エルフの焼き鳥屋#5
「困ったな」
「サギッタリウスさん、この店が何の店だかわかっているよな?」
顎に手を当ててわざとらしく困ったような表情を見せる常連でダークエルフのサギッタリウスさんに私はそう言った。
「この店は焼き鳥屋だ。だが、私は野菜を食べたい気分だ。さて、どうしたら良いのか」
「わざとらしくこちらを見ないで下さい。野菜の串を作れるか確認して見ますから」
ねぎま用のネギとアスパラベーコンに使うアスパラはあったはずだと思いつつ大きな溜息を吐きながら冷蔵庫を覗くと、ネギとアスパラ以外にジャガイモ、トマト、キャベツが目についた。
「サギッタリウスさん、私はこの店にある材料を使ってサギッタリウスさんのリクエストに応えるつもりだがどんなものが出て来ても恨みっこなしで良いですね?」
「良いだろう。私のリクエストだ。どのような串が出て来ても甘んじて受けよう」
サギッタリウスさんは随分と男気溢れる声でそう言ったので私はその男気に応えるためになれない野菜串を作った。
5月9日 アロエ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます