吸血鬼の喫茶店#8

「ライム、何をしている?」


 少し用があって店の開店準備を店でアルバイトをしている私と同じ吸血鬼の少女ライムに任せていたのだが……。


「店長! あの、これは、ですね」


 私の目を見ないでそう言うライムの手元には電球が握られていた。


「店のこの明るさ、電球を変えたのか」


「暗かったので」


「それがこの店の特色だろ」


「じゃあ、戻します」


 ライムがそう言って再び電球を取り換えようとするので私はライムの腕を掴んだ。


「今日くらいは明るくても良い」


 私はライムにそう告げてライムの持つ電球を奪い取った。



5月31日 オレンジ

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