おかしの駄菓子屋#2

 14時30分を少し過ぎた頃からジャックの駄菓子屋にはお小遣いを握りしめたお子様たちが集まって来る。


「ジャックのおじさん!」


「なんだい? 少年」


「いつものある?」


「いつもの?」


 彼はジャックの事を知っているのだろうが、ジャックは彼のことを知らない。そんな時は両手を高く上げてパン、パン、パンと三度叩く。


「少年の言っていた、いつものと言うのはこれかな?」


 ジャックはこの駄菓子屋で働く意識を持った人型クッキーのクッキーボーイから水に溶かすとメロンソーダになる粉を受け取って少年に尋ねた。


「それを三つちょうだい」


「三つで90円だ」


 ジャックは少年から100円を受け取り、少年に10円を返した。


「どうもありがとう」


 ジャックがそう言うとクッキーボーイは帰っていく少年に対して手を振って見送っていた。



4月20日 ジャック・オー・ランタン

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