妖狐のケーキ屋さん#3
「チョコのケーキと聞いてチョコが来ました!」
「いらっしゃい」
随分と元気良く開店直後の店に飛び込んできたのはユグドラシルで占いの館『メトロノーム』と噂ではカキ氷屋を営んでいる魔女見習いのチョコちゃんだった。
「おほぉ! キリさん、キリさん! 美味しそうじゃないですかぁ!」
「チョコちゃん、チョコちゃんがこんなにもチョコレートケーキが好きだなんて知らなかったよ。試食用の一口サイズのケーキがあるけど食べる?」
「はい! 食べます。食べさせていただきます!」
「ちょっと待っていて」
おれはそう言って厨房にある小さな冷蔵庫から試食用のケーキを取り出してチョコちゃんのもとへ持っていた。
「はい、召し上がれ」
「いただきます」
チョコちゃんは丁寧に両手を合わせてそう言うと一口サイズのケーキを四等分にして四回に分けてケーキを味わっていた。
「けぷぅ、ご馳走様でした。今まで食べたチョコレートケーキの中で一番おいしかったです」
「それはありがとう」
目をキラキラと輝かせるチョコちゃんにおれはそう返した。
「そうだ! クッキーくんにも食べてもらいたいのでこのチョコレートケーキを2個下さい」
チョコちゃんはちゃっかり自分の分も買って帰った。
7月16日 キリマンジャロ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます