ヒアリのkuni

@patton

第1話

 ここ数年、このkuniには大量のヒアリが発生している。ヒアリ?海外からの貨物船に紛れ込む、あの害虫の事ではない。何処から大量に売られてきた有色人種の事である。


とある首都圏から20キロほどのところにあるワンルーム。ここに突然、黒々とした180㎝を超えるヒアリが乗り込んできた。携帯電話で、どうやら自分の居場所の日本語の地名をたどたどしく大声で連呼している。後の日常会話はラテン語ようである。驚いた隣室の男は耳をそばだてる。


 黒人と言えば英語と思うがラテン語なのである。数百年前には世界の海を制覇し、南米やアフリカで悪逆の限りを尽くしたスペインやポルトガルのなごりが今突然、隣室の男に降りかかって来たのである。


安普請のワンルーム、薄壁一枚を隔てて大声でがなり立てるこのヒアリ。観察していると昼間は寝ていて夜になると何度も部屋を出入りして活発に動いている。夜陰に紛れる為かゴキブリと同質の為なのか、とにかくそうなのである。


 毎晩ケタタマシク動き回るヒアリにたまりかねた隣室の男は管理会社に苦情を申し入れた。聞くところによると建築系の人材派遣会社が部屋を借り、このヒアリを飼っているのだそうだ。しかしもう一度繰り返す。このヒアリ、昼間は寝ていて夜は毎日、22時から翌朝5時くらいまでずうーっと電話をかけ続けているのである。隣室の男は「そうか!?ヒアリは人買いをしているのだ」


 ある日、ヒアリが脱走したらしい。1日に3度、ヒアリを管理している中高年の男二人が部屋の扉をガンガン叩き、同時にチャイムをケタタマシク鳴らし続け、ドアのぶをバシャバシャと押し引きしながら言う

「ちくしょー。あの野郎どこへ行きやがった」強引にドアを開けようとする騒がしさに隣室の男は受信料の徴収人かと思ったが、直ぐにそれが所謂カタギの人間ではない事が分かった。


人材紹介会社など大手、中小を問わずろくなものではない。要は人買いである。日本人がこの国で仕事がなくなってから20年になる。それでいて大量のヒアリを時に留学生の名目で買い込んでいる。


 文化の違いは恐ろしい。ヒアリは真っ黒なくせに太陽光は苦手らしい。いつも分厚い遮光カーテンを閉めっぱなしにしている。ヒアリは冷房が苦手らしい。だからクーラーは付けない。湿気の多い不衛生な暑さこそお気に入りなのだ。泥水から湧いてきたのだから、さもありなん。ヒアリは寒さがことごとくにがてらしい。皿とスプーンだけ持って何か乾いた音の餌を常食にしている。それ以外は食べない。故郷の泥水にはそれ以外ないからだ。


 何よりも我慢できないのは、その発する臭いである。悪臭である。階段を登って近づいて来ているのは風向きによってすぐわかる。寝袋と乾いた餌だけを持って毎晩、耳障りなラテン語で話続けるヒアリ。辟易した隣室の男はモチロン、引っ越して行った。このkuniに明日はない。

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