第15話 大鉄人17(1977年)
今回のお題は大鉄人
ほぼ唯一の石森(石ノ森)章太郎原作巨大ロボです。いや、キングダークとかジャイアントデビルとか敵役ならそこそこ居ますけど。あと、マシンマンのマシンドルフィンとか、玩具だけロボに変形します(笑)。玩具だけロボ変形とか『スペースコブラ』のサイコロイドなんてのもいたな。閑話休題。
ロボのデザインとしては、やはり永井豪系からは少し外れていて、特徴的なのは目がカラフルな市松模様であること。オールドスタイルなコンピューターっぽい感じです。
その一方でコンバトラーから始まった最新の角柱デザインは踏襲していて、非常に四角い感じがするロボになっています。Wikiによると、基本デザインは石森章太郎で、それに「超合金の生みの親」
正直、リアルタイムで放送してた頃は、あまりカッコ良いデザインとは思えませんでした。だから見てなかったんだと思います。その一方で、友達が持っていた玩具のできは非常によく、ほぼ設定通りのプロポーションで完全変形していました。Wikiによると玩具は超合金で最多販売数を誇るとか。
必殺武器は腹が開いて発射するグラビトン。何と重力子攻撃ですよ。まあ、当たった相手が爆発するだけなんで、どこが重力なのかはサッパリわかりませんが(笑)……って書いてたら、「なろう」の方で「重力で潰れる様子が結構丁寧に描写されてますよ」ってツッコみが入りました。ぬう、不覚ッ!(笑) ……大人オタになってから見たのに、そんな丁寧に描写してるって印象が残ってないんですよねえ。
基本的な変形パターンは、ロボ形態の戦闘17から、手を腹にしまいながら上半身を折って、足を折りたたんで四角くなって要塞17。三段変形とか四段変形なんて言われていますが、実のところ飛行17って要塞17の羽が開いただけ。戦闘飛行17もロボ形態で羽が開いただけなので、実質的には二段変形です。
この時代にしては珍しく、乗り込み操縦型ではなく、自分の意志で動くロボです。ただし、最終回間際に操縦席が作られ、主人公が一時的に操縦することになります。これは、ラスボスの巨大人工頭脳ブレインには周囲のコンピューターをコントロールする能力があるので、それを突破するためという設定でした。
設定的にはジャイアントロボの焼き直しっぽいなあと、二次資料で読んだときには思っていました。ただ、ストーリーラインは結構ハードです。また、『OUT』や『怪獣VOW』でも「悪の組織が数ある中でブレイン党は(比較的)合理的な作戦をとる」みたいな評がされており、ストーリーは結構頑張っている印象がありました。その点は、実際に視聴してみて「確かに」と納得がいくものがありましたが、逆に当時としては頑張りすぎていて(笑)、それで視聴率が伸びなかったようです。
……玩具売れてるんだから、今だったら視聴率気にしないんじゃないかって気もしますね。
ストーリー的にもデザイン的にも面白いのは、17の弟ロボとなる
ただ、17と18って兄弟って設定のくせに全然似てないんですよ。何でだろうとずっと疑問に思ってたんですが、Wiki読んだら18って17の没デザインだったみたいですね。なるほどバルキー星人(笑)。
最初は敵として現れ、洗脳回路を外されてからは味方になり、最後は17をかばって爆死。ある意味兄弟キャラやライバルキャラの王道を行くロボでした。なあ、ブラックオックス(太陽の使者版)、トップガンダー?
あと、特徴的なのはラスボスのブレインですね。地球環境保全のために作られた巨大コンピューターですが、そのためにはじき出した計算結果は「地球環境保全の最大の阻害要因は人類」という、ある意味非常に正しいもの(笑)。それで人類殲滅のために反逆したという。
製作者たちは、こういう反応しないようにセイフティかけてなかったのか、とツッコみたくなる所ですが、製作者のひとりであるハスラー教授が裏切っていたので、元はあったセイフティを外してしまった可能性はあります。
ただ、このハスラー教授ってのが、めちゃくちゃうさんくさいキャラ(笑)。「オー、ミスターブレイン!」とか、えらくハイテンションでエキセントリックなしゃべり方するし、どう考えても頭悪いタイプなんですよね。ブレインを自分のものにしようとして後先考えずにセイフティ外しちゃったんじゃないかとか、そんな風に思えるキャラでした。で、実際にブレインが自立すると、あっさりと手下扱いにされてしまうという(笑)。
このブレイン、話し方も全然コンピューターっぽくないんですよ。普通に渋いおっさん声で「私のことはミスターブレインと呼びたまえ、ハスラー君」とか言っちゃって、めっさカッコ良いラスボス感が漂っています。
また、実際コンピューターとして合理的な計算をするので、無駄に感情的になったりしないので、敵側の指揮官とか捕らえても、情報を聞きだそうとか、人質にしようとか考えず「すぐ殺せ」とか命令するあたり、凡百の悪の親玉に比べて冷徹非情かつ合理的感がすごくあります。
先に書いたように、自分なりの正義(行動基準)が明確であることも含めて、悪ボスとして実に魅力的な存在でした。
なもので、後年キムタク主演の医療ドラマのタイトルが『
途中で、ハード路線からソフト路線に変更になって、17も自分でしゃべるようになったりと、作劇に多少のブレはありますが、基本的に名作と言っていい特撮巨大ロボ作品と言えるでしょう。
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