後悔

あの時、と…

思い返す度に滲む感情

振り返る度に募る苦悩を

名付けるのならば

後悔と呼ぶべきだろうか


きみが最後に求めた救いを

与えられなかった僕の胸に過る

深く重く澱む記憶


打ち寄せる悔恨の波に

打たれ打たれて崩れる正義は

なけなしの言い訳を砕き

鮮やかな一瞬に切り取られた

きみの瞳の絶望を炙り出す


あの時、確かにきみは

僕を信じきって疑いもしない

美しい眼差しを向けていた


何故、応えられなかったのだろう

最初で最後のきみの信頼を

みすみす掴み損ねた僕は

ただの臆病な卑怯者に

成り下がって逃げ出した


あの、時…───

きみが望んだままに

その細い頸に指を絡め

ありったけの想いを込めていれば

僕はきみの英雄になれただろうか


きみだけの救世主になれただろうか





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