龍人のサイエンス教室#8
ユグドラシル盆祭が行われている屋上の片隅でぼくは1人でこそこそと空にカメラを向けていた。
「シュガーくん」
「奏吉さん、こんばんは」
夜空を眺めながら出店で買って来たリンゴ飴をなめていると、ユグドラシルの先代オーナーでユグドラシル現オーナーの祖父でありぼくが天体に興味を持つきっかけを与えてくれた人物でもある不知火奏吉さんがやって来た。
「今年も星の動きを撮影しているようだね」
「誰に見せる訳でもないのでぼくの自己満足でしかありませんが」
「自己満足、結構じゃないか」
何故なのかはわからないけれど、奏吉さんにそう言ってもらえてぼくはとても嬉しく思った。
「そう言えば、10月からプラネタリウム室の管理を任されることになってね。是非遊びに来てくれ」
奏吉さんはぼくの祖父を思わせるような優しい笑顔を見せて、来た道を戻って行った。
8月22日 シュガー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます