第三話 新しい世界観
ここで話を戻す。さっきまではルリアの為に太陽などの説明をしていたが次は俺の質問にルリアが答える番だ。
「――――――なぁルリア。 俺の質問に答えてくれるか?」
◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇
ルリアは大体俺の質問に答えてくれた。
まず、ルリアは母になにかしらの理由で追いかけられてて咄嗟に脱出用の転移魔方陣……? を召喚したところ1880万光年先の俺の部屋に飛んでしまったそうだ。いやなんでだよ。たぶん親に怒られてたんだろうけどそこでなぜ転移魔方陣を召喚しちゃうの? おかしいだろ!
そしてルリアの存在だが、人間ではない幻獣さんなのになぜ人型なのかと聞いたところルリアの元居た場所、魔界では普通のことらしい。今まで疑問に思ったこともないだとか。
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『ジリリリリリリリリリ!!』
「うわっ!」
トウマは一人して肩をビクつかせる。
……おもっきし目覚まし時計の存在を忘れていた。毎日朝7時に鳴るようにセットしていた為、いつも通り起動したようだ。
「…ん? あぁ……」
どうやら色々話してた結果眠くなってしまい、そのまま雑魚寝してしまっていたようだ。俺だけ。
「……ルリア、なにしてんだ」
トウマは寝てしまっていたが、ルリアはなにをしていたかというと。
「んっ……あ、ぃひん……ッ!」
――――――。
「……んあっ……ぅ!」
「や、ヤメロォォォォォォ!!!!」
ルリアが自慰行為してるように見えたんだけど。これは幻覚か? あっれれー。
ルリアは自分の指をアンナトコに……。正直〇〇〇ーしてるように見えた。なにやってんだと、俺は静止の声を掛けたが一向にやめる気配がない。おいるりあやめ、
バシーン!!!!!
「がはっ!?」
一瞬何が起きたか、全くわからなかった。
さっきまでアハ~ンな事をしていたルリアが俺の目の前に立って片手にハリセンを持ち、怒こった容姿をしているのである。
「キモい」
「いやあの、え?」
貴様の顔をみるかぎり、私があんなことやこんなことをしている夢を見ていたのか? こんな小さな体に欲情するような夢を見るとかオワってんな。と、言われた。ていうか部屋の片隅に置いていたハリセンが勝手に取られていた。
「ここの人間にも幻術が効くかどうか試しただけだ。 念には念をだな。ちなみに幻術の内容は特に決めていない」
「つまり俺は勝手にエロ夢みてただけなのね。すんません」
にしてもちょっと展開早いぞ作者眠たいの? ちゃんと状況説明していこうね。
そう、今の状況を軽く説明すると『魔方陣書いたら幼女が召喚されて1880万光年先の世界について話されて、気づいたら寝ちゃってて……俺の目の前で幼女が自慰行為していると思ったら俺が幻術見ていただけだった』という。もうこれわかんねえな! てか今思ったけど寝てたの幻術のせいでは? 幻術すげえ!
「とりあえずもう登校時間だ、俺は学生だし学校行かないと……」
「この世界にも学校があるのか。ちなみに魔界での人間は学校に行かせてもらえず奴隷みたいな仕事をしていた」
辛辣なんだな、魔界人類頑張れ。もう俺は魔界に関してある程度のことでは動じない。
とりあえず学校指定の制服に着替え始める、が。
「そういやルリアどうすんの? 魔界に帰んないの?」
危うくコイツ(ルリア)の存在を忘れて、家に幼女連れ込んでると母さんに勘違いされ家族会議が行われるところだった。早いとこ魔界に帰ってもらわないと。
「帰りたくない」
「帰れ」
「いやだ」
「実は帰れないとか」
「ふぁっ!? なんで知って?!」
そうか、帰れないのか。
コイツはマジで俺を困らせるためだけにここに来たんじゃないかと思うくらいエグイ存在だな。まるで神様のいたずらに遭遇してるような感覚だ。どんな感覚だよ。
そしてルリアは頭についてるサイドテールをいじりながら口をひらく。
「じ、実は転移魔方陣で全部魔力使っちゃって……。ここは魔素がないから魔力回復できない、つまり帰れない」
また新しい単語がきた。『魔素』だってさ、よく漫画ラノベでみる、あの『魔素』なのだろうか。
「その魔素がないから魔界に帰れない? 知るか帰れロリ!」
「ひどいよぉ……。え、えっちなお願いも聞くからここに置いてぇ、居させてぇ……」
「すげえキャラ変わったな、お願いモードに入んなし。あと俺はロリコンじゃないからえっちなお願いもしません」
目をウルウルさせながらこっち見んな。
うっ、頭が痛い。
「てか俺もう学校なんだけど遅刻とかやばいって! はよ俺を開放してくれ!」
「いやぁぁぁだぁぁぁぁぁぁ」
「離せぇぇぇぇぇぇ」
必死に抱きついて俺を離さないルリアさん。そろそろ八時を迎え、登校時間が終わりを迎える。
学校に行くためにも必死に抵抗していたら嫌な感覚に襲われた。ドアの向こうから聞こえる階段が軋む音。それは破滅へのメロディーとも言えるだろう……。くっさ。そしてその正体は母さんである、もう大体この足音で怒っていると察してしまった。
ドアまで母さんがたどり着き、ドアを開くと。そこには――――――
「……あら。 もう学校に行ったのかしら」
――――――なにもなかった。
部屋には丁寧に片づけられた家具があるだけ、他になにもない。あ、ハリセン落ちてる。
もう学校に行っていると悟った母さんは静かにドアを閉め帰っていった。
俺たち、ルリアと俺は一呼吸すると顔を見合わせ目と目で通じ合おうとする。
「……おまえは一体なにをしたんだ」
「貴様の母さん怖いから少し空間転移しただけだ」
「……一々やることが超越しすぎだ怖いんだよマジで。もうビックリしなくなったわ」
「貴様からしたら初めての体験かもしれんが母に怒られると色々めんどくさいだろう?」
「そこは同情してくれんのね。そして怒られる原因はお前にあることを忘れんなよ?」
空間転移という意味わからんチートをした直後、玄関の外でこんな会話をした人類はきっと俺が初めてだろう。
ああ、もちろん嬉しくない。魔方陣怖すぎ。
――――――そんなことを思うトウマであった。
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