エルフの焼き鳥屋#1
ガラリと扉の開く音が私の小さな店の中に響いた。
「いらっしゃい」
「一見でも大丈夫ですか?」
「どうぞ」
私はそう言ってスーツ姿の男性を席に着かせた。
「お客さん、この店にはルールがある」
「ルールですか?」
「この店で提供する焼鳥は1人5串まで。それ以上はいくら金を積まれても提供するつもりは無い」
「わかりました」
このルールを告げると店を出てしまう客も少なくはないがこの客はこの店のルールを了承した。
「ルールを了承してもらったところで注文は?」
「おまかせで」
「かしこまりました」
私はそう言い、無難ではあるがこの店の味を知ってもらうために鶏のもも肉と鶏皮をそれぞれ塩とたれで1串ずつとねぎまの塩を1串焼いた。
4月11日 アロエ
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