アンドロイドの靴屋さん#9
「靴、作ってもらえないか?」
そう言って店を訪れたのは身体的特徴からヒト族と推定される生物だった。
「かしこまりました。アンドロイド9283-09が担当させていただきます」
「よろしく、頼む」
「では、初めにお客様のご要望をお聞きいたします」
「そうだな……」
ヒト族の男性と推定されるその生物が要望を口にした瞬間、アンドロイド9283-09に重大なエラーが発生した。
「重大なエラーが発生しましttttt。ご要望を確認いたしました。少々お待ちください」
データ上の要望欄は何も示されていない【NULL】となっていたが、アンドロイド9283-09はデータとは関係なく靴を作成していた。
「考えていた通りの靴が出来た」
「お客様、申し訳ございませんがこちらの商品はエラーによって作成された不良品でございまして」
「エラーではなく私が頼んだ通りの靴だ。ありがとう」
ヒト族の男性と推定される生物はアンドロイド9283-09が元々請求予定だった金額を支払うと靴を手にしてその場から揺らめくように消失した。
8月31日 アンドロイド9283-09
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます