一抹の残響、今を思ひて時を乞う

壱闇 噤

第一声 『なんじゃこりゃ!!??』

「・・・」


──待て。


「・・・」


──おい、本当に、待て。











何が如何どうしてこうなった!


俺何もしてない、ごめんなさい!?


頼むから俺の声返してくんねぇかな!?










──闇に対して文句を垂れたって意味が無いな、虚しいだけだ…。











拝啓 お母さん。どうやら俺は平凡な今日を捨てなければならないようです。










***



これは、何の冗談か──…


俺が望んだのは平凡な日常で。


静寂な日々を捨て去るような異能モノを望んだ訳ではなく──…










──柚木ゆずらぎ 海理みこと、本日より異能遣いに目覚めます。

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