せっかくだから『純文学の基準』について考える2

 お疲れ様です、幽冥牢ゆめろうです。

 今回は

『あっ、純文学の基準としてこういうのがあるじゃんよ』

というものが非常に身近にあったので

『それをお知らせしちまえ』

という事で書いてみます。なので、あまり長くならない気がしますが、そういう回なんだ、という事でひとつ。

 あのー、前期のアニメで『伊藤〇二『コレクション』』という作品があったのですが、ご覧になられた方はおられるでしょうか? あのファッションモデルさんをかなりマイルドに描写してくれたから直視出来るアニメです。

『ああ、ファッションモデルさんねwww』

などとせせら笑っている方は是非原作の彼女のご尊顔を存分に拝まれたしです。

 原作では私、相当にビビりましたよ。

『うおっ! 何じゃあ、こりゃあ!!><』(『太〇にほえろ!』の由緒正しい松田〇作風の発音で)

と思いましたもん。

『私、ナイトメア見ましたわ』

って感じですよ。『ト〇ック』の矢〇刑事を笑えませんでしたよ。

 さておき、あれで伊藤〇二作品の洗礼を受けた方もおられましょう。短編ホラー(結末投げっぱなしは制作スタンスの様です)の名手である伊藤先生が、何と太〇治の『人間失〇』のコミカライズをされておられるのです。

 原作小説のテイストを活かしつつ、主人公・葉蔵が関係して、もしくは本人も図らずに発生してしまう惨劇のシーンはさすがのホラー作家のお手並みを拝見出来る一作です。

 2巻まで発売されているのですが、おかげで割とお手軽に純文学の基準の一つを学べるのではないかと思った次第。

 現状、『人間失〇』から見て取れた、純文学の主人公の方向性を箇条書きにしてみますか。こんな感じです。

・旧家、もしくは名家、もしくは最低でも家において普通に食わせてくれる立場ながら、適当に雰囲気を読んで場に馴染むとかが苦手で、逃げたい、家から離れたい、と密かに思っている(まるで大〇ドラマに出演している時の柳〇慎吾大先生の配役の様だ)。

・学校ならOKかというと更にそんな事はなく、本人なりの方法で周囲と距離を置いている。つまり集団生活も苦手。

・閉じた家庭環境と時代にありがちだが、女性関係が荒くなるのが年齢的に早く、しかし身籠らせてしまったりして、その女達は主人公の家が処分してしまう(大体ひどい結末に追いやられる)。

・主人公は進学するが、責任ある立場になるのも苦手なので、社会的に認められる立場になるかというとそうでもない。ボンボンなら家から仕送りがあって食える。

・家から出た事で女性関係に溺れるのも容易になるものの、父親になれる人間性があるかというとそうでもないので、女性達が自滅して行く。


 知らなかったぜ、『〇の国から』は純文学だったんだ! 黒〇純のドラマだからか純文学って謎の説得力まであるしこりゃ一体どういう事なんだ!?

……失礼、取り乱しました。でもマジかよ……小さい頃好きだったんだぜ、『〇の国から』……勝手な気付きかもしれませんが、純文学というオチまで付いてしまうなんて……!(狼狽から額を滝の様に流れる汗だが、本気で本日初めて気付いた)

 さて、ここまで読まれて、何か昨今の異世界ものの作品の主人公や、世相との共通点を感じませんか?

・肩書きに疲れたくない。

・しかし、いい事には割と渇望している(端的に言えば、お金、生活・将来の安定など)。

・そういうものを夢見つつも、複雑な社会において、頑張りどころがイマイチ見出せないので、しんどい思いをしている。


 書き出してみて気付いた仮説なんですが、乱暴かもですけれど、まさかの共通点を一応書き出してみましょう。誤解を恐れずにね。


『実は、『純文学の主人公=異世界ものの主人公』だったんだよ!』(『M〇R』のキ〇ヤシ風に)


 意外な展開にびっくりされておられる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 私も今回書き出したはいいけれど、こういう仮説が出るとは思ってもみませんでした。

『伊藤潤二先生の『人間失〇』、読んでみると、純文学の主人公が、描きやすくなるかもしれんでぇ☆(ゝω・)vキャピ』

って話をして終わると思っていたしね!


 という訳で、今回の話を読むと、

『純文学って、そのジャンルの主人公って、どう描けばええんよ?』

という悩みが、若干でも軽くなるのではと思われます。

 意外な展開だ。実際怖い。おしっこもる。

 ではまた(`・ω・´)ゞ(そそくさ)

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