天使の洋服屋#9
コラボ企画の最終報告をするために本社へ出向くと先輩がわざわざ缶コーヒーを持ってボクの所へやって来た。
「ゼバ、いい仕事を貰ったじゃないか」
「はい、先ほど社長に最終報告を済ませた所です」
「そうか。まぁ、取りあえずこれでも飲め」
「ありがとうございます。って、この缶コーヒー凄く高い奴じゃないですか?」
「そうだったか? そんな事は些細な問題だろ」
大きな声では言えないが普段からケチで有名な先輩が缶コーヒーとはいえ理由もなく奢ってくれることにボクは違和感を覚えた。
「ところで、コラボ企画のモデルってラックアンラックだったよな?」
「そうですよ」
ボクはコーヒーを飲みながらそう答えた。
「俺、昔からファンなんだよ。まだ会う機会はあるだろう? サイン貰ってくれないか?」
「なるほど、先輩は最初からそれが目的だったんですね? わかりました。会う機会があれば貰っておきますよ」
貰った缶コーヒーを飲んでしまった以上、断るなんて選択肢が無くなってしまっていたボクは呆れたような声色で口約束を交わした。
6月4日 ゼバ
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