第2話 宇宙円盤大戦争(1975年)

 第2話にして、いきなり超マイナー作品になりましたが(笑)、これは第1話の補遺になるのでしょうがないのです。当然ながらリアルタイムで見たことはないのですが、成人後にCS放送で見ました。一昔前なら見ることができなかったような古い作品を見られるようになったのだから、ありがたいことです。なお、本話からタイトルに初出年も入れるようにいたしました。それに伴い第1話のタイトルにも初出放送年を追記してあります。


 『宇宙円盤大戦争』は1975年の『東映まんがまつり』で公開された劇場版オンリーのロボットアニメで、グレンダイザーのプロトタイプになります。


 主人公はデューク・フリード/宇門大介で、敵がベガ星、円盤と合体するロボで戦うなど、設定的にはほとんど同じです。しかも、主題歌はのちに一部の歌詞を変えてグレンダイザーのエンディングテーマに流用されています。


 この作品を知ったのは、今は亡きケイブンシャの『全アニメ大百科』を読んだときです。主人公の名前やあらすじなどから「グレンダイザーに似てるなあ」と思って印象に残ったのです。オタクになったあとで、グレンダイザーの原型と知って「さもありなん」と思いました。それで興味を持っていたので、CS放送で見られると知ったときに録画して見てみたのです。


 劇場版といっても上映時間は三十分ほどで、ほぼテレビアニメ一話分でしかありません。ストーリー的には、主人公デュークと、その婚約者でベガ星大王の娘の王女との悲恋になります。つまり、ロミオとジュリエット。実は同じモチーフの『闘将ダイモス』(1978-79年)より先行していたんですね。この話は、のちにグレンダイザーにも流用されます。


 設定的にはほぼ流用なのですが、宇宙円盤大戦争とグレンダイザーには決定的な違いがあります。それは主役メカ。宇宙円盤大戦争の主役メカは『ガッタイガー』といいます。


 この名前の時点で、既にダサ感が漂い始めております。のちに同名のスーパーカーアニメ『超スーパーカー ガッタイガー』(1978-79年)も作られておりますが、正直言ってカッコよくない。余談ですが、今しがた調べるまで、ハカイダー四人衆の合体したのもガッタイガーだと思ってましたが、あれガッタイーだったんですね……。


 そして、それはデザイン面にも言えます。円盤形態も、ロボ形態もダサいんです。ことルックスのよさについて言えば、マジンガー要素を入れて再デザインされたグレンダイザーの方に軍配が上がります。マーチャンダイジングの面から考えると、リメイクされたのは必然と言えるでしょう。


 さらに、劇場版ということか、ロボ形態と円盤形態だと、円盤形態の方がメインに扱われています。ガッタイガーという名称も円盤形態時のもので、ロボはロボイザーという名前になります。さらに必殺武器のニードルシャワー(主題歌に歌われているほか、フィニッシュにも使われる)は円盤形態で発射されます。これはロボットアニメとしては珍しい類型ですね。


 このあたり、空飛ぶ円盤ブームに乗って作られた作品ということが明確に現れているように思えます。


 グレンダイザーとの違いで言うと、主人公の声優も違います。ささきいさお氏なんです。ささきいさお氏はアニソン歌手として有名ですが、本作以前に『ガッチャマン』のコンドルのジョーを演じており、声優としても活躍されています。何で変わったんだろうと不思議に思っていたのですが、Wikiによるとささきいさお氏が多忙だったためとの記載があって、納得しました。


 グレンダイザーでは故・富山敬氏が演じていたので、富山氏がお亡くなりになったあとのスパロボではデューク・フリードをささきいさお氏に演じてもらってもいいんじゃないかな、とか思っていたのですが残念ながらそうはなりませんでした。それやるとロボもグレンダイザーとガッタイガーの選択になりそうだからでしょうか(笑)。


 ということで、まずスパロボにも出てこないような超マイナー作品になりますが、グレンダイザーのプロトタイプということで、私としては無視できない作品なのでご紹介いたしました。

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