居ますが、海だったら海上に逃げられる。海中じゃあガンダムを一時圧倒したんですが、それ止まりでした。ただ、アッザムの次に出てきたやつで、アッザムは移動砲台的な外見だったことから、怪獣っぽいメカとしてはこいつが初出なんで印象に残っています。


 お次はビグロ。こいつはガンダムと戦わなかった劇場版でも複数機が画面に出てくるので少数機が量産されたという設定になっています。設計思想的にはジオン獣の中では比較的マトモで、大型火器を積んだ重武装の高速一撃離脱戦用機になっています。一応格闘戦用にクローアームも積んでいる感じですね。


 怪獣的な外見はしていますが、よく考えてみるとアーム付きの宇宙用作業ポッドに武器を積んだと考えると、デザイン的にはボールと同系統だったりします(笑)。つまり、推進エンジンと武装を超強力にした超豪華なボールなんじゃないかと、今思いつきました(笑)。安く大量に量産しようとした連邦と、高性能少数機にしたジオンの設計思想の差……というか、たくさん作る国力が無いから少数精鋭の設計にするしか無かったのかなとか思ったり。こういう後付解釈ができるのがガンダムの面白い所なんですよねえ(笑)。


 そして、お待たせしました、ジオン獣の中のジオン獣、ザクレロ先生の登場です! こいつについては、再放送の頃からツッコミの嵐でした。何しろ外見からして怪獣的すぎる(笑)。カメラアイがモノアイじゃなくて複眼ですよ。ビーム砲積んでる口も何で牙が生えているのかと。しかも、腕部は鎌。作業用マニピュレーターとして絶対に使えません。


 こいつについては、TV版の作中で既に「試作モビルアーマー」「実用テスト前に放棄された」みたいに言われていて、初期設定からして失敗作扱いです(笑)。実際、作中でも宇宙でガンタンクを圧倒という微妙な戦果(笑)とガンダムの腕を斬るぐらいしか見せ場はなかったという。


 初期の二次資料だとMA-04って型式番号があったんですが、MSVで「形式番号なし」にされ、その後「MA-04X」が付番されるという変遷があります。


 ただ、この怪獣的外見から「ガンダムはスーパーロボット」派には意外に人気が高く、またネタとして使うには最適なこともあって、パロディとかでは出番が多かったりもします。まあ、出オチなことも多いんですけど(笑)。


 あと、前に書いた『GNO』だと、登場時期が早いMAなんで、戦線に投入すると意外に活躍してくれたりします。プレイ当時はゲーム中のチャットで「ザクレロが量産の暁には」なんてギャグ言ってたなあ(笑)。


 そういえば、OVA『第08MS小隊』のオマケ映像でも、投入時期によってはザクレロが量産されて大活躍したかもしれない、みたいなのがあったような記憶が(笑)。


 ああ、また三千字超えてしまった。ジオン獣編、まだまだ続きますよ。


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