忍びのパン屋さん#2

「ふわぁ」


 うっかり欠伸をしてしまうと、クリームパンを食べていたナツキさんと目が合ってしまった。


「おねむですか?」


「昨日は遅かったもので」


「昨日? あぁ、七夕の特別営業ですか。お疲れ様でした」


「ありがとうございます」


 わたしはそう言ってナツキさんに頭を下げてお礼を言った。


「それにしても大きな欠伸でしたよ。このクリームパンが収まるくらいには口が開いていましたよ」


 ナツキさんはそう言うと大人の拳ほどの大きさのクリームパンを持って優しく微笑みながらそう言った。



7月8日 シャープ

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