第14話 惑星ロボ ダンガードA(1977-78年)

 松本零士原作の唯一の巨大ロボットアニメ、ダンガードエースの登場です。これはリアルタイムで見ていたほか、再放送も見ています。逆に、私が遊んでいた頃のスパロボには登場していないし、現在でも未参戦とのことですので、本作に対するイメージは完全に幼少期の記憶と、ケイブンシャの大百科など、後年になって読んだ二次資料が元になっています。


 マジンガーから、この前年のグロイザーXに至るまで、巨大ロボットアニメの草創期における永井豪またはダイナミックプロの存在感は非常に大きなものがありました。しかし、それが終わり、この年前後から玩具メーカー主体の企画が増え、そして日本サンライズという制作会社が巨大ロボアニメを牽引するようになるという時代の変わり目に、たったひとつ咲く松本零士原作のロボットアニメ。それがダンガードAです。


 松本零士といえば宇宙ロマン、ということで本作は「惑星ロボ」と銘打たれ、中盤以降は宇宙が舞台となります。とはいえ、目的地は太陽系第十番惑星プロメテ。太陽系内の話になります。それでも、作中では地球圏で話が完結している(人類も木星あたりまでしか進出していない)ガンダムよりは遠くまで行きます(笑)。


 宇宙のスケール感を出したかったためか、主役ロボのダンガードAは身長二百メートルという巨体を誇ります。これ以降にも、これより巨大な主役ロボは数体しかいません。しかも、そのうち初期設定では身長二百六十五メートルとされたゴッドシグマは、身長五十メートル級のロボが三体合体、しかも一体が上半身で残り二体が両脚になる合体ということで明確に数値がおかしいというツッコみが入り、放送後に六十六メートル前後に修正されているので、マクロスの千二百メートルの下では、設定身長が明確でないトランスフォーマーの一部(メトロフレックスが八百メートルとする説がある)を除いてこれが最大級のロボになります。


 なお、後年になって「ダンガードAのコクピットはヤマトの第一艦橋より大きい」というツッコみが入りましたが同スケールで設定画を重ねると確かにそうなります(笑)。ただ、これにはひとつヤマト側でイメージ優先の設定を行ったための誤解要素もあります。実はヤマトの第一艦橋は内部の描写と設定サイズに矛盾があり、作中で描かれている内部サイズだと外観は一回り大きくしないといけないのだそうです。しかし、大元の戦艦大和のサイズに合わせるために、ヤマトの全長を二百五十六メートルに抑えたので、外観と内部構造のサイズに矛盾が発生したんだそうです。このためか、リメイク作の『宇宙戦艦ヤマト2199』ではヤマトの全長が三百三十三メートルに拡大されて矛盾を解消しています。


 ロボのデザインとしては、その顔面における唇の存在感の強さがアニパロ雑誌『OUT』でディスられていましたが、それを読んでも「そんなに強烈な唇だったかな?」程度にしか思いませんでした。逆に言うと前回書いた「ダイアポロンはダサい」の方には共感してたんで、ダイアポロンについては自分でもそう思ってたということでしょう(笑)。


 ダンガードの頃になると、玩具の制作技術も向上してきており、アニメ版に遜色のないプロポーションで大型超合金になっています。これは買って貰えたんで遊び倒したなあ。コクピットになる小型機が変形しないとか、ロボ形態でも翼が無くならないとか、サテライザー(飛行メカ)形態で腕が余るとか、サテライザー形態の着陸脚ランディングギアがアニメ版と違うとか、胸のパルサーカノン発射口に着陸脚ランディングギアがついてるとか、コクピットの変形と着陸脚ランディングギア以外は後年の超合金魂でも再現できてない部分なんで、当時の玩具としては非常に良いできだったと思います。


 必殺武器は上記の胸を開いてのパルサーカノン。あと、テレポーテーションパンチと称して腕が飛びますが、この腕「光が集まって腕を形成している」みたいな設定だったような。足の飾りを外して接続しナギナタ状にして使用する武器もありました。


 特徴としては、やたらと変形が難しいこと。いや、玩具での変形じゃないです。作中で、とにかく変形のための特訓をしてたことを覚えています。そのためか、第十二話まで主役ロボが登場しないんです。このため「主役ロボの登場が遅いロボットアニメ」では常に話題に上るんですが、実の所リアルタイムで見てた頃はあまり気にしてませんでした。


 Wikiで読んで見ると、この特訓で猛烈なしごきをしてたせいで教官役の仮面の男、キャプテン・ダンは非常に子供受けが悪く、そのせいで本来は最後まで登場するはずが途中で戦死することになったんだとか。


 ただ、そういうストーリー展開になった関係で、キャプテン・ダンの戦死と、その前後で明かされる、実はキャプテン・ダンこそ行方不明だった一文字いちもんじ断鉄だんてつ、すなわち主人公一文字タクマの父親だったという事実は作品中盤のクライマックスとして大いにストーリーを盛り上げたものです。


 ただ、この経緯をWikiで読んで不思議に思ったんですよね。私、リアルタイムで見てて、正体がバレる前から「ああ、このおっちゃんタクマの父親なんだろうな」って思ってましたから。いろいろ伏線とか張ってるんで、普通なら分かるというか、読めるだろうと。名前からしてバレバレだし(笑)。


 なもんで、キャプテン・ダンの特訓見てても、それこそ『巨人の星』とか『ウルトラマンレオ』と一緒で、愛情のある特訓だなと思ってたから別にキャプテン・ダンに悪印象とか特に無かったんですよ。当時まだ未就学児でしたが、そのくらいは読めたんですけど、もしかして同年代の子供だと気付いてなかった人の方が多かったのかな?


 そういえば、Wiki見るまではダンガードって複数パイロット制だったことをコロッと忘れてたんですが、サブパイロットの印象がめっさ薄いんでしょうがないかと(笑)。


 ということで、ダンガードというとストーリー面ではキャプテン・ダンのことしか覚えてません。トニー・ハーケンみたいな美形ライバルもいたはずなのに、記憶が薄い(笑)。それ以外ではヤマトの佐渡酒蔵が同姓同名で出演してましたけど、その頃はまだヤマト大して見てないし(笑)。


 だから、自作『ブレバティ』でも「父親戦死→仮面つけて再登場」の展開をパクりました。いや、だって『マッハGoGoGo』の覆面レーサーとか、『ガッチャマン』のレッドインパルスとか、同じネタのひと結構いるし(笑)。もっとも、自作では一目でバレて主人公にぶん殴られるって展開にしましたが(笑)。


 ジーグといい、ダンガードといい、終盤の記憶が薄いんで、もしかしたら途中で見るのをやめてた可能性もありますね。子供の頃なんてそんなモンかもしれません。

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