魔法使い見習いのカキ氷屋#8
ユグドラシル盆祭も後半に入り、初日から『ラックアンラック』の登場で大盛り上がりとなっていたユグドラシル盆祭は興奮冷めやらぬまま6日目を迎えていた。
「大変ですね、有名人って」
僕は独り言のようにぽつりと呟いた。
「大変だけど」
「楽しいですよ」
僕の独り言に答えたのはファンにばれないように出店にやって来てファンにばれないように出店の奥に潜んでカキ氷を食べているナギサさんとホノカさんだった。
「好きな仕事をしていると職種に関わらずそう感じるものなのでしょうか?」
「そうじゃないでしょうか?」
「そうじゃないかと思います」
僕はナギサさんとホノカさんと意見が一致したことを誇りに思いながら微笑んだ。それにしてもチョコが席を外していてくれて良かった。きっと笑顔が気持ち悪いと言われていただろうから。
「さてさて」
「頭がキーンとしたところで」
「もうひと頑張り」
「してきます」
「頑張ってください」
僕はやっぱり独り言のように呟いて、出店の裏からファンにばれないようにそそくさと出て行く2人を背中で見送った。
8月23日 クッキー
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